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平成21年第3回定例会−09月11日-14号

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  1. 杉並区議会 2009-09-11
    平成21年第3回定例会−09月11日-14号


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    平成21年第3回定例会−09月11日-14号平成21年第3回定例会 平成二十一年第三回定例会杉並区議会会議録(第十四号) 平成二十一年九月十一日 午前十時開議 出席議員四十四名 欠席議員二名  一番  け し ば  誠  一  二番  堀  部  や す し  三番  松  尾  ゆ  り  四番  北  島  邦  彦  五番  市  橋  綾  子  六番  小  松  久  子  七番  す ぐ ろ  奈  緒  八番  奥  山  た え こ  九番  (欠員) 一〇番  増  田  裕  一 一一番  いがらし  ち  よ 一二番  岩  田  い く ま 一三番  中  村  康  弘
    一四番  北     明  範 一五番  吉  田  あ  い 一六番  は な し  俊  郎 一七番  大  熊  昌  巳 一八番  藤  本  な お や 一九番  原  田  あ き ら 二〇番  くすやま  美  紀 二一番  小  野  清  人 二二番  安  斉  あ き ら 二三番  山  田  な お こ 二四番  太  田  哲  二 二五番  川 原 口  宏  之 二六番  大  槻  城  一 二七番  渡  辺  富 士 雄 二八番  松  浦  芳  子(欠席) 二九番  関     昌  央 三〇番  井  口  か づ 子 三一番  富  本     卓(欠席) 三二番  河  野  庄 次 郎 三三番  小  倉  順  子 三四番  原  口  昭  人 三五番  藤  原  淳  一 三六番  鈴  木  信  男 三七番  小  川  宗 次 郎 三八番  田  代  さ と し 三九番  河  津  利 恵 子 四〇番  島  田  敏  光 四一番  横  山  え  み 四二番  青  木  さ ち え 四三番  大  泉  時  男 四四番  伊  田  としゆき 四五番  斉  藤  常  男 四六番  (欠員) 四七番  小  泉  や す お 四八番  今  井     讓 出席説明員  区長           山 田   宏  副区長          松 沼 信 夫  副区長          菊 池   律  政策経営部長       高   和 弘  政策法務担当部長     牧 島 精 一  行政管理担当部長     大 藤 健一郎  区長室長         与 島 正 彦  危機管理室長       赤 井 則 夫  区民生活部長       佐 藤 博 継  保健福祉部長       遠 藤 雅 晴  高齢者担当部長医療政策担当参事               長 田   斎  子ども家庭担当部長    玉 山 雅 夫  杉並保健所長       友 松 栄 二  都市整備部長       上 原 和 義  まちづくり担当部長    大 塚 敏 之  土木担当部長       小 町   登  環境清掃部長       原   隆 寿  会計管理室長(会計管理者) 山 本 宗 之  政策経営部企画課長事務取扱政策経営部参事               井 口 順 司  区長室総務課長事務取扱政策経営部参事               石 原 史 郎  会計管理室会計課長    高 橋 光 明  教育委員会委員長     大 藏 雄之助  教育長          井 出 隆 安  教育委員会事務局次長   小 林 英 雄  教育改革担当部長     森   仁 司  済美教育センター所長   小 澄 龍太郎  中央図書館長       和 田 義 広  選挙管理委員会委員長   本 橋 文 將  代表監査委員       四 居   誠 平成二十一年第三回杉並区議会定例会議事日程第二号                  平成二十一年九月十一日                      午前十時開議 第一  一般質問 ○副議長(島田敏光議員) 議長の職務を代行いたします。  これより本日の会議を開きます。  出席議員の数は定足数に達しております。  会議録署名議員は、前回の会議と同様であります。  これより日程に入ります。  日程第一、区政一般についての質問に入ります。  二十五番川原口宏之議員。      〔二十五番(川原口宏之議員)登壇〕 ◆二十五番(川原口宏之議員) おはようございます。杉並区議会公明党の一員として、高齢者福祉に関する諸対策について一般質問いたします。  最初に、特別養護老人ホームの増設について伺います。  このたび区長が発表された計画、すなわち、特別養護老人ホームを五年間で三百人分増やすという計画を会派として高く評価しております。当会派は、従来から、毎年の予算要望の中で特養ホームの拡充を要望し続けてまいりました。  私ごとで恐縮ですが、私の父も、最後の数カ月間は特養のお世話になりました。父の場合もやはり区内の特養には入所できず、片道二時間ほどかかる三多摩地区の特養に入所せざるを得ませんでした。二年ほど前の話ですが、当時はまだ、郊外であれば即入所可能な施設が残っておりました。ところが、昨年あたりからは、そういう施設でさえも満床状態になってしまっています。  そんな状況の中、本年七月、待望のマイルドハート高円寺が警大跡地に開設され、区民の声におこたえできる体制の充実が一歩進んだわけですが、それでもなお待機者解消にはほど遠い状況であることに変わりはありません。  これまで区は、こうした状況を重要課題としつつも、特養ホーム増設についての中長期的な具体的な計画を示してこられませんでした。それがこのたび、このような計画を示すに至ったということは、区長に何らかのお考えがあってのことと察します。本計画策定への区長の思いを、まずはお聞かせください。  計画では、在宅の早期入所希望者に対して、ほぼ一〇〇%対応することが可能となるようにしていくとされていますが、三百人分増やしても果たして本当に一〇〇%対応できるようになるのか、先日配付された高齢者の介護基盤整備に関する安全・安心プランを拝見しても、少々わかりにくい面があります。実際どのように対応していくのか、お聞かせください。  建設予定地については、荻窪団地の建て替えに伴う整備に加えて、和泉の自転車集積所を転用するとのことですが、そのほかに具体的な建設予定地のめどはついているのでしょうか。また、特養ホームの建設には莫大なコストがかかると思いますが、その費用はどのように手当てするのか、国や都からの補助金制度はどのようになっているのか、あわせてお聞かせください。  特養ホームの整備に当たって、東京都が個室ユニット型を促進しているということもあり、マイルドハート高円寺もすべて個室ユニット型となりましたが、区民の中には、値段の高い個室より値段の安い大部屋、いわゆる多床室のほうがよいという声もあります。今後増設する施設については、そのような選択肢を備えておいたほうがよいのではないかと思いますが、区はどのように考えておられるでしょうか。  一方で、在宅の入所希望者の中には、優先度Aクラス以外の方、すなわちBランク、Cランクの方もおられ、その中にも、徘徊などでご家族が非常に苦労されているケースがあります。そういった方々にはどのような支援策を講じていくのか、お聞かせください。  加えて、安全・安心プランでは入所施設の整備にスポットが当てられていますが、言うまでもなく、介護支援は、入所施設の拡充のみならず、在宅介護への支援策もあわせて充実させていかなければなりません。その両面でのさらなる環境整備という視点を今後もぜひ維持していただきたいと思います。区のご認識をお聞かせください。  次に、高齢者福祉に資する公園整備についてお聞きします。
     私の家の近所に、和田公園という区立公園があります。子どものころよく遊んだ公園です。現在拡張工事が行われていますが、その工事の住民説明会が昨年十月と十一月の二回にわたって行われ、私も傍聴させていただきました。  当初、区側は、拡張部分に球技場を設置するA案と、子ども向け遊具を設置するB案を示しましたが、住民側の意向はそのどちらでもなく、高齢者の憩いの場となるような案もつくってほしいということになり、二回目の説明会では、その要望を踏まえ、花とみどりに囲まれたいやしの場とするC案も示されました。結局そのC案が採用になり、新たに花咲かせ隊の結成が検討されることになりました。私は個人的には、キャッチボールのできる球技場ができたらいいなあと内心思っていたのですが、公園の整備についても高齢者のニーズに配慮していく必要性が高まっているということを、この説明会を傍聴して改めて実感しました。  子どもの遊び場としての役割も果たしつつ、今後は高齢者のための機能をいかに充実させていくかということが、区立公園全体の課題になると考えます。特に、目立たない場所にある小さな公園など、子どもの姿をめったに見かけない公園が散見される一方で、高齢者が散歩の途中などにちょっと一息つける場所としてそういった公園を利用している姿は、以前からよく見受けられます。こういった公園の現状を区はどのように認識されているか、お聞かせください。  最近は、公園遊具メーカー等で、屋外に設置できる高齢者向けの健康遊具の開発が積極的に行われているようで、多くの住民の方々から、そのような高齢者向け健康遊具をぜひ公園に設置してほしいという声が上がっています。現在そういった健康遊具が設置されている公園はあるのでしょうか。あるとすれば何カ所あるか、お聞かせください。  高齢者向け健康遊具を設置するメリットとしては、第一に高齢者の健康維持、介護予防に役立つ、第二に高齢者の社交の場が創出できる、第三に、老若男女を問わず多世代が共有できるといったことが挙げられます。今後の公園整備の方向として、シルバーパーク構想とでもいいましょうか、身近で気軽に、継続的に多くの高齢者が有効利用できる公園を目指し、高齢者向け健康遊具を積極的に取り入れていくこともぜひご検討いただきたいと考えますが、いかがでしょうか。  先般、名寄市を訪問した際、パークゴルフ場というものを見かけました。最近はゴルフ経験者の高齢者が増え、ゲートボールでは飽き足らず、よりゴルフに近いパークボールの人気が高まっていると聞いています。川崎市でも多摩川河川敷に十八ホールのパークゴルフ場が整備され、子どもから高齢者まで多くの市民が楽しく利用しているそうです。  介護予防と公園有効活用の観点から、このパークゴルフ場が区内に設置されれば、多くの区民に喜ばれると思います。これは意見として申し述べておきます。  また、もう一つの視点として、公園における高齢者のさまざまな取り組み、例えば花咲かせ隊や介護予防運動といった取り組みを長寿応援ポイント事業にうまくリンクさせていくことも大事なことと考えます。  ところで、この長寿応援ポイント事業がいよいよ十月にスタートします。現在は登録団体を募集している最中だと思いますが、区民の反応はいかがでしょうか。また、現在の登録状況と見込み、今後のスケジュール、加えて、何か課題があればお聞かせください。  次に、高齢者福祉の今後の課題についてお聞きします。  団塊の世代と呼ばれている方々が二〇一五年にすべて六十五歳に到達します。二〇一五年問題とも言われていますが、社会構造上さまざまな課題が引き起こされるとされています。昼間人口の増加、年金者の増加、高齢者単独世帯や夫婦のみの世帯の増加、そして消費と流行を牽引してきた世代の高齢化に伴う新しい消費と文化の創造の可能性といったことが想定されています。  団塊の世代の高齢者像は、まだまだやりたいことがたくさんあり、自分のライフスタイルにこだわり、そして子どもの世話になりたくないと思っている、そういう方々であると言われています。これからは高齢者のニーズの変化を敏感にとらえつつ、安心の基盤整備を急がなければなりません。医療、介護に不安のない環境で、できる限り長く自立し、豊かに暮らす、これはだれもが願うことであります。このだれもが願うことを踏まえた今後の課題を二つ挙げておきたいと思います。  一つ目の課題は、高齢者が安心して住み続けることができる住宅環境をいかに整備していくかということであります。  現在は、高齢者が安心を手に入れるための選択肢として、介護つき有料老人ホームというものが存在し、需要は高まる一方ですが、ご存じのように有料老人ホームのほとんどは高額で、低所得層、中間所得層にとっては手の届かない存在となってしまっています。したがって、低所得層、中間所得層の方々には在宅以外に選択肢がないというのが現状です。特別養護老人ホームといった介護保険施設もありますが、それはあくまで最後の手段であって、しかも、入所を希望しても必ずしも入所できるとは限りません。  老後の生活を支えてくれる家族がいればまだしも、単身の高齢者は、もし支えが必要になったとき大丈夫だろうかという不安を抱きながら、在宅生活を続けることになります。夫婦のみの世帯の方々も、老老介護の悲劇がニュースになるたびに、自分たちは大丈夫だろうかといった不安に包まれます。今後ますます増えていくこれら単身の高齢者や夫婦のみの高齢者、また、子どもがいても子どもの世話になりたくないと考える高齢者は、医療、介護に不安のない住宅環境を、できることなら早いうちに手に入れたいと考えるはずです。  こういったことを踏まえれば、今後は、低所得層、中間所得層向けケアつき住宅の拡充が大きなテーマになると考えます。ここでいうケアつき住宅とは、収入に応じた適切な負担で入居でき、緊急時対応の機能があり、自立、要支援、要介護、医療といった各段階に応じて適切なサービスを受けることができるという要件を満たしたものと考えます。  例えば、国や都が補助を行っている高齢者向け優良賃貸住宅は、中間所得層にとってとても魅力的な住宅ですが、区内に一カ所もないのが現状です。こういったものを今後どのように誘導していくのか、また、低所得者向きの安価なケアつき住宅はどうすれば増やしていけるのか、そういったことを高齢者施策と住宅施策の各部門がしっかり連携して研究、検討を始めなければならないときが来ていると考えますが、区はどのようにお考えか、ご所見を伺います。  二つ目の課題は、安心の基盤の上で、自己実現のための刺激やにぎわいをいかにつくり出すかということです。  親御さんが有料老人ホームに入所されているという方がおっしゃっていたことですが、ホームに入所すると、当然のことながら周りが高齢者ばかりになり、サークル活動やイベント的な行事を盛んにやったとしても、基本的には刺激の少ない、余り活気のない毎日を過ごすことになり、よほど自分で気をつけていなければ頭も体も徐々に使わなくなり、老化の進行が早まってしまう。従来理想とされてきた静かな余生といったものが、人にとって本当に望ましいものなのかといった思いを抱くようになるとのことでした。  こういった不安にこたえたアメリカの先行事例の一つに、カレッジリンク型シニア住宅、すなわち大学と連携したケアつき高齢者住宅というものがあります。代表的な成功例が、マサチューセッツ州ニュートン市にあるラッセルビレッジというシニア住宅で、このシニア住宅は、ラッセルカレッジという大学のキャンパス内にあります。二〇〇〇年に開設されたこのラッセルビレッジには、従来のシニア住宅にない特徴があります。  第一に、入居条件として、年間四百五十時間以上の講座受講を入居者に義務づけています。この時間数はカレッジの学生とほぼ同じで、つまり、入居者は大学生並みに勉強しなければならないということです。このような義務を設けた背景には、ニュートン市がラッセル大学に対し、土地利用の条件として、生涯学習を絡めた住宅開発を強く要請したという経緯があります。  第二に、入居者は、ビレッジ独自の講座に加えて、ラッセル大学の講座にも参加できます。つまり、若い学生と一緒に学ぶことができ、時には学生の相談役になったり、さらには入居者自身が講師役になることもあります。自分の専門性や経験を生かすことができ、学生からも感謝されるというわけです。このような世代間交流ができるという点も、この方式の非常にすぐれている点であります。  入居者の年齢範囲は六十五歳から九十五歳までで、平均年齢は大体八十四歳ぐらい。要介護者はゼロです。入居者数は二百十人で常に満室、さらに百人以上が入居待ちという人気ぶりです。講座内容では、コンピューター関連フィットネス関連、音楽、言語、文学の人気が高く、ほかにも歴史、哲学、法律学など多数の講座が用意されています。大学とのレベルの差はほとんどなく、したがって、予習を求められることも多い。また、希望により単位も取得できます。  このように、学ぶことへの意欲を満たし、なおかつ世代間交流の機会を得ることができ、キャンパスライフを楽しみながら生涯学習を続けることができるという先鋭的な特徴を持つのが、このカレッジリンク型シニア住宅です。  当然のことながら、このラッセルビレッジのやり方はあくまで一つの例にすぎません。大学とシニア住宅との連携の方法にはさまざまな形があります。日本でも関西大学や千葉大学で、それぞれオリジナルの考え方に基づいた試みが始まっています。  激しい競争社会を生き抜いてこられ、やっと時間に余裕を持てるようになった団塊の世代の方々の中には、じっくり学べる機会を求めている方も少なくないはずです。大学にとっても、少子化による学生数の減少に直面し、一方で地域への貢献が求められている昨今、研究に値するテーマになり得るはずです。  自治体にとっても、大学が持っているソフト、ハード両面の資源をうまく福祉政策につなげることによって、行政サービスの幅を広げることができます。杉並にはすぎなみ地域大学というすばらしい生涯学習機関がありますが、それとはまた違う形のメニューとして考えていくこともできると思います。  いきいき元気に生涯現役を目指す杉並区として、また、区内の大学とさまざまな形で連携をとっている杉並区として、今後の高齢者施策のあり方を検討していく上で、ぜひヒントにしていただければと思います。  ご所見を伺って、質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 川原口議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、最初にご質問をいただきました高齢者の安全・安心プランにかかわるご質問にお答えしたいと思います。  まず、今回、三百床増床を二十五年までに行うということを策定した基本的な考えということなんですけれども、ことしの区の経営方針は、ご案内のとおり、遠きを見据え足元を固めるということです。遠きを見据えというのは、減税自治体とか、いろいろと長い目での杉並区の発展の礎を築くことですが、しかし、足元を固めなければ遠きを見据えていくことはできない。また、遠きを、どっちの方向へ行くかということは、北極星を見なければ足元をどう固めていいかというものもわからない。だから、この二つはやはり関連していると思うのです。  とりわけ、足元を固めるという視点に立ったときに、今の時代、最も優先度が高いというのは幾つかあろうかと思います。例えば経済、または教育、または子育て、高齢者、みんなKがつきますけれども、こういったものがあろうかと思いますけれども、中でもやはり緊急性の高いものは保育、そして高齢者の施設だと、こういうふうに考えています。  今回策定した保育と介護の安全・安心プランは、そういった考えで、緊急かつ着実に進めていくべき保育施設と特別養護老人ホーム等の整備計画をまとめてきたものですが、特別養護老人ホームについては、従来から非常に不足が指摘されておりまして、私も当選以来これはずっと重点政策だということで、平成十一年から三百九十六床の整備を進めてまいりました。十年で三百九十六床増えたわけですけれども、なかなか高齢化の進展の中で幾らつくっても足らない、充足しないという状況が続いてまいりました。  そこで、このような状況にあってもさらに一層このスピードを速めようということで、四年間で三百床の特別養護老人ホームを整備するということにしました。このことで、すぐ入所を希望している待機者のうち、優先度Aランクで、現に入院して医療を受けていらっしゃる方などを除いて、在宅で生活されている方に対しては、ほぼ一〇〇%入所できるというふうになります。  今回この計画では、老人保健施設認知症高齢者グループホームショートステイなど多様な施設整備を同時に進めていくことによって、これらによって、在宅の早期入所希望者以外のより多くの高齢者のニーズにも柔軟に対応できる体制をしっかり進めていきたい、こういうふうに考えております。  ほかの質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(島田敏光議員) 高齢者担当部長。      〔高齢者担当部長(長田 斎)登壇〕 ◎高齢者担当部長(長田斎) 私からは、川原口議員のご質問のうち、所管の事項についてお答えいたします。  最初に、特別養護老人ホームの建設予定地及び費用についてのお尋ねですが、現在予定している荻窪団地の建て替え用地、和泉自転車集積所のほかの用地につきましては、改めて区有地の全用地を点検して、高齢者施設の建設可能性を探るとともに、民有地の活用も視野に入れて確保に努めてまいりたいと考えております。  建設費用は、特別養護老人ホームを整備する社会福祉法人が負担することになりますが、区からは一床当たり三百万円、東京都からも一床当たり六百四十五万円の補助金があります。  また、建設用地につきましては、区有地の賃借料の軽減や、法人が用地取得を行った場合の助成あるいは定期借地権への助成制度の活用等を図ってまいりたいと考えております。  次に、ユニット型個室に関するお尋ねですが、現在東京都では、全室個室のユニットケア特別養護老人ホームにしか補助制度がございません。これはケアの質を守るためには非常に重要なことですが、ご指摘のようにユニットケアの居住費が高いことから、低所得者が利用しにくいという状況が生じていることも事実です。  また、都市部のように圧倒的に施設が不足している地域では、効率的な施設整備の制約にもなっており、今後の補助制度の動向等も見据えながら、一部に多床室を導入することも検討する必要があると考えております。  優先度Aランク以外の方々への支援についてのお尋ねですが、今回の計画では、特別養護老人ホーム以外にも、老人保健施設を百床、認知症高齢者グループホームを百八床、そのほかにショートステイ七十二床を整備していくこととしており、このような多様な施設を整備していくことにより、さまざまな事情を抱える方たちに対しても柔軟に対応できる基盤整備を進めてまいりたいと考えております。  また、ご指摘のように、高齢者の介護については、施設整備と在宅生活支援の両面からの施策の充実が求められています。在宅介護という視点からは、二十四時間対応の訪問介護、訪問看護などの介護保険サービスを基本に置きながら、配食サービスや外出支援など、介護保険外のサービスの充実を図っていくことが必要であると考えております。  また、後段のご質問とも関連しますが、介護を受けながら住み続けられる住まいの確保も、今後さらに力を注いでいく必要のある重要課題の一つであると認識しております。  次に、長寿応援ポイント事業についてのお尋ねですが、八月一日から長寿応援ポイント事業の活動登録申請の受け付けを開始しまして、多くの区民の方からお問い合わせなどをいただいており、この事業に対する区民の関心が徐々に高まってきていると感じております。八月末現在の活動登録の申請状況は、区の事業の関係が百七十四件、区民の団体からの申請が二百四十三件で、各活動に参加されている方の合計は八千二百十六人となっております。  次に、今後のスケジュールですが、十月一日から長寿応援ポイントの配布を開始するとともに、活動登録の申請も増えてきておりますので、当面、毎月活動認定部会を開催し、ポイントを配布できる活動の増加に努めてまいります。また、認定した活動の例等を区民にお知らせするなどして、この制度への参加のより一層の拡大を図ってまいりたいと考えております。  なお、平成二十二年四月から、ポイントと区内共通商品券との交換を開始する予定でございます。  次に、ケアつき住宅などの研究、検討についてのお尋ねですが、区としても、今後は、介護が必要になっても住み続けることができるケアつき住宅などの整備を進めていくことが必要であると考えており、国や都の助成制度を活用した高齢者専用賃貸住宅の建設推進策や高齢者住宅みどりの里のケアつき住宅への転換などについて、高齢者部門と住宅部門が連携して具体的に検討してまいります。  私からの最後になりますが、高齢者の生涯学習や世代間交流などについてのお尋ねですが、高齢になってもさまざまなことに興味を持ち、学びたいという気持ちや、ほかの世代と交流を図りたいという気持ちを大切にすることは、生涯現役の視点から極めて重要であると考えております。杉並区でも地域大学あるいは杉の樹大学やゆうゆう館の協働事業などを通して、生涯学習や世代間交流などに取り組んでおりますが、今後、ご指摘のような区内の大学との連携を含め、高齢者の要望なども伺いながら研究してまいりたいと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(小町 登)登壇〕 ◎土木担当部長(小町登) 私からは、公園整備に関するご質問にお答えします。  まず、公園の現況についてのお尋ねですが、歩いていける近くの公園は便利なため、幼児や学齢前のお子さんを持つ方々には利用いただいております。しかし、少子化の影響や子どもたちの生活、遊びの変化などにより、公園を利用する子どもたちが以前と比較して減少しています。一方で、花咲かせ隊や公園育て組のようなボランティア活動を楽しんだり、散歩のとき休息や軽い運動などに公園を利用されたりする高齢者の方々は増えております。  次に、健康遊具についてのお尋ねですが、背伸ばしベンチ、腹筋ベンチ、ぶら下がり遊具などの健康遊具が二十七の公園に合計七十四基設置されており、高齢者を初めとした区民の方々に利用されております。  今後も広く地域の方々のご意見をお聞きしながら、高齢者が利用しやすい健康遊具を調査研究し、高齢者が外出したくなるような公園づくりを進め、幅広い世代が利用することのできる公園づくりに取り組んでまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で川原口宏之議員の一般質問を終わります。  十九番原田あきら議員。      〔十九番(原田あきら議員)登壇〕 ◆十九番(原田あきら議員) 私は、日本共産党杉並区議団を代表して、区政についての一般質問を行わせていただきます。  まず初めに、減税自治体構想についてお聞きします。  区長は、九月七日記者会見で、いよいよ減税自治体構想を実行に移すとし、来年二月の区議会に仮称減税基金条例を上程すると発表しました。区政の根幹にかかわる重大な問題にもかかわらず、いまだ区民の間の議論は尽くされていないのが実態です。議論はしないが、しかし、減税自治体構想はすばらしいと一方的に主張を押しつけるのも、区長の常套手段です。  区報には区議会での多くの反対の声、苦言を全く載せずに、いいことずくめかのように報道しました。減税自治体フォーラムというシンポジウムも開催しましたが、ここでもパネリストのすべてが減税自治体構想について推進の立場をとっており、司会までもが、まるで山田区長も減税自治体構想もすばらしい、そんな立場でパネリストに振っていくというような構成になっていました。その光景は、まるであの安倍元首相によるタウンミーティングをほうふつとさせました。賛否両論あるこの問題で、こうしたシンポジウムの人選は公正なものとは言えません。  減税自治体構想についての漫画もつくられていますが、この漫画では、主人公の家庭が子どもの将来のために貯金する様子を描いて、区が貯金するのも当然のことだと描きます。しかし、この構想の根本問題ですが、家計と区の財政は根本的に違います。将来の子どもたちのためといいますが、家計の貯金と違って、区財政は、貯金すると、ためたときの区民とは全く違う区民に将来使われてしまうのです。むしろ家計の貯金ができるように税金を使っていくのが区財政の使命ではないでしょうか。  また、区財政の原資はもちろん税金であり、富める者がより多く出して、社会的弱者の介護や医療、みんなではぐくむ保育や教育などに重点的に使うという富の再分配の鉄則が区財政には貫かれています。ですから、区財政をためることはその機能を一部停止させることになり、むしろ思いやりの心を忘れた冷たい政治につながるのです。区財政を家計と一緒にしてはいけません。  さて、漫画では、その後、主人公夫妻は減税自治体フォーラムに参加することになります。そこでは、参加した区民から構想に反対する意見が飛び出しますが、そうした意見は、何か今さえよければいいという、考えの足りない区民の意見として描かれます。  私は、このような一方的な宣伝物ができ上がるのではないかと早くから危惧し、議会で、反対意見も載せたものをつくらなければならないと明瞭に指摘し、区は、賛否両論含めますと明瞭に答弁していたのです。にもかかわらず、このような宣伝物ができ上がるのを見て、区が行政としての最低限の良心さえも失っていると、悲しさすら感じました。  そこで、率直にお聞きします。賛否両論あるこの問題で、賛成論者だけを集めたシンポジウムの開催は、区の税金を使って区長が政治的な主張を区民に押しつける行為であり、区政の私物化と言って過言ではありません。もっと公正な議論の場をつくるべきと考えますが、いかがか。  また、さきに配布された漫画の内容も総じて減税自治体構想を支持し、反対意見を述べる者は利己主義的な区民と見せる手法が用いられています。こうした偏った媒体で区民周知を図ったとするのは、自治体として許しがたい行為と考えますが、区の答弁を求めます。  さて、少しのお金をため続けると、十年後には一〇%の減税になる、しかも災害時には被災者救済に充てられる、そう言われたらだれだって反対しません。しかし、減税自治体構想フォーラムでも漫画でもだれも話題にしなかったのが、では、実際どれだけ減税されるかという話です。  例えば十年後、私たちの減税額は幾らになるのか。年収五百万円の夫婦で子どもが二人いる場合の減税額は、およそ一年間で八千四百円にしかなりません。一年間にです。同じ条件で七百万円の収入の場合は一万八千円ほど。フォーラムにはたくさんの高齢者がいらっしゃったので、以前から私がよく議会で示す例ですと、夫の年金収入二百四十万円の高齢者夫婦で、減税してもらえるのは年間にたった千六百円です。一〇%減税といっても、所得税や都民税まで下がるわけではありません。あくまで区民税だけですから、その額は実は極めて小規模なんです。  もう一つ話題に上がらなかったのが、毎年予算の一割というお金が果たして少しの貯金と言えるのかどうかという問題です。例えば百五十億円あったら何をすべきかという問題です。  今、保育園が足りないということで大問題となっていますが、安くて安心できる認可保育園を五百人規模で整備したとして、年間にかかるお金は十億円弱です。同じく足りていない学童クラブは、八十名を超えるようなところに第二学童を十施設ほどつくってあげたとして、三億円で待機児童問題や施設の超過密状態に対応できます。  高齢者の深刻な介護問題解決のために特別養護老人ホームを建設しようとすれば、先日オープンした中野の警察大学跡地にできた百三十床の大規模特養ホームで、区負担分は十二億円でした。何よりも高齢者になってから心配になる医療費を、七十歳以上は通院、入院、手術代すべて無料にしたとして、かかるお金は五十八億円です。これは我々現役世代にとっても、将来に安心を感じる施策となります。  これら全部合わせたとして八十三億円。百五十億円までまだ六十七億円余ります。毎年百五十億円のお金を使わないということがどういうことか、わかると思います。保育や介護、医療などの問題を十年間放置し続けることによる区民生活への悪影響は、余りにも、十年後に行われる数千円の減税と比べて甚大過ぎるのではないでしょうか。そうした区民生活の痛みが地域経済に与える負の経済効果、これもなぜ気にかからないのか、不思議です。こうした指摘を私は何度も区議会で行ってきましたが、区長は、それに答えることは今までありませんでした。  そこで、改めてお聞きします。毎年百五十億円ものお金を使わないことによる地域経済や区民生活に与える影響についても、区は調査検討すべきじゃないですか、お答えください。  また、たまった基金は災害時にも使えると言いますが、それなら、災害対策基金というのが既にあり、これを必要額積み立てればいいのではないでしょうか。一体、災害時を考えた場合いかほどの基金が必要と試算しているのか、明確に区の見解をお示しいただきたい。  いまだ区民への周知が徹底されておらず、区民からの批判も多いこの問題で、来年二月の議案上程は撤回すべきと考えますが、いかがか、お答えください。  さて、減税自治体構想が進められるもとで、実際に区民生活はどのような状態になっているのか、以下の質問を通しても認識していただきたいと思います。  次は、介護認定の問題についてお聞きします。  この間、私は実際に現場に出かけ、現在の介護認定がいかに実態を反映しないものであるかについて取材してきました。以前は、成田の高齢男性で、足腰を悪くしてトイレに向かうのに何分もかかり、結果、ふん尿まみれの部屋や布団で過ごしていたのに、何分かかろうがトイレに自分で行けるので、自立という判定がなされた件など報告してきました。今回もそうした生の実態を届け、区の対応を求めるものです。  永福に住む七十五歳の女性は、半身不随で、去年まで介護度一でした。まさに体半分が動かないわけですが、健康のためと、つえをついて、百メートル先のコンビニエンスストアに向かいます。壁にもたれながら、壁がなくなると慎重に。転んだら普通のけがじゃ済みません。何と、行って帰ってくるのに三十分はかかります。  掃除機をかけるのが大変です。半身が動かないんですから、つえをつきながら掃除機を使うわけにいかない。介護保険制度が始まると、同居している娘夫婦がいるのだからと、それまで来ていたヘルパーさんが突然来なくなり、女性の部屋やトイレの掃除をしてもらえなくなったそうです。同居人がいるといいますが、この娘夫婦は、朝七時半には仕事に出て夜遅く帰ってくるのが実態です。夫は何と深夜の帰宅が当たり前の状況。妻も、炊事、洗濯に掃除まで入ってくれば、毎日がへとへとです。  この女性は、結婚後、夫やその家族を支え続け、過労の余り、何と四十七歳でクモ膜下出血となり、現在の状態になりました。以後二十八年間、持ち前の負けん気で頑張ってきましたが、この春先に調査員がやってきて、介護度はさらに引き下げられ、要支援二になりました。どこまでも冷たい政治に驚き、いいかげんにしろと憤りを隠しません。実は、半身不随で日常生活に支障を来しながらも要支援二になる人がたくさんいる実態があります。  そこでお聞きします。認定調査員の持つ画一的なマニュアルではとらえられないような、介護を必要とする実態をどのようにして認定に反映させるのか、区の見解を求めます。  和泉にお住まいのAさんは現在八十四歳。大腿骨骨折で歩くのが不自由。しゃがむことができないので、ガスの元栓さえ締められません。以前に家で転倒したときは、ベッドの鉄骨や壁を支えに、起きるのに三十分かかったといいます。骨粗鬆症を発症していて、医者からは、再び転倒すれば今度こそ骨折して寝たきりになると指摘され、外出もできません。  しかし、この春、またもや認定調査員が家を訪れ、何と介護度一から要支援二に、最低ランクに介護度を引き下げられてしまったのです。それまであった五時間のヘルパーの枠が週に二時間に減らされ、足りない分は、川崎に住む弟が月に三万円を出して補っていますが、それでももとの五時間に足りません。  私が実態を聞きに行くと、女性は身の上を語ってくれました。戦中、看護師として働き、戦争にも従軍して、中国の前線で生死を分けたそうです。その後もよく働き、税金も納め、まじめに生きてきたこの女性が、なぜこのような仕打ちを受けなければならないのか。  区長、国の制度とはいえ、区民がこれほどまでに苦しんでいる状況を基礎自治体が放置するわけにはいかないと思うんです。減税自治体構想で幾ら未来のためと高らかにうたっても、これまでのこの日本を支えてくれた高齢者に敬意を払わない行政では、その言葉はむなしく響くだけだとは思いませんか。  ちなみに、区独自にヘルパー派遣を行うのにかかる費用は、我が党は五億六千万円と試算しています。  さて、政権交代を通して、貧しい介護行政の転換も図りたいところです。介護サービスの切り捨てどころか、逆に介護保険制度を貧しいものにしてきた最大の原因である国庫負担の引き下げをもとに戻す、介護保険制度の抜本的改善を国に行わせるチャンスです。  そこでお聞きします。現在の介護の問題点を基礎自治体からこそ国に告発し、自公政権による毎年二千二百億円の社会保障費削減中止と、介護保険制度導入と同時に半分に減らされた国庫負担をもとに戻すよう国に求めるべきと考えますが、いかがか、お答えください。
     次に、区立幼稚園改革についてお聞きします。  区立幼稚園改革と言えば聞こえはいいんですが、実際は、保育園の待機児解消のために区立幼稚園を犠牲にする計画と言って過言ではありません。結果として区立幼稚園の定員が四分の一に減らされ、残り四分の三を保育定員に充てるという計画なんです。  夏休み中、一方的に日時を指定しての保護者説明会、ホームページ上での非常に短期間の意見募集など、およそまともに区民の声を聞く姿勢が区には感じられません。それでもホームページ上には百件を超える声が寄せられ、そのほぼすべてが幼稚園定員の削減に反対の声でした。そこに出された意見の多くに、私たちの声をしっかり聞いてほしい、こう書いてあったのが印象的でした。  ある家庭の話です。実の母が病気になり、会社をやめて介護をしてきました。父も肝臓がんになり、闘病中で、それも支えなければなりません。そんな中、数年前から夫の仕事も厳しくなり、家計が苦しくなります。保育園に入れて、介護の合間に仕事をと思いながらも、自分がフルタイム勤務でないので、保育園には入れられない。幼稚園しかありませんでしたが、私立の二十万円などする入園金は払えるわけもなく、そんな中、区立幼稚園が門戸を開いてくれたのでした。  その母親は、子だくさんの家や夫がリストラされた家庭などで、保育園にも入れず、区立幼稚園しかないという家庭がたくさんあると教えてくれました。もしも入園の枠が狭められれば、生活に重大な危機が生じる家庭の実態が多く区立幼稚園に存在していたのです。  また、何といっても、区立幼稚園を子どもも親も大好きだ、こういう意見も多く目につきました。あるお母さんは言います。みんなお友達、みんな仲間ということを信じられる場所だと。延長保育がないので、体調が悪いときや用事のあるときは、お互いの子どもの面倒を見合うことがあり、よその子どもをしかることができる関係が生まれていると言います。区立幼稚園は、子どもたちにすばらしい教育を行っているだけでなく、親同士の関係を結び合わせ、助け合って子育てしていく基礎になっているのだと。区長、聞くにつけ、すばらしい区政の財産と感じないでしょうか。  そのお母さんは続けます。どうか私のような、子どもの幼いうちは子どものそばにいたい、子ども時代を存分に楽しんでほしいと考える親に、区立幼稚園に入園できる可能性を広げてくださいと。  区は、区立幼稚園保護者のニーズにこたえた改革だと強弁します。区立幼稚園での三歳児の受け入れや延長保育のニーズを踏まえたというんです。しかし、そうしたニーズにこたえても、そのために入園自体ができなくなるというのでは本末転倒もいいところです。  そこでお聞きします。一学年六十四人の枠が十六人と四分の一に減らされる事態は、区民のニーズにこたえているとは言えないのではないか。区の認識を伺います。  重大な影響を受ける家庭が存在していることへの配慮がなく、幼稚園教育の質の維持についても明確な説明のできない中で来年から実施するなど、余りにも拙速過ぎます。延期して、父母や関係者との話し合いを進めるべきと考えますが、いかがか、お答えください。  区はこの間、認証保育の増設など小手先の対応に終始し、その結果として三歳児受け皿問題を発生させています。つまり、認証保育は大概二歳児までの保育となるので、どんなに認証保育を増やしても、結局、三歳児からの受け皿として新たな施設が必要となるのです。だからこそ、日本共産党杉並区議団は、保育園待機児の対応は認可保育園の増設で行えと、口を酸っぱくして指摘してきたのです。これに耳を傾けることがなかったために、今回のような待機児増加率全都トップという不名誉な記録を打ち立ててしまったわけです。そこに反省することなく、そのしわ寄せを区立幼稚園の子どもや親に押しつけようなど、余りにも身勝手な政治であり、到底改革の名に値しないと指摘するものであります。  今、改めて指摘します。保育需要にこたえるのであれば認可保育園をつくるべきと考えますが、いかがか、お答えください。  今回の拙速な方針が近隣住民の不安も呼び起こしています。このたびの延長保育が行われれば、もしかしたら、夕方を過ぎて食事中まで大きな声を聞かされることもあるかもしれません。区が拙速にこの方針を押し通せば、不信感とも相まって、せっかくの子どものかわいい声も騒音と近隣には聞こえてくるでしょう。私のもとには、そうした近隣住民からも手紙が届けられています。区は、こうした近隣との折衝を行っているのでしょうか。施設の防音設備、園庭を使った保育の適切な時間の設定など、近隣住民への配慮をすべきではないか、お答えください。  次に、区立図書館の全地域館指定管理者制度導入についてお聞きします。  区はこのたび、指定管理者制度に基づいて、全地域図書館を民間事業者に明け渡す計画を発表しました。区民の議論もないまま、既に業者の募集が始まっています。市民団体からは既に多くの反対意見が出されていますが、その特徴的なものは、指定管理者制度では図書館の継続性が失われ、社会教育の主柱たる図書館の発展を損なうと指摘するものです。しかし、区は、民間業者の創意工夫が運営に加わるし、職員の労働条件も法令に違反することはないんだと強弁します。  そこで、図書館を受託している代表的な民間事業者が二〇〇六年、毎日新聞にあけすけに語った記事を紹介します。図書館法に無料貸し出しの原則があるため、入館者が増えれば赤字になる、全くうまみのない事業だと、創意工夫どころか、誠意も感じられない発言が飛び出しています。事業者にとって図書館の民間委託は、人件費を削ることでしか利益を上げられないんです。ここに果たして創意工夫が生まれるかどうか。  ですから、民間運営の図書館で働いている人はほとんど非正規、低賃金、短期間の労働となっています。働いている人の労働条件も確かに気になるのですが、図書館にとって最も重大な問題は、短期間雇用であるという点です。図書館にとって非常に重要なのは、経験や能力の蓄積です。これが保障されれば、図書館には逆に、本の貸し借りにとどまらない、まさに無限の可能性が生まれます。  例えばその地域の商店街が衰退していたとする。そんなときに、いい実践はないかと図書館に行くと、その図書館の蔵書に熟知し、地域を熟知した図書館司書が最新のすぐれた本をすぐに用意してくれる。まるで経営アドバイザーのような機能が備わるわけです。議員が地域問題で困り、どうしようかと図書館に行くと、専門の司書が対応して、次々と目の前に各地の経験を記した本や、その問題にかかわる学術書まで積み上げてくれる。そんな機能を発揮することもできるんです。  来週の九月十五日六時半から杉並産業商工会館で行われる市民集会に訪れる常世田良氏が指導した浦安図書館では、こうしたことが夢ではなく、実際に行われています。図書館にしっかりと専門職を配置し、経験と能力の蓄積を図ってきた結果なんです。  職員が低賃金でころころとかわるだけでなく、管理業者自体が三年ごとにかわる可能性のある図書館の指定管理者制度の問題点は、国会でも大きな課題となり、二〇〇八年六月、衆議院、参議院の両院で、図書館については指定管理者の導入による弊害があるので十分配慮せよと、全会一致の附帯決議がなされています。こうした声に押されてか、同じ国会で渡海文部科学大臣も、公立図書館への指定管理者制度の導入は、長期的視野に立った運営が難しくなり、図書館になじまないと、より明瞭に答弁しているんです。ですから、実際は、指定管理者制度を図書館に導入している自治体は全国で少数派なんです。  さて、杉並には条例に定めのある図書館協議会という中央図書館長の諮問機関が存在しますが、この協議会委員から、このほど区の今回の方針に反対の声明が出されました。これは極めて異例のことです。そこには数々と重大な問題が指摘されていました。  例えば、全館に指定管理者制度が導入されたとき、敵対する事業者が円滑な図書館ネットワークを構築できるのか、ころころ入れかわる事業者やその職員が大量の区民の個人情報を守れるのかどうか等々です。こうした指摘は区民からも区は受けており、回答もしていますが、結果として、現在検討組織を設け、検討していますというものでした。来年から全館導入という重大な決定にもかかわらず、この時期に現在検討中というのは異常事態じゃないでしょうか。  何よりも驚いたのは、そもそも、なぜ図書館協議会からこのような声明が出されたかという理由です。図書館行政にかかわる重大な決定は、これまで漏れなく図書館協議会に報告され、諮問されてきました。しかし、今回の全地域館への指定管理者制度導入の件だけは、協議会に諮問されることがなかったというんです。  実は、さきに区は図書館経営評価委員会なる組織をつくり、図書館経営評価なる報告書を作成し、図書館協議会に諮問していました。これは、図書館経営評価委員会のメンバーによる評価や図書館職員による自己評価などを織りまぜて、各図書館の、各項目でA、B、Cをつけた資料です。実は、この資料こそが、今回の決定の重要な資料になったと区は話しているんです。  図書館協議会は確かにこの報告書の諮問は受けましたが、そのとき、この報告書が全館指定管理者制度導入の資料になるとは聞いていませんし、しかも報告書がまだ試行段階の未熟な資料であると指摘しているんです。確かに報告書には多くの疑問点があります。  例えば、民間事業者に業務委託を行っていた南荻窪図書館では、利用者の個人情報が書かれた紙をメモ紙にして、個人情報が漏えいするという前代未聞の事件が起きていました。ところが、何とこの図書館は、個人情報保護の徹底を含めた運営管理の評価でAだったんです。片や、区直営の図書館では、同じ項目でA評価は二館だけ、B評価が五館という結果になっていました。直営館の場合は過半数がB評価となっていた。  情報漏えいをした図書館がAとなる評価で、Bとなる直営館はどんな事件を起こしたのかというと、大した問題など犯していなかったのです。市民団体が開いた集会では、区直営の職員が発言し、やはり何に使われるかも知らされず自己評価報告書に記入したこと、正直にまだ足りない面があると記入したところ、Bとつけられ、指定管理者導入の口実にされたと、憤りを隠しませんでした。  そこで、続けてお聞きします。図書館協議会の意義について、区の見解を求めます。また、図書館協議会に区立図書館の全館指定管理者導入について諮問しなかったのはなぜか。全館指定管理者制度導入に関して、図書館協議会に改めて諮問すべきと考えますが、いかがか、お答えください。  率直にお聞きしますが、図書館経営評価報告書でさして問題のない直営館がBとなり、情報漏えい問題を起こした中央図書館の業務委託がAとなっているのはなぜか、お答えください。  図書館経営評価報告書は内容の信頼性が乏しく、これを資料とした改革方針の撤回を求めますが、いかがか、お答えください。  日ごろ、百年の計とか、日本の没落は教育が悪くなっているからだと指摘する区長が、なぜ社会教育の主軸たる図書館行政をかなぐり捨てるかのような方針を出すのか、理解に苦しみます。区長の答弁も求めて、次の質問に移ります。  解散総選挙の公示日を前にした八月十日、区内のとある男性が新型インフルエンザの診断を受けました。男性は、その日一日、ふらふらするなあと思いながらも、まさか新型インフルエンザとも思わず、子ども会の行事に参加。子どもたちと体当たりで遊んでしまいました。夕方には選挙のための地域集会にも出席。夕方になって休日診療の病院に向かったのでした。  病院で体温をはかったところ、何と三十九度。しかし、お医者さんは、風邪ですねと言って、解熱剤と抗生物質をくれるだけの対応だったので、私から検査を求めたのでした。すると、しばらくして診察室に呼ばれ、A型です、新型インフルエンザですねと宣告されたんです。言われた途端、一気に熱が冷めた気がしました。「か、隔離ですか」と尋ねると、いえいえ、自宅謹慎です、きょうはあなたで四人目、先週も六人来ましたからとのこと。そうなんです。既に八月の初めには急速な拡大が進行していたにもかかわらず、報道もされていなかったんです。拡大を知りながら、三十九度の熱を出した患者にインフルエンザ検査を勧めなかった医療機関もどうかと思いましたが、報道がされていなかったのは拡大を助長したと思うんですね。  何よりも、カミングアウトが本当にしにくかったです。全く報道されていないので、説明もかなり詳しくせねばならず、大変で、私は職業も職業ですし、また高齢者などとも接触していたので、すぐさまその日出会ったすべての人に電話をかけましたが、率直に言って、そうでなければカミングアウトしたかどうかわからないぐらいの緊張感でした。結果、子ども会の子ども五人に感染しましたが、そこから先の二次感染は防ぐことができました。  さて、病院の指導に従い、五人の感染児童の親は、子どもに症状が出次第、すぐにマスクをつけて病院に連れていきました。しかし、病院では、感染の可能性が濃厚にもかかわらず、発症直後は検査しても反応が出ないから、新型インフルエンザの対応をしてもらえず、通常の風邪薬だけ出されたそうです。次の日、五人とも三十九度前後の熱を出し、再び病院に行くことになりました。  極めて感染が濃厚な患者でも、検査で確認がとれないとタミフルやリレンザなどを処方しないんでしょうか。中には予防的に処方するかどうか聞かれた子もいましたが、そのときは、保険がきかないから高くつくとも言われたそうです。  そこで、最後にお聞きします。今後は、高熱で受診した患者には、医療機関から積極的にインフルエンザ検査を受けるよう呼びかけるよう、区から指導すべきではないでしょうか。また、感染の疑いが濃厚な発熱には早期にリレンザやタミフルの投与をしてもいいのではないでしょうか。  以上、現場に出向き、あるいは個人の経験から、区政一般の質問を行いました。区の誠実な答弁を求めて、私の一般質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  政策経営部長。      〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕 ◎政策経営部長(高和弘) 私からは、原田議員の減税自治体構想についてのご質問にお答えいたします。  まず、区民周知の手法に関するお尋ねですが、パネルディスカッションの出演者は、さまざまな角度から議論を行っていただくことにより、参加者の構想に対する理解を深めることができるよう、立場や専門分野の異なる方を人選したものであり、委員のご指摘には当たりません。  また、パンフレットにつきましても、これまでに区に寄せられたご意見の中から、賛成意見、反対意見ともに代表的なものを掲載しており、構想の内容をわかりやすく伝え、さまざまな視点から考えるきっかけとなる内容になっていると認識してございます。  次に、減税自治体構想が地域経済や区民生活に与える影響についてのお尋ねですが、区は過去十年間、予算の一割以上を区債の償還と基金の積み立てに充てながら、区民サービスの充実に努めてまいりました。現に、区民意向調査の結果や民間のシンクタンクの調査でも、区の事業やサービスへの満足度、評価は高まっており、今後とも行財政改革に努めていけば、その時々の行政需要に的確にこたえながら一定額を積み立てに回していくことは可能だと考えております。  また、積み立てに回せるお金があるからといって、その年のサービスにすべて振り向けてしまうという財政運営では、中長期的に安定的な行政サービスが提供できないことは、バブル経済崩壊後に自治体財政が大幅に悪化し、いまだに多くの自治体が財政難から抜け出せずにいることからも明らかだと考えております。  次に、減税に向けた基金と災害対策基金との関係についてのお尋ねにお答えいたします。  阪神・淡路大震災では、当時人口約四十二万人の西宮市で三千二百六十億円の復興資金を要したという分析が出されております。単純に比較はできませんが、人口比をもとに計算すれば、人口五十四万人の杉並区では、四千二百億円以上が必要という結果となります。  現在、区では、災害対策に対する臨時的な経費に充てるために災害対策基金を設置しておりますが、全区的に甚大な被害が及ぶような大規模災害が発生した場合には、対応が困難だと考えます。その際、迅速かつ十分な対応を行うためには、減税のための基金の弾力的な活用が有効であると考えているところでございます。  私からの最後に、構想の周知に対するお尋ねですが、区はこれまでも、関係団体への説明、広報紙への特集記事の掲載、ホームページへの専用バナーの開設、漫画を基調としたパンフレットの配布、フォーラムの開催など、さまざまな方法により区民への周知を図ってまいりました。その中では、構想に賛同するご意見を数多くいただいております。  今後ともこうした努力を重ねながら、来年の第一回区議会定例会への条例上程に向け、区民への周知の徹底を図ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 高齢者担当部長。      〔高齢者担当部長(長田 斎)登壇〕 ◎高齢者担当部長(長田斎) 私からは、介護保険に関するご質問にお答えいたします。  まず、要介護認定についてのお尋ねですが、要介護認定は、全国一律の基準に基づく一次判定に加えて、一次判定基準に当てはまらない、申請者固有の状態を専門家の目で酌み取り、要介護度に反映させる二次判定を経て決定されます。  区といたしましては、調査員や認定審査会委員への研修を充実させるとともに、二次判定の判定資料である調査票の特記事項や主治医意見書の内容をきめ細かく酌み取り、実態をより反映した判定に努めてまいりたいと考えております。  次に、介護保険に関する国への要望についてのお尋ねですが、区といたしましては、昨年に引き続き本年も、調整交付金を含む国の負担の引き上げ等に関して、特別区長会を通じて国へ要望を行ったところでございます。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 子ども家庭担当部長。      〔子ども家庭担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(玉山雅夫) 私からは、保育所に関する質問にお答えします。  認可保育園をつくるべきとのお尋ねですが、今般の保育に関する安全・安心プランでは、今後の保育需要に対応するための基本的な考え方として、就学前の子どもを一体的にとらえ、従来の保育施設に加え、幼稚園の活用を図ることとしたものでございます。  こうした考えに基づき、区立幼稚園の子供園への転換とあわせ、民間認可保育所についても、計画に基づき設置してまいります。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 杉並保健所長。      〔杉並保健所長(友松栄二)登壇〕 ◎杉並保健所長(友松栄二) 私からは、新型インフルエンザに関する質問にお答えいたします。  まず初めに、インフルエンザの検査についてのお尋ねですが、インフルエンザの簡易迅速検査は、発症当日には、インフルエンザであっても、ウイルス量が少なく陰性となることも多いと報告されております。インフルエンザの診断は、基本的には患者の病状や診察の所見、地域や患者周囲での感染状況などにより行われるものであり、簡易迅速検査は診断の補助的役割を担うものと認識しておりますので、区が検査を指導する考えはございません。  次に、感染の疑いが濃厚な発熱者には早期にリレンザやタミフルを投与すべきではないかとのお尋ねですが、新型インフルエンザの治療に関しましては、特に乳幼児や基礎疾患のある方など重症化の危険のある人に関しましては、なるべく早期に抗インフルエンザ薬を投与することが勧められております。薬の投与などの治療方法の決定は、医師が患者の経過や病状、診察の所見などを総合的に判断し、行われるものでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 私からは、区立幼稚園改革に関するご質問にお答えいたします。  まず、区民ニーズにこたえていないのではということですが、このたびの幼稚園改革は、第一に、区内の幼稚園が区立、私立とも長く定員割れの状況が続いていること。第二に、昨年来の経済危機の影響により、とりわけ三歳児からの保育の受け皿づくりが急務となっていること。第三に、幼稚園児の保護者には預かり保育の実施を望む声があり、また、保育園児の保護者には十分な幼児教育を望む声が多くあるなど、幼児施設に対する保護者のニーズも大きく変化していること。これらの環境の変化に適切に対応するため、区独自の新たな幼保一体化施設として発展的な転換を図るということにしたものでございます。  次に、父母や関係者との話し合いを進めるべきとのお尋ねですが、この間も保護者や関係者との意見交換を精力的に行ってきており、そうした過程で寄せられたさまざまな意見、要望等に対しては、経過措置を講じるなど必要な対応を図ることとしております。  今後とも、関係者及び近隣住民への説明等を引き続き行い、ご理解、ご協力を得るように努めてまいりたいと考えております。  以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 中央図書館長。      〔中央図書館長(和田義広)登壇〕 ◎中央図書館長(和田義広) 私からは、図書館についての質問にお答えいたします。  まず、図書館協議会の意義でございますが、図書館運営における区民の参画を推進し、透明性を確保するとともに、図書館サービスの一層の向上を図るため、図書館法に基づき、図書館政策について、館長の諮問に応じ意見、提言を行う機関として設置しているものでございます。  次に、地域図書館の運営を今後指定管理者の運営とするとの方針決定をなぜ図書館協議会に諮らなかったかとのお尋ねでございますが、指定管理者制度の導入につきましては、協議会にも報告した「民との協働で、個性ある図書館づくり」の方針のもと、条例を改正し、平成十九年度から阿佐谷、成田両図書館を指定管理の運営といたしました。また、既に四館が業務委託による運営となっています。  今回の方針決定は、これまでの取り組みを検証し、現在業務委託となっている四館、直営となっている六館も指定管理者による運営とすることとし、決定したものでございます。  図書館協議会には、五月に、今後の地域図書館の運営について、経営評価の結果を踏まえ、新たな運営方針を策定することを報告し、七月に方針について報告を行ったところでございます。したがいまして、改めて協議会に方針を諮り、審議いただく考えはございませんが、今後ともこの方針について理解を求め、図書館サービスの向上、発展のために意見を伺ってまいります。  次に、図書館評価についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、具体的評価についてのお尋ねですが、個人情報の保護については、個人情報保護の意義等の徹底、情報セキュリティーマネジメントシステムについての理解、個人情報の理解の厳格さの三つの指標に基づき評価したものでございますが、個人情報の漏えい事故があった図書館につきましては、事故後、適切な運営管理を行い、この三つの指標を満たしていることからA評価とし、この一つが欠けていた図書館はB評価となったものでございます。  次に、経営評価は信頼性が乏しい、改革方針の撤回を求めるとのことですが、経営評価は、運営管理業務の執行状況評価、サービス水準及び運営コスト評価、利用者満足度調査で構成され、サービスの成果や達成度、運営実態を評価できるものとなっております。  また、今回の方針決定は、地域図書館が直営、指定管理者による運営、業務委託と三つの運営形態となっている現状について、経営評価の結果を踏まえ改めて検証し、定めたものでございますので、撤回する考えはありません。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 十九番原田あきら議員。      〔十九番(原田あきら議員)登壇〕 ◆十九番(原田あきら議員) 残念ながら、質問時間が足りないとのことで、簡潔に行わせていただきます。  減税自治体構想、漫画は賛成、反対を織りまぜたものだと言いますけれども、改めて読んでくれと課長に言われたので読んでみたら、そもそも表紙に「めざせ!減税自治体」と書いてあるわけですよ。これがどうして賛否両論の書物になっているのかと、その感覚を疑うわけです。こんな質問をするのもなんですけれども、「めざせ!減税自治体」と書いたのは、区が推進の立場で一方的な主張を押しつけたものではないですかと。改めてお答えください。  減税自治体構想でサービスの充実に努めてきたと言いますけれども、私のその後の質問、聞いてなかったんでしょうか。介護の問題、区立幼稚園や保育園の問題、どこでも悲鳴が上がっているじゃないですか。これでサービスの充実に努めてきたとすれば、やはり区長の認識といいますか、区民の生活を見る目、能力が疑われると私、指摘するものです。改めて、サービスは全く充実していない、減税自治体構想をやっている場合じゃないと指摘しますが、これについて区長の見解を求めます。  四千二百億円、災害時にはかかるんだと言いました。それ全部区の税金だけでやるつもりですか。阪神大震災のときには国もお金を出しているでしょう。むしろ国のほうがしっかりお金を出すんです、そういうときは。区がまるで四千二百億円全部出さなきゃいけないので、そのためにためなきゃいけないなんて、こんなばかな話はないんです。災害時に区のお金だけでやる部分は一体どの範囲で、それには幾らかかるのか、改めて教えてください。  幼稚園問題。公立幼稚園に通っている父母のニーズが変わってきたという答弁がありましたけど、これは聞き捨てならない。私の質問は、これまでの区立幼稚園を求める声がむしろ高まってきているじゃないか、それが今までの我々の区政運営にとっても地域にとってもかけがえのない価値を持ってきたじゃないかと、そういう質問を行ったわけです。これだけ父母からの、保護者からの声があり、要望が寄せられているのに、今の公立のニーズが高まっているという認識が生まれてこないところに本当に不信感を覚えますが、この間の多く寄せられた意見に対して、ほとんどが今回の改革に反対のものでしたけれども、それについてどうとらえているのか。それでも公立幼稚園へのニーズはもう変わったんだと強弁されるのか、改めてお答えください。  図書館協議会、最後にお聞きしますが、全く答弁になってないんですよ。これ一点だけお聞かせください。  図書館協議会には重大な問題はいつも諮問してきました。いつも諮問してきたのに、なぜ今回その諮問をしっかり行わなかったのか、議論の場を持たなかったのか。経営評価報告書を見てもらったから、それで諮問になりますと言ったってだめなんですよ。さっきも質問で指摘しましたけれども、経営評価報告書は全く未熟なものだった、試行的な段階で、何か重大な決定をなすには不十分な資料だという指摘を図書館協議会の委員の人たちがしているんです。この問題について改めて答弁を求めて、私の再質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。
     政策経営部長。      〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕 ◎政策経営部長(高和弘) 原田議員の再度のご質問にお答え申し上げます。  まず、減税自治体構想のパンフレットでございますが、報告書の内容、減税自治体構想の内容を、この間さまざまないただいたご意見を取り入れながら、よりわかりやすいように努めてパンフレットをつくるということは……(原田議員「『めざせ!減税自治体』の言葉について聞きたいわけ」と呼ぶ)減税自治体構想の実現というのは、ことしの予算の中にも入ってございまして、そういったことで、私どもとしてはこのパンフレットをつくったものでございます。  また、このパンフレットは、いろいろなところで補充が足りないほど区民の皆さんから非常に関心がございますが、これはどんなものかというご意見は全くいただいてございません。  次に、サービスの充実の問題がございましたが、杉並区はこの間、先ほど申し上げましたようにさまざまな行財政改革を行いながら、区民サービスの充実に努めてまいりました。平成十年度の区民の区の事業へのサービスの満足度は六七%でしたが、平成二十年度には七五・三%と上がっている。区民の皆さんからそういった評価をいただいている。さらに、民間のシンクタンクの行政サービス度でも、平成十六年度は全国で百五位でしたが、平成二十年度は十二位というような、そういった評価もいただいてございます。  次に、災害の予算はどうなのか、基金はどうなのかということでございますが、西宮市、阪神・淡路でもすべて国から参るわけではございません。それぞれの自治体が多額の起債を行い、後年度の負担も強いられているという現状がございます。  区の災害はどうするのかということですが、そのときの災害の被害の状況等々によろうかと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 私から、区立幼稚園改革に関する再度のご質問にお答えいたします。  まず、大半が反対の声ではなかったかというようなことでしたけれども、今回、改革案に寄せられた多くの意見は、この改革の趣旨については理解するというものが大半でございました。ただし、定員枠等に対して検討を求める、そういう声も多かったというふうに認識しておりまして、これらに対しては、可能な限り必要な経過措置を講じて対応していきたいと考えております。  また、区立幼稚園のニーズについてですけれども、この間、充足率は平均的におよそ七割程度で推移をしております。また、区立幼稚園は、三十年以上前に私立幼稚園を補完するような形で設置されてきたものであって、区内全域にバランスをとって配置されているものではない、こういったことについても考慮しなければいけないというふうに考えております。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 中央図書館長。      〔中央図書館長(和田義広)登壇〕 ◎中央図書館長(和田義広) 私からは、図書館についての再度の質問についてお答えいたします。  図書館協議会にいつも諮問してきたのに、なぜ今回は諮問しなかったのかとのお尋ねでございますが、今回の方針につきましては、区で決定し、これまで同様に協議会に七月に報告したところでございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で原田あきら議員の一般質問を終わります。  三十五番藤原淳一議員。      〔三十五番(藤原淳一議員)登壇〕 ◆三十五番(藤原淳一議員) 日本共産党区議団を代表して、一つは区長の政治姿勢について、二つ目に災害対策について、三つ目に都営住宅の区への移管について、一般質問をいたします。  まず、区長の政治姿勢について伺います。  第一に、八月三十日投開票となった衆議院議員選挙の結果を受けての見解はどうかという点です。  結果は、自民党、公明党が政権から退場するということになりました。これは、政治を変えたいという国民の前向きの変化として歓迎するものであります。  日本社会は、格差と貧困の広がり、医療・介護難民、ネットカフェ難民などの増大、失業率五・七%の最悪状況が示すとおり、今や国民の夢も希望もうせ、命すら脅かされてきました。多くの国民は、自民党・公明党政治に怒り、審判を下したのであります。そして同時に、日本社会をだめにした大もとになった小泉構造改革及び新自由主義への批判のあらわれでもありました。  山田区長も、行政の仕事の多くを民間企業へ売り渡し、民間利益優先の区政を進めるとともに、官製ワーキングプアを生み出してきたことは、新自由主義そのものであると指摘するものであります。  さて、そこで伺いますが、衆議院議員選挙の結果は、小泉構造改革及び新自由主義が痛烈に批判されたと思いますが、どうか、答弁を求めます。  日本共産党は、消費税の増税をしなくても、軍事費を削り、米軍への思いやり予算をなくすこと、無駄な大型開発をやめること、大企業や高額所得者への行き過ぎた減税を見直し、応分の負担を求めることで、十二兆円の財源を生み出すことができることを示し、福祉や社会保障の拡充、教育環境の整備などを政策提案してまいりました。また、新しい民主党を中心とした政権のもとでは、国民にとってよいことは積極的に推進し、悪いことは防波堤となって食いとめるという建設的野党として臨むことを明らかにしてきました。加えて、国民が主人公の新しい社会をつくるために、ルールある経済社会、自主自立の外交を掲げてきました。  さて、区議会では我が党区議団は、目の前の問題として、この間も、後期高齢者医療制度の廃止、障害者自立支援法の廃止によって高齢者、障害者の負担軽減を進めるよう求め続けてきました。これらは、少しでも社会的弱者と言われる方々が安心して生きられるよう、幸せに生きられるようにするための主張であります。  後期高齢者医療制度や障害者自立支援法の廃止による高齢者、障害者の負担軽減、年金受給額の拡充、返済なしの奨学金制度の創設や高校の授業料無料化で学ぶことができる環境の整備などは、多くの国民、区民が求めてきたことであります。衆議院議員選挙の結果、これらは新しい政権下で実現する可能性が強まったのであります。  区長は、以上のような国民、区民の要求を積極的に推進するよう新政権へ働きかけるべきでありますが、見解を伺います。  第二に、区長はどのような日本を望んでいるのでしょうか。  七月、中田宏横浜市長が突然辞任を表明しました。山田宏杉並区長は、中田前横浜市長及び中村松山市長とともに、「よい国つくろう!」日本国民会議を設立することを決めました。山田区長は、そのサマーフォーラムで基調講演をされました。講演内容は、例えば定額給付金や国の十五兆円の補正予算など、これまでの自公政権のばらまき政策を批判しています。この指摘には私も共感できますが、しかし、区長は、格差是正については、稼いだ人からお金を取り上げて経済状況が厳しい人に再配分すると、お金持ちが日本から出ていってしまい、税収が減ってしまうと批判をしています。また、雇用を守ることについては、企業負担が増えると企業が海外へ出ていき、失業者が増えると批判をしています。さらには、困っている国民を保護する政策については、これを否定し、自分で自立せよとまで言っているのであります。すなわち、区長は、格差是正も雇用確保も国家を崩すものだと主張しているのであります。とんでもない主張ではありませんか。  区長は、自らの著書「『日本よい国』構想」でも幸福とは何かを説いていますが、区長の格差是正も雇用確保も否定をするこんな構想では、国民一人一人が幸せになる日本は絶対につくれないと厳しく指摘しなければなりません。  よい国をどうつくっていくか。そのために、まず区長は、今現実としてあらわれている大企業の利益優先と大金持ちを優遇してきた国の政策を改め、雇用を守り、貧困をなくすために行動すべきだと思いますが、見解を問うものであります。  次に、区長の「『日本よい国』構想」の著書の中では、「『国家主権を守る気概』がきわめて重要」と述べ、「天皇がおられればこそ、日本文明の「核」が脈々と受け継がれてきた」、「人智を超えた歴史の流れに立脚した『権威』を戴く国の強さが、そこに」あると述べ、区長はどうやら天皇を中心とした国家を賛美されているようであります。  憲法九十九条に規定されているとおり、区長は憲法を守る義務があります。区長は、日本をよい国にしていくために、まずは国民主権や国民の幸福追求権を掲げた日本国憲法を国の隅々に生かす政治こそ必要と思いますが、いかがか。また、著書で述べられているように、天皇中心の国家を目指すのかどうか、伺います。  次に、災害対策の強化について質問をいたします。  一番目は震災対策についてであります。  ことし、二〇〇九年八月十一日午前五時七分、静岡沖地震が発生しました。静岡県御前崎の沖の駿河湾海底で発生した地震であります。マグニチュード六・五、静岡市では震度五強、焼津市では震度六弱を観測。人的被害は一都四県と広範囲にわたって発生しております。死者一名、負傷者百八十名となりました。静岡市駿河区では、地震により積まれた書籍が崩れ、それに埋もれて窒息死した被害者が発見されました。揺れが激しかった焼津市や牧之原市では、骨折などで被害者が重症を負う被害が発生しました。  今回の地震は、揺れの激しさに加え、発生時刻が未明だったため、家具の倒壊による就寝中の住民が死傷すると懸念されていましたが、死傷者数は比較的少ないとされています。一例として、岩手・宮城内陸地震で震度六弱を記録した被災地と、今回震度六弱を記録した焼津市を比較すると、人口一万人当たりの負傷者数は四分の一程度にとどまっています。この理由について、静岡県では家具の固定率が六三%に達していたため死傷者が少なかったと指摘しており、この教訓は極めて重要であります。  住宅被害は、静岡県では三棟が半壊、六千三百四十棟が一部破損しました。しかし、強い揺れが観測されたにもかかわらず、全壊した家屋はゼロでありました。家屋の被害が少なかった一つの理由として、耐震対策が徹底されていた点が指摘されています。  静岡県では一九七九年から地震対策を重点的に実施をしています。木造住宅の倒壊による死者をゼロにする数値目標を掲げ、一九八一年以前に建てられた木造住宅の耐震診断を一斉にスタートさせるとともに、耐震補強や建て替えを補助し、その進捗状況を数値で管理し、公表する手法をとったのであります。この政策は文字どおり効果を上げています。  杉並区においても耐震診断、耐震改修を制度化しており、我が党区議団も要求する中で、この制度は充実をされてきました。  そこで伺いますが、耐震診断、耐震改修の実績はどのようになっているのでしょうか。また、家屋倒壊による死者ゼロの目標を持ち、制度をさらに拡充し、耐震化率を高めるべきでありますが、いかがか、答弁を求めます。  また、杉並区の家具固定率はどのようになっているのでしょうか。促進の目標を持っているのか、伺います。  高齢者のみ世帯、障害者への家具転倒防止器具の助成制度が始まり、今年度で早くも終わろうとしています。杉並での実績は、ことし七月末で高齢者のみ世帯で二千六百九件に及んでいますが、全世帯での設置を目指すべきであります。区は、家具転倒防止器具未設置世帯数を調査するとともに、今年度で制度を打ち切らず、継続し、全世帯に行き渡るようにすべきでありますが、いかがか、問うものであります。  区内には、だれも居住していない住宅で、老朽化して今にも倒壊しそうな家屋があります。隣家の区民は非常に不安になっています。現に壁が崩れ落ちてきたとか、かわらが落ちてきたなどの声を聞いています。区役所に何とかしてほしいと言っても何もしてくれないと区民は嘆いています。こうした、だれも居住していない、倒壊のおそれのある危険な家屋に対して、区は、所有者を探し、許可を得て安全対策を講ずる制度をつくるべきではないのでしょうか、見解を伺います。  次に、水害対策について質問します。  ことし八月九日から十日に各地で甚大な被害をもたらした台風九号の災害は、それこそ集中豪雨により、兵庫県佐用町を中心に、死者二十二名にも及ぶ重大な結果をもたらしました。特別養護老人ホームに流れ込んだ土石流の映像は、私たちの想像を超えるもので、胸が締めつけられる思いでありました。  今、台風シーズンを迎え、四年前のゲリラ豪雨でたくさんの床上・床下浸水の被害に遭われた杉並区民の苦悩の顔を思い出すのであります。こうした水害に長年悩まされ、被害をなくしたいと強く願ってきた区民の声を受け、我が党区議団の先輩たちは、東京都や杉並区に対策を講じるよう一貫して求め続けてきました。それにより、区内河川の下流対策は進み、環七地下貯水トンネルや本郷通り地下の貯水トンネルができ、かなり水害を防ぐ施設が整備されてきました。  しかし、四年前の水害は河川の上流まで広範囲にわたり、上荻では半地下のマンション一階の部屋の天井近くまで水が流れ込む危険な状況にまで至りました。水害対策には、現状をよくつかみ、対策を講じることが求められています。一体、四年前の水害では何立方メートルの水があふれ出たのでしょうか。そこからどのような対策が必要と考えてきたのでしょうか、答弁を求めます。  とりわけ今、河川の上流対策が注目されています。上流対策として、例えば環八道路地下に貯水トンネルを設置することや、透水性舗装の拡充目標を高く持ち、実施すべきでありますが、見解を問うものであります。  和田・堀ノ内地域は、善福寺川と神田川が合流するため、長年水害に悩まされてきた地域です。ここにこそ、水害対策、防災対策の拠点をつくらなければなりません。和田一丁目の防衛施設庁の宿舎には、宿舎とともに遊び場と未利用の空き地があります。この土地は既に防衛施設庁から財務省に移管されています。この和田防衛施設庁宿舎の空き地を水害対策の拠点として、防災公園の整備を進めるべきであると思いますが、お答えをいただきたい。  最後に、都営住宅の区移管問題について質問をいたします。  少ない年金受給額で高い家賃の支払いに困っている人、失業して高い家賃が払えない人が急増しています。私たちのところにも、住宅で困っている区民の相談は後を絶ちません。こうしたときに、杉並区は、住宅もセーフティーネットの一つだと位置づけるべきであります。ところが、区の住宅政策は区民要求にこたえていません。都営住宅や区営住宅の要求はかなり高くなっています。都営住宅、区営住宅、みどりの里の募集戸数に対する直近の応募倍率はどのようになっているのか、伺います。  さて、区は、都営住宅を区に移管する計画を持ってきました。しかし、都営住宅を区へ移管する条件が狭過ぎるのではないでしょうか。区の実施計画によると、移管対象戸数が平成二十年度から二十二年度でたった五十二戸という目標となっており、これは余りにも少な過ぎます。改めて都営住宅の区への移管条件について、都の条件、区の条件について示していただきたい。  和田一丁目四十一番地の都営和田本町住宅は、約四十戸の建物でありますが、現在取り壊し、更地になっています。この場所は、区は、都から区への移管対象に挙げていません。都から区へ、住宅として利用しないかとの問い合わせがあったようですが、区は断ったと聞いています。この土地が民間に払い下げられ、マンションでも建ったらどうするのでしょうか。公営住宅をつぶしていく、こうした区の姿勢は認めることはできません。  和田一丁目の都営和田本町住宅の跡地は、今からでも区は住宅用地としての負担付き譲与で土地を確保し、区営住宅の建設を進めることを求めますが、いかがか。また、都営住宅の区への移管条件を緩和し、公営住宅を拡充するセーフティーネットを考えるべきですが、見解を伺いまして、質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 藤原議員の一般質問にご答弁申し上げます。  私からは、私が書きました「『日本よい国』構想」にかかわるご質問をいただいております。藤原議員にはご購読をいただいて読んでいただいたと認識をしておりますけれども、もうちょっとしっかり読んでいただきたいと思っております。  まず、ご質問の中で、大企業利益優先、大金持ちを優遇してきた国の政策を改め、こういうお話でございますけれども、私は、今の日本の税制が大金持ち優遇とは全然思いません。  これは世界の基準の中で判断すべきだと思うんですね。今、世界の所得税、法人税は大体二五%の方向に向かっているわけです。日本は先進国で一番高い四〇%ですよ。こういうような状況では、どんどん日本の競争力は落ちますよ。落ちてくれば、日本の企業が外へ出ていって、日本の中に失業が生まれるだけですよ。そういうようなことをやれば、私は、必ずみんなが貧しくなる、こう思っているわけです。  日本をよくするには、この本に書いたのは、国民おのおのがその天分を生かして、創意と工夫を重ねて、適正な競争の結果として国民全体が豊かになるようにしていかないとだめだ、平等政策を推進すれば、日本全体が平等になったとしても全員が貧しくなるというふうに私は考えております。  次に、憲法に関連したご質問がありました。憲法を遵守することは当然のことだと考えております。天皇ということについてのお話もございましたけれども、天皇、皇室の存在というのは、日本の文化、歴史、伝統の中で極めて大きな存在で占めてきた、こう思っております。そういった中で、憲法に定められているとおり、天皇という存在が国の象徴であるということは私は当然で、敬愛すべきものというふうに考えておりまして、この点についてもしっかり憲法を遵守していく必要があるというふうに考えております。  天皇中心と、こうおっしゃっていますけれども、私、そんな言葉をこの本の中で書いたことは一度もなくて、そういった国体、国の政治というものを志向しているわけではございませんけれども、天皇、また皇室の存在というものが、日本の国をつくっていく上で重要な位置を占めてきたという歴史的事実は、私はきちっとしてある、踏まえるべきだというふうに考えております。そういった結果を踏まえて、現日本国憲法第一条では、天皇は国の象徴、国民総意の意思で国の象徴となっているという規定が設けられているわけで、これは私はそのまま素直に受け取りたい、こういうふうに考えております。  残余のご質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(島田敏光議員) 区長室長。      〔区長室長(与島正彦)登壇〕 ◎区長室長(与島正彦) 私からは、衆議院議員選挙の結果に関するお尋ねについてお答えします。  衆議院議員選挙につきましては、四年前は郵政民営化が、今回の選挙では現政権の継続か、または新政権が誕生するかという政権選択が選挙の焦点となりました。今回の選挙結果は、今日の経済的状況や国民の置かれているさまざまな状況などから、国民が変化を望んだ結果と考えております。七割近い投票率がそれを物語っていると考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 保健福祉部長。      〔保健福祉部長(遠藤雅晴)登壇〕 ◎保健福祉部長(遠藤雅晴) 私からは、所管に関するご質問にお答えいたします。  まず、新政権に国民、区民の要求の推進を働きかけるべきとのお尋ねがございました。後期高齢者医療制度の廃止とか年金の問題に関連してでございますが、医療にいたしましても年金にいたしましても、今、国民、区民が新政権に要求、期待しておりますのは、必要な給付のための財源をきちんと確保し、信頼できる持続可能な制度を構築することであろうかと存じます。区といたしましては、新政権の動向を注視してまいりたいと存じます。  次に、災害対策の問題に関連して、高齢者や障害者のいる世帯での家具転倒防止器具の設置についてのお尋ねがございました。家具転倒防止器具設置助成につきましては、今年度までの設置状況などを勘案して、二十二年度以降の実施について判断してまいります。  また、家具転倒防止器具の設置状況の調査につきましては、次回の高齢者や障害者の実態調査とあわせて実施してまいりたいと考えております。  私からは以上です。 ○副議長(島田敏光議員) まちづくり担当部長。      〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、災害対策のうち、所管に関する事項についてお答えします。  まず、耐震改修等についてのお尋ねですが、平成二十年度末で、耐震診断は木造で千九百五十二件、非木造で七十九件、耐震改修は木造で百七十六件、非木造でマンション一件の実績でございます。  また、建物の倒壊による死傷者を可能な限り減少させるために、杉並区耐震改修促進計画で平成二十七年度までに九〇%の耐震化率の目標を設定し、そのため、昨年度末に耐震改修の補助対象を拡大するとともに、補助額を増額するなどの制度の拡充を行って、現在事業に積極的に取り組んでいるところでございます。  次に、だれも居住していない、倒壊のおそれのある家屋についてのお尋ねですが、建築基準法第十条に「保安上危険な建築物等に対する措置」の規定があり、対応の必要なものは是正指導を行っており、現に除却された住宅もございますが、所有者が不明な場合やご病気の場合、借家や相続手続中の場合など、個々に複雑な事情があり、それぞれの状況に応じて、改善の必要なものは粘り強い調査や指導を行い、改善をしていただいているところでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 危機管理室長。      〔危機管理室長(赤井則夫)登壇〕 ◎危機管理室長(赤井則夫) 私からは、家具固定化率のお尋ねにお答え申し上げます。  杉並区区民意向調査では、家具の転倒防止対策の実施状況は、平成二十年度二六・四%、平成二十一年度二六・九%となっております。  区といたしましても、地震による被害の軽減を図るため、家具類の固定、転倒防止は大変重要な自助の取り組みと考えており、防災物資のあっせんを通じて普及促進を図っているところでございます。  促進の目標については、今年度修正する地域防災計画の中に盛り込んでいきたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(小町 登)登壇〕
    ◎土木担当部長(小町登) 私からは、水害対策に関するご質問にお答えします。  平成十七年九月四日の集中豪雨では、局地的に時間最大雨量百十二ミリ、総雨量二百六十四ミリを記録し、内水はんらんと河川からの溢水が重なり、大きな浸水被害が発生しました。区では、この大規模な浸水被害を教訓として、水防態勢の強化、地域の防災力の強化、水防情報の充実に努めてまいりました。  また、河川改修や下水道事業については、都に早期の事業実施を要望した結果、環状七号線地下調節池が完成し、河川激甚災害対策特別緊急事業による善福寺川の改修、阿佐ケ谷駅前での雨水貯留管設置が行われています。今後も区民の安全・安心を確保するため、さらなる水害対策に努めてまいります。  次に、上流対策についてのお尋ねですが、区内の河川は時間三十ミリの雨量に対応できる護岸断面になっていますが、東京都により環七地下調節池が完成し、環七から上流に向けて、時間五十ミリの雨量に対応できる護岸工事が着手できるようになり、神田川では平成十七年度から順次改修を進めています。  善福寺川では、現在進めている激特事業を予定どおり完成させ、引き続き上流域の水害軽減に向け、護岸整備を進めていく予定です。  善福寺川上流域については、河川沿いの公共空間を活用した調節池を設置するなど、事業効果を早期に発現できる手法も検討しています。  透水性舗装については、公道、私道合わせて年間九千五百平米の整備目標を掲げ、着実に実施し、成果を上げています。  区では、今後も道路、公園、学校などの公共施設や民間施設の雨水流出抑制対策を進め、総合的な治水対策に取り組んでまいります。  私から最後になりますが、和田一丁目の用地についてのお尋ねですが、区では、当該用地の水害対策への活用については以前から考えており、現在、国と協議中でございます。具体化につきましては、今後検討してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(上原和義)登壇〕 ◎都市整備部長(上原和義) 私からは、都営住宅の区移管に関するご質問にお答えいたします。  初めに、応募倍率についてのお尋ねですが、倍率は団地ごとに異なります。  都営住宅につきましては、本年五月に一般向け住宅十二戸の募集があり、倍率は三十四・〇倍から四百三十五・五倍までとなっております。  次に、区営住宅につきましては、今年度からすべての区営住宅の一階部分を高齢者、障害者向けの専用住宅として募集しております。本年七月、一般向け及び高齢者、障害者向け住宅、計七十九戸について募集し、一般向けで倍率はゼロ倍から四十・〇倍、高齢者、障害者向けではゼロ倍から三十四・〇倍となっております。いずれも応募者なしの住宅や無抽せんの住宅がございました。  みどりの里につきましては、本年五月、単身者向け及び二人世帯向け住宅、計二十五戸募集したところ、倍率は、単身者向けで十六・五倍から三十八・八倍、二人世帯向けで十六・〇倍から二十五・〇倍となっております。  次に、都営住宅の移管条件についてのお尋ねですが、東京都の都営住宅特別区移管推進計画では、移管対象住宅はおおむね百戸程度までの団地となっており、建築後十年未満の団地や建て替え計画中の団地等は移管の対象外となっております。  次に、区が都に提示している条件といたしましては、敷地境界が画定していること、運営開始から十年経過直後などの比較的新しい団地であること、法令等に基づく是正や新たな対応を義務づけられる課題が残っていないことなどを条件としております。  私からの最後に、都営和田本町アパートに関するご質問ですが、このアパートは昭和二十九年度の建設で老朽化が進んでいたため、移管対象から外した経緯がございます。用地取得を正式に都から打診されたことはございません。  平成二十年三月に改定した杉並区住宅マスタープランに掲げておりますように、区は、公的住宅の供給に当たっては、低所得者、高齢者、障害者等の方々を支援するセーフティーネット機能を重視しており、今年度も優遇抽せん制度等の拡充を行っております。一方で、住宅の質の確保も重要であると考えており、都営住宅の移管条件につきましても、弾力的に考えてまいりますが、緩和することまでは考えておりません。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 藤原議員の再質問は休憩後とし、ここで午後一時まで休憩いたします。                 午前十一時五十八分休憩                      午後一時開議 ○副議長(島田敏光議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  三十五番藤原淳一議員。      〔三十五番(藤原淳一議員)登壇〕 ◆三十五番(藤原淳一議員) 再質問をいたします。  まず、区長の政治姿勢に関連して。  大企業や大金持ちを優遇しているとは思わないということで、税負担を重くすると海外に出ていくという持論をお持ちのようですけれども、これについては麻生首相も同じようなことを言っているんですね。  これは私たちが調べた数字じゃなくて、政府税制調査会に提出された資料によると、法人所得課税と社会保険料について、日本の企業負担は、自動車製造業ではフランスの七三%程度しかない。ドイツの八二%程度しかない。エレクトロニクス製造業ではフランスの六八%、ドイツの八七%だったということで、特に日本は社会保険料の企業負担が軽いということが特徴になっているということが示されています。  また、経済産業省の委託調査、公的負担と企業行動に関するアンケート調査によると、生産拠点の海外移転を計画している企業に海外へ出る理由を聞いたところ、税負担、社会保障負担が重いからというのは五番目で、一方、海外に進出している企業に、仮に現行約四〇%の法人実効税率が三〇%程度まで引き下げられた場合、国内に戻ってくることを検討するのかと聞いたところ、「検討しない」が七割に上っている。税を減らしても検討しない、国内で頑張るのじゃなくてそのまま海外に行くというのが七割にも上っているという点で見ると、企業に負担を求めると海外に逃げるという言い分に、政府自身が示している調査によっても根拠がないことがはっきりしています。  ですから、これはおどし文句ですよ。それを指摘したいと思いますので、その点を含めて、区長は、雇用確保もしない、格差是正もしない、こういう弱肉強食の立場では、国は強くならないと思いますが、どうか。  一番大事な経済対策は、六割を占める個人消費ですよ。これを温める政策をしっかりやらないと、経済は強くならないというのははっきりしているので、消費力を向上させるさまざまな手だてが必要だと思いますけれども、この点について聞いておきたいと思います。  それから、憲法に関して、区長の著書で国家主権というものを説いておられるんですよ。これは先ほど言いましたように、「『国家主権を守る気概』がきわめて重要」だというふうに区長の著書の中で述べられております。私が指摘したのは、主権はどこにあるんだと。今の日本国憲法は国民に主権があるときちっと述べているんですが、国家主権を述べると、区長は憲法を守るのは当然だと言っているにもかかわらず、これを踏み破ることになるのではないか、この点についての見解を伺います。  それから、天皇中心だなどと述べてはいないというふうにおっしゃいました。私、区長の著書を全部読み上げるわけにいかないんですけれども、例えばこう書いていらっしゃいます。「歴史の積み重ねというものは、真似をしようとして真似られるものではありません。それを受け継ぐことができるのは、やはり幸せなことです。歴史の重みを象徴する天皇がおられればこそ、たとえば明治維新や第二次世界大戦の敗北などの未曾有の国難にも、日本国民は心をあわせて立ち向かえました。そして先ほども述べたように、天皇がおられればこそ、日本文明の『核』が脈々と受け継がれてきました。これは、血で血を洗うような権力闘争が繰り返され、次々と新しいものによって歴史が塗り替えられ、上書きされてきた国では、およそ考えられないことです。人智を超えた歴史の流れに立脚した『権威』を戴く国の強さが、そこにはあります。」という、例えばこういう文があるので、私はこういうくだりを見て、山田区長のお考えの中心には、やはり天皇中心で国がつくられてきたという思いが強く述べられていたので、新しい国を目指す上でもそういう方向が望ましいと考えられたのかどうかということを聞きましたので、これについて伺っておきます。  なお、今の日本国憲法は天皇象徴制で、以前とは違い、国政に関する権能を有しないという点では、国の政治に手が及ばないようにされているというのが今の憲法の象徴制というところですので、今までの大日本帝国憲法とは違うというところは言っておきたいと思います。  それから災害対策ですけれども、耐震診断・改修が進み、平成二十七年度までに九〇%ということですが、静岡みたいに耐震診断・改修をかなり高い目標を持って進めるとともに、一〇〇%目指して死者ゼロという目標をどうしても掲げてもらいたいと思いますけれども、この点について再度伺っておきます。  それから、家具固定率は二〇%台で、余りにも低いと思うので、今度の目標で盛り込むということですけれども、六割、七割、本当は一〇〇%がいいんでしょうが、それぐらいの目標を持つのかどうか、伺っておきたいと思います。  それから、倒壊のおそれのある老朽化した危険な家屋の対策ですけれども、先ほど答弁もあったように、ご病気で寝たきりの方々が、杉並にある家をそのままにしてほかに転居されてお住まいになっているというようなケースもあるんですよ。自分で何とかしたいけれども、お金のこともあって、あるいは病気なのでどうしようもないという場合に、許可が得られれば、倒壊しないような、新しく制度をつくって、近隣の方が安心して暮らせるような状況をつくるべきだと思うんですけれども、その部分を聞いておりますので、答弁をいただきたいと思います。  水害対策は、例えば四年前、一体何立方メートル水があふれたのか。練馬のある研究では、一万立方メートル、石神井川流域で水が漏れたという結果も出されているんですよ。ですから、そのあふれた水がどれくらいかによって対応も違ってくると思うので、そこはよく研究して、どういうことが必要なのか。雨水流出抑制対策も、そこを研究しながら対策を講じる必要があるのではないかと思いますが、その研究をなされるのかどうか、そこから対策を講じるかどうかを再度伺っておきたいと思います。  最後に住宅問題ですが、直近の都営、区営、みどりの里の倍率をお聞きしたところ、都営では最大四百三十五倍、区営も四十倍、みどりの里も最大三十八倍という状況が続いているんですよね。それで、都営、区営合わせた公営住宅が増えてないと思うんですよ。東京都はもう都営住宅をつくらないと言っているし、区が頑張らないと、本当に区民の要求にこたえられないと思いますので、区営住宅を増やすという方向がないのかどうか伺っておきたいというふうに思っています。  和田一丁目の都営住宅の跡地、これは私は区営住宅でどうかというふうに言いましたけれども、区の計画からいってさまざまな用地確保が必要な部分も出てくると思うんですよ。区営住宅は私は必要だと思うし、小規模の特養ホームだとか、あの地域にはない図書館建設だとか、あるいはみどりの里だとか、なかなか用地が手に入らない場合は、具体的には和田一丁目の用地も確保していくということが必要ではないかということを再度お聞きして、再質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  区長。      〔区長(山田 宏)登壇〕 ◎区長(山田宏) 藤原議員の再度のご質問にお答え申し上げます。  まず、企業優遇ということでの税のお話がございましたけれども、日本の企業のアンケートをもとにお話がありました。確かに日本の税制というのは、見かけの法人税だけではなくて、さまざまな面での控除を税制上認めて、事実上負担額というのは税率からだけでは出てこない。こういう控除をいっぱいつくっているのは日本の特有の制度でして、これは、霞が関の官僚が戦略的にこの企業とかこういう企業にしていこうとか、そういう発想で控除というものはできていると思うんですね。そういう面で見れば、日本の企業について、税というものだけが海外に出るかそれとも国内にとどまるかという要因に、確かにおっしゃるとおり、それだけがなっているわけじゃない。  ただ、日本の企業は日本だけで全部完結するわけじゃないわけですよ。大事なことは、世界が今何を行っているかというと、税率の引き下げ競争をして何をやろうかとすると、自分の国に資源も人もお金も世界から集めようとしているわけです。そういうことを通じて自分の国の企業の力を高め、そしてまた雇用も増やそうとしているんです。日本国内で鎖国のように日本国企業だけをやっていてはだめだということなんですね。こういう意味で各国は法人税等の引き下げの競争をしているんです、今現実に。ですから、日本の企業だけを見詰めてものをやっているだけではじり貧になる、必ず日本の競争力は失われていくものというふうに考えております。  雇用につきましても、日本の国内だけの企業の雇用を守ろうとすればするほど、企業が海外に出ていく。人件費が一番大きい要因になってしまう。結局、そうやればやるほど、結果としては日本の失業が高まる。私は、やはり日本の中で新しい企業がどんどん生まれてくるという状況にしていかないと、雇用は生まれない。そのためには海外からもいろいろな企業や雇用や、また金融や情報を引っ張ってくる必要がある。そのためには法人税の税率競争に敗れてはならないというふうに思うんですね。だから、雇用を守るといった点でもそういう考え方が私は必要だ、こういうふうに思っております。  弱肉強食とおっしゃいますけれども、やはり人間の社会、競争はどこでもあるわけです。大事なことは適正な競争が行われるということであり、また、仮にその競争で敗れたとしても、もう一度復活できるようなセーフティーネットが張られているということが非常に大事だというふうに思っております。競争そのものを否定するような政策は、私は日本の競争力そのものを引き下げていき、結局日本全体が貧しくなるもとをつくるというふうに考えております。  昔、幼稚園や小学校で、徒競走で手をつないで全員でゴールインみたいなことがよく言われました。ああいうことをやればどうなるかというと、学業の成績はそれほどでもないけれども、足はすごく速いという子どもの出番がなくなるんですよ。いろいろな子どもたちにいろいろな能力があるわけですから、そういう中で競争が行われて、いろいろな分野で競争が行われてくるから、いろいろな子どもたちの天分が生かされるチャンスが多いわけで、平等にしたら、そういった子どもたちの出番をなくすということなんですね。  そういうような意味で、私はそういった適正な競争とセーフティーネットをきちっと張っていく。それから税制の面でいえば、我々が競争しているのは、世界各国の法人税等の引き下げ競争に我々は勝ち抜かなきゃならないわけです。そういうことをちゃんとしていかないと、平等になってもみんなが貧しくなるだけ、こういうふう私は考えております。  それから、主権の問題がございました。ちょっと議員、誤解されていると思うんですが、国家主権というのと国民主権は概念が全然違います。国民主権に対応するのは、王権とか、だれがその国の政治の主権、つまりコントロールする権限を持っているかというと、それは国民なのか王様なのかという意味で、国民主権というのが生まれてきています。  国家主権というのは国の権限の及ぶ範囲ですね。国民であり、領土であり、また在外公館なんです。ですから、国家主権を守っていくということは、領土を守り、国民の生命財産、海外にいてもそういったものを守っていくという、国家の主権の及ぶ範囲はどこまでかということを述べている概念で、全く違う概念であります。  それから、天皇陛下の問題がございました。これは厳然たる日本の国文化の、私が述べていることは大方の人は大体賛同してくださるだろう、こう思っております。現憲法はよくできているなと、こう思います。天皇は政治権力からは離れた場所、それは結構だ、大事なことだと思います。だからこそこうやって続いてきたわけです。ですから、天皇陛下が政治権力を持つなんていうことは、歴史の中でもそれほどたくさんあったわけじゃありません。異常な危機のときぐらいしかなかった。ほとんどは権威の象徴だったということは、多くの国民の常識です。そういったことをきちんと現憲法はあらわしているというふうに考えておりまして、象徴である天皇という存在というものは私は大事なことだ、これは大いに認められることだというふうに賛同しております。  私の意見は以上であります。追加質問につきましては、関係部長からご答弁申し上げます。 ○副議長(島田敏光議員) まちづくり担当部長。      〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 耐震に対する再度の質問にお答えいたします。  死者ゼロという目標を持つべきだということでございますが、先ほど述べたとおり、可能な限りそれを目指して取り組んでまいりたいと思います。  私から以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 危機管理室長。      〔危機管理室長(赤井則夫)登壇〕 ◎危機管理室長(赤井則夫) 家具固定化率についての再度のご質問にお答えいたします。  静岡の地震における実績等を検証して目標数値を定めてまいりたいと存じます。  私から以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 土木担当部長。      〔土木担当部長(小町 登)登壇〕 ◎土木担当部長(小町登) 私からは、水害対策についての再度の質問にお答えします。  河川等からあふれ出した量についてでございますが、東京都の河川部等にお聞きしましたところ、そのような解析はできないということでした。今後も把握できるいろいろなデータをもとにして対策に努めてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 都市整備部長。      〔都市整備部長(上原和義)登壇〕 ◎都市整備部長(上原和義) 藤原議員の再度のご質問にお答えいたします。  区営住宅に関するご質問でございますが、これまで区は、都営住宅の区移管、また区による建て替えなどを行い、区民にご提供できる住宅戸数を増やしてまいりました。今後も実施計画に基づいて努力してまいります。  次に、和田本町アパートにつきましては、先ほどお答えいたしましたように、築後五十年を経て老朽化が進んでいたことに加え、委員もご案内のことと存じますが、敷地周辺の道路幅員が狭く、建て替え工事車両の進入が困難であるとの事情があり、最終的に移管対象とすることを断念したものでございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で藤原淳一議員の一般質問を終わります。  三十六番鈴木信男議員。      〔三十六番(鈴木信男議員)登壇〕 ◆三十六番(鈴木信男議員) 日本共産党杉並区議団を代表いたしまして、教科書採択事務に関連をして質問をいたします。  初めに、我が党区議団は、新しい歴史教科書をつくる会の歴史教科書を二〇〇五年度に続き採択したことに抗議をし、採択の撤回、やり直しを強く求めるものであります。  以下、大きく四項目について質問をいたします。  第一は、今年度の採択の状況との関連で問います。  1、今年度の教科書採択で、つくる会教科書は、現在までのところ、公立中学校では大田原市、杉並区、東京都の中高一貫校、特別支援学校で四年前に引き続き扶桑社を採択しております。無記名投票で、一切論議をしないというやり方で行われました。  二番目、これに加えて、横浜市の八区の市立中学校七十一校で、今年度検定合格した自由社版が採択をされました。この採択は、現場教師の調査の望ましい教科書にはどの区でも自由社版が入っていないのに、教育委員六人の無記名投票で採択が強行されたところであります。  三点目に、この自由社版は、扶桑社版より戦争の美化、正当化を一層色濃くしている教科書。憲法を敵視し、平和や人権をないがしろにしており、子どもたちを戦争する国の忠実な国民に育てることをねらっているものと厳しい批判がされている教科書であります。  四点目として、教育委員会で今田忠彦委員長が藤岡信勝・つくる会会長と何度も会い、採択するとの内諾を与えていたという情報があります。事実だとすれば明らかな不正であり、不公正な採択であります。  そこで、横浜市では、この採択事務の直前などに教育委員長がつくる会会長と何度も会い、採択にかかわる情報を共有することがあれば、明らかな不正であり、不公正な採択でありますが、教育長と教育委員長の見解を求めておきます。  新たな採択の一方で、滋賀県の教育委員会は三十一日、前回の教科書採択でつくる会を採択した中高一貫教育校の県立河瀬中学校での教科書を東京書籍に変えることを決めたところであります。子どもと教育を守る滋賀県民の会などが八月に、つくる会の扶桑社あるいは自由社版の教科書は、歴史を築いてきた民衆の闘いを冒涜し、侵略戦争を肯定、国民主権をないがしろにし、平和と民主主義の理念に反すると、問題点を教育委員会に申し入れをしていたことなどによるものであります。  いずれにしても、今年度、このような危ない教科書は全国で九八%以上否決をされたということであります。  ところで、井出教育長は、いわゆるこの審議の再開の冒頭で次のように述べております。きょうは二十二年、二十三年、二年間だけ使用する教科書の採択です、新指導要領は二十四年からで、その間は移行措置期間中です、移行資料や準備が必要です、新たな教科書を入れることにより教員の負担が大きくなると思われるなど述べ、ゆえに継続使用が望まれると発言をしております。  しかし、今年度も種目別調査報告書で一〇〇%好意的意見が出されました、以前に使っていた帝国書院にすれば、このような心配はいわゆるご無用だと言っておかなければなりません。  そこで、横浜市を初め幾つかの教育委員会では、これまでと異なる教科書を採択しており、本区教育委員会での審議過程で複数の委員から出された、二年間だけ使用する教科書だから継続使用が妥当である等の意見は当たらないのではないか。これらの事務的理由は、使用する子どもたちと教育の条理に照らして、平和と民主主義に反するつくる会歴史教科書再採択の理由になるのかどうか、教育長の答弁を求めておきます。  大きな二点目は、そもそもつくる会の教科書とは一体何かということであります。そもそもつくる会の教科書は一体何であったのか、どのようなものであったのか、ここで再び再確認をしておきたいと思います。  1、新しい歴史教科書をつくる会が、今から十二年前の一九九七年一月に教科書をつくりました。この会の目的は、日本の過去の戦争を侵略戦争だとする見方をひっくり返すことを最大の目的としてつくられた組織であります。  2、実際、つくる会が発足に当たって発表した文書、趣意書には、日本の過去の戦争は不正義の戦争であったとの見方は、旧敵国のプロパガンダ、宣伝だとしております。したがって、戦争の罪悪感、これは旧占領軍の宣伝がつくったもの、これを日本の教育から一掃するという目的を公然と打ち出したわけであります。  3、そうして戦争の歴史の著述全体に、この戦争は日本の自衛戦争、自存自衛、アジア解放、独立のために避けることができなかった戦争だというこの流れを著述しているのがつくる会の教科書であるわけです。
     これは、政府の公式見解として発表された一九九三年八月の従軍慰安婦にかかわる日本軍の直接及び間接の関与を認めた河野官房長官談話、それから一九九五年の村山総理の談話、いわゆる日本の少なくとも一九三一年から四五年の十五年間の過去の戦争は植民地支配と侵略であったとの政府の公式見解に立脚せず、過去の国策への反省、植民地支配と侵略への反省の気持ちなどは一かけらも含まれておりません。  五点目。これらはもちろん他社の教科書の侵略戦争であったとの歴史の事実の立場とは根本的、決定的に違うことであります。また、つくる会の教科書は、靖国神社の歴史観、戦争観、いわゆる靖国史観と同じ流れであります。また、歴史は神話であると、初代つくる会会長の西尾幹二氏は主張をしております。したがって、このような教科書を公教育の場で使用することは教育の条理に反する、また、世界から孤立することになるわけであります。つくる会の教科書の使用は、彼らの趣意書で述べているとおり、日本の過去の戦争は侵略戦争ではない、日本は正しい戦争をやったと、子どもたちにこう思い込ませる教育を行うことになり、これが果たして許されるのかという問題であります。  井出教育長、大藏教育委員長、宮坂同代理、大橋委員は、このつくる会の教科書の継続使用を主張し、賛成をいたしました。教育の条理に照らして絶対に許されるものではありません。次世代を担う子どもたちが、日本とアジアの戦争、それも近現代史についてどのような見方を身につけて育っていくかという、日本のあり方と生き方の根本にかかわるはかり知れない重大な問題であります。  私は、党区議団を代表して、昨年、〇八年の十一月二十五日、本会議で、区教委の基本認識の位置づけについて四点問うたところであります。その中で、一九九三年八月の従軍慰安婦にかかわる河野官房長官の談話と一九九五年の村山総理談話について、教育委員会として初めて、政府の公式見解としてこれに立脚すべきものと考えていると答弁があったわけであります。  そこで、この歴史教科書問題の根本問題、他社の教科書の、日本の過去の戦争は侵略戦争であったとの立場とは全く正反対の考えを、日本の未来を担う杉並の子どもたちに教え込むことをなぜよしとするのでしょうか。  また、昨年、〇八年十一月二十五日の本会議での答弁の内容と、つくる会教科書使用継続主張は真っ向から対立、矛盾をするものであります。この点について、教育長と教育委員長の説明を求めておきます。  さらに、歴史教科書問題のもう一つの根本問題として、また教育委員の基本認識として、日本の戦争、先ほども言いましたが、少なくとも一九三一年の満州事変侵略から四五年の太平洋戦争を終えるまでの十五年間の戦争は侵略戦争であったのか、昨年十一月二十五日、問いましたが、答弁がありませんでした。改めて、国際連合の侵略の定義のための条約などに照らして、侵略戦争であったのかどうか、教育長や教育委員長に問うておきます。  大きな三点目の問題は、教科書採択の事務のいわゆる審議が極めて異常であったということであります。ことしの八月十二日午後二時からの教科書採択の審議が極めて異常だということであります。  その第一は、時間的、量的な側面であります。  1、審議から終了まで五十分。うち中間で二十分ほど休憩がありましたので、実質的な時間は三十分程度でありました。  2、問題のといいますか、注目のいわゆる歴史教科書の審議時間はわずか数分以内、十分にも至らないということであります。  3、三百人余の傍聴者が見守っていて、傍聴室では教育長の発言は全く聞き取れない。教育委員会室に入った人でも聞き取れないところが多々あったわけであります。なぜこんな小さな小さな声で発言をしなければいけなかったのか聞きたいぐらいであります。  4は、後日、審議内容確認のためテープの聞き取りを求めたところ、庶務課長は、いろいろそのようなご希望があるので直ちに業者に依頼をした、通常三カ月かかるが、一カ月でお願いをした旨話がありました。とんでもないことであります。その気になれば、未定稿で一日でできる内容を一カ月住民から隔離をしていたということになるわけです。ちなみに九日現在でまだでき上がっておりません。  この項の二点目は、審議の内容、問題点についてでありますが、以下三つの角度から問うておきます。  第一の角度は、教育委員会のいわゆる審議に当たる問題であります。  審議の冒頭、先ほども述べましたとおり井出教育長が、今回は二年間の限定使用、教科書がかわると教師や子どもの負担がさらに増大するなどとして、継続がよい旨発言をしたわけです。これは二つの点で問題と言わざるを得ません。  その第一は、この発言によって採択審議の基本路線がしかれてしまい、採択のすべて、審議のすべてに意味がないような、そういう状況になってしまったということであります。これは、それまでの現場の教師や調査委員会などのいわゆる仕事あるいは調査を否定することにならざるを得ないからであります。  そこで、教育長は、採択審議の冒頭で継続がよいとの発言をしたが、これでは、教員や子どもたちはかえてほしいと願っているのに、かえないことがまるで教員や子どもたちのためになるとの発言になるわけであり、扶桑社版教科書の採択先にありきの姿勢ではないのか、答弁を求めておきます。  第二の問題点は、大藏委員長が委員長の役割を果たさず、他の委員を攻撃するような威圧をしていたことも大きな問題であります。扶桑社版で異論はないかと大藏委員長が審議を打ち切ろうとしたとき、安本委員から異論があるとして自らの意見を述べている途中で、大藏委員長が怒声とも言える声を張り上げ、その上、安本委員をにらみ、威圧して発言を遮り、そして多数決で決定をしますと採決を強行したわけであります。  そこで、この採択審議において、教育委員長は他の委員の発言に対して威圧的な態度をとったわけでありますが、合議制の執行機関を代表する教育長はなぜ黙っていたのでありましょうか。教育長は、私の昨年の十一月二十五日の歴史認識等にかかわる問いで、言うまでもなく教育委員会は教育行政を行う合議制の執行機関でありますと答えていながら、このとき何ら異議も唱えず黙認をいたしました。これらと矛盾するわけであります。教育長の答弁を求めておきます。  小学校、中学校で学ぶ子どもたちに、少数意見を大事にしながら話し合ってみんなで決めていく、こういう学習がされているわけでありますが、教育委員会の非民主的な運営は極めて重大と言わなければなりません。  二つ目の角度は、中学校教員の意向を反映させたとは言えないということであります。既に開示をされました三つの報告書を分析してみますと、扶桑社版と自由社版のマイナス評価は、他の教科書に比べて圧倒的に多いということであります。  具体的に見ますと、例えば学校用の教科書調査報告書でありますけれども、これは総合調査と研究結果のところに書いてある意見の数であります。二十三校中二つの学校が好意的評価をいたしました。この一つは民間校長の学校であります。三校はどちらとも言えないというものです。しかし、二十三校中十八校、約八割の七八%が批判的記述をたくさんしたということであります。記述の内容は、一面的な記述が多いので、歴史を総合的、多面的にとらえることが難しい、今日までの歴史研究の成果が生かされていなく一面的であるなど、多数が書かれております。  それでは二点目に、種目別調査部会の報告書はどうなっているのか。部会長は校長であります。意見の項目はさっきと同じであります。  扶桑社は、批判的な意見が四項目中二から三項目で、五〇ないし七五%。好意的な意見は四項目中一から二でありましたので、二五から五〇%となるわけです。それに比べて東京書籍は、批判的意見は六項目中一項目であり、一六%、好意的な意見は六項目中五つで八三%になります。また帝国書院は、批判的な意見は四項目中一つもなくゼロであり、好意的な意見は四項目中四項目とも好意的であり、一〇〇%であったわけであります。  三つ目の、教科書調査委員会報告書、これは調査の観点全項目と総合調査研究の結果のすべての項目に対する回答の中からどのような比率になっているかを見た数字であります。委員長は学校長であります。  扶桑社の場合は、批判的が十四項目中七項目ですので五〇%、好意的は十四項目中七項目ですので、同じく五〇%となるわけです。その内容でありますけれども、世界の歴史に関する記述が少ない、民衆の視点に立った記述が少ない、難しい語句が多く表現がわかりにくいなどであります。それに比べて東京書籍は、批判的な意見は十五項目中一から一・五でありますので、約七%弱から一〇%、好意的な意見は十五項目中十三から十三・五でありますので、八三から九〇%。帝国書院は、批判的意見は十四項目中一項目ですので、七・一%になり、好意的な意見は十四項目中十三でありますので、九三%が好意的となるわけです。  この三つの調査結果から、最も評判が悪い、低い扶桑社の継続使用との結論は出てこないのは自明の理であります。  さて、教員の地位に関するユネスコ勧告六十一条は、教員は生徒に最も適した教材及び資料を判断する資格を有している、教材の使用、教科書の選択、採択及び教育方法の採択で不可欠の役割を与えられているなどとなっております。区教委はこれを尊重する、あるいは反映させていると、この間答弁をしてきております。  そこで、専門家である杉並区の全教員の集団的調査結果として、学校における調査報告によれば、先ほど示したように二十三校中十八校、約八割を初め、どの報告書も異論が多数でありますが、最も好ましくないと判断されている扶桑社のつくる会教科書をなぜ区教委が採択をしたのか。専門家でない教育委員がどのように、それではユネスコ勧告に示されておるように生徒に最も適した教材と判断したのか、具体的に示していただきたい。  また、三教職員組合が集めた小学校、中学校、高等学校の教員の二千名による扶桑社、自由社版の使用はしないでほしいとの署名をどう受けとめているのか、教育長及び教育委員長に答弁を求めておきます。  さらに、大藏委員長と宮坂同代理の事実をあべこべに描く発言についても問うておきます。  いわゆる審議の途中で、安本委員から、先ほどから私は異論があると言っているのです、異論はないので、とはまとめないでほしいと発言をしました。これに対しまして大藏委員長は、そういうことは正式に教科書調査報告書から上がってきていません、こう述べ、宮坂同代理も、否定的な人もいるでしょうが、多数ではないと発言をしました。これはさきに示したように事実と異なることであります。大藏委員長の答弁を求めておきます。  角度の三点目は、扶桑社の教科書が子どもたちの学習にふさわしくないという点であります。  1、今回採択した扶桑社版歴史教科書は、子どもたちが自ら歴史を学び、多面的に考え、豊かな歴史観を持って公民的資質の基礎を養うにはおよそふさわしくない偏った教科書であります。先ほど見たとおりであります。  2、歴史学の成果を無視し、歴史的事実より物語としての歴史を重視し、戦前の皇民化教育でも使われた天皇神話を歴史の土台に据えている。日本の犯してきた戦争責任をきちんと見据えず、あたかも近隣諸国の人々を助けたなどと誤った視点に立って編集がされている。  3、他の教科書と違い、近世の単元が少なく、古代や明治期に力点が置かれ過ぎていることも、子どもたちの受験や小学校、高校の学習とのつながりにおいても重大な問題であると言えます。  四点目、前回の採択以来、社会科教員が間違いに気づいて扶桑社の営業に伝えても一つも訂正がされないなど、極めて不誠実な教科書会社の教科書であるということであります。  五点目、もちろん授業は教科書だけで学ぶものではないとしても、四年間使ってきた結果が、以上今述べたようなことであります。  そこで、以上のようなことも踏まえ、この四年間誤りを一度も訂正されていないつくる会教科書の問題点をどのように総括をし、改善の努力をしたのか、また、今後どうするのか示していただきたい。  以上、教科書採択事務、いわゆる審議の異常性を述べてきましたが、次の二点について改めて求めておきます。  その第一は、八月十二日の教育委員会で採択をした中学校歴史教科書について、採択の撤回と審議のやり直しを行うこと。  2、教育委員会の審議について、民主的な議事運営をすること。委員長の一方的運営で、議論を尽くさず異論を排し、多数決のみで決めたりするやり方をやめて、審議を尽くすこと。  以上、答弁を求めるものであります。  最後の大きな四項目めの質問は、大藏雄之助教育委員長に関してであります。  日本教育再生機構の理事長であります八木秀次氏より、杉並区教育委員会事務局次長あてに、平成二十一年、ことしの七月六日付で、「大藏雄之助先生と当機構との関係について」が届いております。これは教育委員会からの照会で、大藏先生と当機構の関係について回答するというものであります。  主な内容でありますが、その一は、当機構は平成十八年(二〇〇六年)十月二十二日発足。教育関係者を中心に各界有識者に設立趣旨を説明、趣旨に賛同していただいた方々に設立発起人並びに代表委員に就任していただいた。教育問題に関して発言をされていた大藏先生に当機構の趣旨を説明、教育の活性化のために頑張ってほしい旨、激励の言葉をいただいたので、代表委員、設立発起人名簿に名を登載し、掲載をしてきた。  2、その後、教科書改善の会の事務局を担当することになり、その旨を関係者等に通知をいたしました、その際、大藏先生より、役員を引き受けたつもりはなく事実と異なるとして、名前の削除の旨の連絡があったので名前を削除したというものであります。  八木秀次氏の経歴はつくる会そのものと、一方で言わなければなりません。九七年の一月につくる会が設立をされました。二〇〇五年には分裂をして、二〇〇六年の四月には八木・つくる会会長が辞任をするということです。その後、教科書改善の会なども設立をしております。  そして扶桑社と八木グループの主張は、これまでの扶桑社版教科書では各地の教育委員の評判が低い、内容が右寄り過ぎて採択がとれない。扶桑社の教科書をよりわかりやすく、こなれた記述に改め、幅広い支持が得られる教科書を出すと、教科書改善の会の発足時に記者会見をしております。  先ほどの見解が示すものは、大藏教育委員長は改めてつくる会元会長グループと関係があることを相手方が明示をしたことであります。これらの行動は公正公平であるべき教育委員として認められない行為であります。  また、今田横浜市教育委員長は、つくる会・藤岡信勝会長と何度も会い、自由社版教科書を採択いたしました。これは不公正であり、不正であります。この行動と類似しているということもできるわけであります。  そこで、大藏委員長が、日本教育再生機構の発足に当たって八木氏から機構の趣旨の説明を受ける経緯と会合の目的、説明の内容を明らかにしていただきたい。その際、教育委員長は、つくる会教科書の普及に日々奔走している八木氏に、教育の活性化のために頑張ってほしいと激励、とあります。教育の活性化、激励の言葉とはどんな内容なのでありましょうか。会の趣旨に賛同したから激励したのではないのか、大藏教育委員長の答弁を求めて、私の質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  教育委員会委員長。      〔教育委員会委員長(大藏雄之助)登壇〕 ◎教育委員会委員長(大藏雄之助) 鈴木議員のご質問に幾つかお答えいたします。  まず、私も今全部持っておりませんが、安本委員の審議の途中で私が遮ったということはありません。それは議事録をごらんになればわかります。異論ではなくて、これを採択することに異議はありませんかと申し上げたものです。  それから、その前の審議の過程の最初のところの部分については、教育長のほうのお話が主体ですので、私がここで申し上げることはありませんけれども、この審議につきましては、前回、四年前に非常に時間をかけて討議をしたもので、それ以後教科書は変わっておりません。そこで、新しく加わったのは自由社というのがありましたけれども、それは内容はほとんど同じものですから、ですから、それについては既に扶桑社版で討議をしたこととほぼ同じであるというようなことで特に審議をしませんでしたけれども、それは前回の議事録を読んでいただければよくわかると思います。  それから、私が威圧的に加えたとか、そんなことは私はないと思いますけれども、それはとり方でありましょう。  それで、一番最後のところの日本教育再生機構でしたか、それとの話は、私はどこでどういうふうに聞いたかよく覚えてないんですけれども、書類はたくさんもらいました。しかし、話をしたのは、私はどこかの席で一緒になったときに八木さんから話があった。前から知り合いです。いろいろな人を私は知っておりますので、別に八木さんだけを知っているわけではありませんが、いろいろな方とお話をしまして、そのときにそういう説明があったと思います。それで、安倍内閣が、非常に似た名前ですけれども、教育再生会議というのをやっておりまして、多角的に議論をするということでしたから、私は多角的に議論をすることについては全く、どのような会議であれ賛成ですので、それは賛成だと言ったと思います。それを、何かをおやりになるときに、しっかりやってくださいというようなことは向こうは激励と受けとめたのか、それはよくわかりませんけれども、そのような、とにかくたくさん議論してくださいということは言ったと思います。  けれども、その名簿に載っかっているか載っかってないかについて、八木さんのところでは、教科書をつくることになって改めて言って、私が削除を求めたということですけれども、私の記憶ではそうではなくて、だれか友達から名簿に載っかっているよと言われて、私のところにたくさん書類が来ますので気がつきませんでしたが、そこに載っかっておりましたので、それは違うよということを私は電話をかけて言いました。そしたら向こうでは、わかりましたと言って、それでは削除しますと言ったんですが、私はそのまままた忘れておりましたら、しばらくしてまた載っかっているという話なので、私はまた電話をかけました。そして電話をかけただけではなかなか、また向こうが聞かなかったとかわからなかったとか言われると困りますので、私は文書をつくって、過去二回申し上げたけれども、載っかっているということなので、それは非常に困るということを言いました。その後、教育委員会からの問い合わせで八木さんがこういう答えをしたんだと思います。私は日時だとかそういうことを細かくは覚えておりませんが、そのとき初めて一回で消したのではなくて、私が二回要望したその後であると私は記憶しております。しかし、いろいろな話がありますからいろいろなことを申し上げますけれども、しかし、私がそれを激励したとか、そういうことの関係ではありません。ですから、それは改めて申し上げておきます。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 私から、中学校の教科書採択に関するご質問にお答えいたします。  まず、横浜市の採択で不正があったか否かにつきましては、事実関係も不明であり、答弁する立場にありません。  次に、教育委員会での審議は、各委員がそれぞれの識見に基づき自らの責任において発言し、合議制の執行機関として、今後二年間継続使用することが適当であるとの意思決定を行ったものでございます。  次に、歴史認識に関連したお尋ねですが、今回の歴史教科書の採択が昨年十一月二十五日の本会議答弁と矛盾するものとは考えておりません。言うまでもなく、教育委員会は区立学校の管理など教育行政を行う合議制の執行機関であり、ご質問のような事案について、独自の統一的な見解を持つものではありません。これらの問題についてはさまざまな議論があり、なお調査研究が望まれる面も少なくないものと考えております。  次に、教育委員会での採択審議に関するお尋ねですが、まず、審議の冒頭における教育長の発言は、新学習指導要領への移行措置期間にある中で、自らの識見と責任において発言したものであり、この間の手続等を否定するものではありません。  また、教育委員長の対応に関するご指摘がありましたが、率直な意見交換がなされたものと受けとめており、合議制にもとるとは考えておりません。  また、各委員は、教科書調査委員会報告書や学校調査報告書のほか、区民から寄せられた要望書等の内容をそれぞれ把握した上で審議に臨み、独自の調査を踏まえ、それぞれの識見と責任に基づき審議を行ったものでございます。  次に、扶桑社版歴史教科書の記載内容等に関するご質問ですが、言うまでもなく当該教科書は検定を経たものであって、この四年間、学校において適切に使用されてまいりました。また、文部科学省の教科用図書検定規則に基づく訂正の勧告を受けた事実もございません。今後二年間、歴史分野の教科書として引き続き活用してまいりたいと存じます。  最後に、今回の教科書採択の審議は法令に基づき公正に行われたものであり、これをやり直す考えはございません。教育委員会審議につきましては、今後とも民主的な議事運営に努めてまいります。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 三十六番鈴木信男議員。      〔三十六番(鈴木信男議員)登壇〕 ◆三十六番(鈴木信男議員) 答弁をいただきました。いろいろ、大藏教育委員長からの答弁もるるありましたけれども、余りかみ合ってないんですね。全くかみ合っていません。  それで、時間の関係もありますけれども、一つは、一番最後に問いをした大藏教育委員長に問いますけれども、私はここでお聞きしたのは、教育の活性化のために頑張ってほしい、こうやって向こうは言っているんですよね。こういうふうに大藏委員長が言っていただいたので、すっかり了解を得たという形で名簿に載せました、こういうことなんですよ。だから、その辺の言葉は正確かどうかわかりませんけれども、覚えてはいないんでしょうか。  それから、いろいろなところで書類はたくさんもらっているし、前から知り合いだというようなことでありましたけれども、どういう説明があったのか余りよく覚えてないような答弁だったんですけれども、これはとても大事なことじゃないんですか。教育再生機構の設立者に名前を連ねてほしい、あるいは発起人に名前を連ねてほしい、そのために杉並の教育委員会の委員長として頑張っていられる大藏委員長にぜひ名前を連ねていただきたい、こういうことなどいろいろあったんじゃないですか。ちゃんとその辺はしっかり答えをしていただきたいというふうに思います。  それから、激励をした関係で、そんなことはないんだというような話がありましたけれども、そうすると、あの文書は、教育再生機構がわざわざ教育次長あてに出してきた書類としては、うそのことが書いてある、こういうことなんですか。これは重大なことになるんですよ。教育委員長、どうなんですか。もう一度その辺を、極めて重大な問題でありますので、答えをしていただきたい。  それからご答弁の中で、書類はたくさんもらって、前から知っている、こういうことなんですね。どういう書類をいっぱいもらっているんですか。どうして私はこういうことを聞くかというと、これはプライバシーのことじゃないですよ。教育委員長は杉並区の教育委員会の最高責任者です。特定の、しかも教科書を出しているところですよ。その教科書の関係の人と書類をたくさんもらって前から知っている、こんな関係が続いていていいんですか。不正じゃないですか。どうなんですか。答弁をお願いしておきます。  それから、一番最初に戻りますけれども、横浜市の教育委員長がつくる会の藤岡氏と会って、採択するよという情報が流れていたと、先ほど読んだとおりであります。事実関係が不明なので答えられない、これも一つの答弁で正直なところかもしれません。しかし、こういうことがあった、あるいはこういうことがあるというようなことになれば、これはやはり不正ですか、不正じゃないですか。特に教育委員長、どうですか。教育委員長は書類をたくさんもらうほど八木秀次・元つくる会会長を歴任した人とつき合っているわけですから、そこは非常に類似しているんですよ。そのことははっきり、不正なのか不正じゃないのか、答えをしていただきたいと思います。教育委員長のほうについても、その辺は答えることができるのではないかと思います。  それから、これは大変重大な問題なんですね。どういうことかといいますと、ほかの教科書は過去の日本の戦争は侵略戦争である、こういう立場でつくってあるんですよ。それは自虐的だ、こういって始まったのがつくる会の教科書でしょう。私、先ほど述べました。つくる会の設立趣意書に、そういうのをひっくり返そうと、これが目的でつくった会ですよ。彼らが言っているんです。その教科書を使うことになったということは、全く正反対のことを教えることになるんじゃないんですか。矛盾しないということにはならないんじゃないんですか。どうですか。教育委員長、特に答えてください。  それからもう一つが、過去の十五年間の戦争は侵略戦争だったのか、こういうことでありました。これも山田区長とも随分ここでも何度かやりましたけれども、区長のほうから、そういうことを言うのであれば定義を示してみろ、こういうことがあって、私は戦中、戦前、戦後の国際的な定義を示しました。そういうものと比べてどうですか。教育委員長、どうですか。侵略戦争なんですか、侵略戦争じゃないんですか、答えてください。こういうことについては教育委員長のほうで答えるからと言って、あなたは答えることを避けました。これは教科書問題の根本問題です。失礼ですけれども、答えてください。  それからもう一つは、ユネスコ勧告の六十一条の内容で、こういうふうに教員は規定をされているということを話しました。それで、一番評価が悪かったわけです。私、三つのものを言いましたでしょう。もちろん全部見た上で判断したんだ、こういう答弁も先ほどありましたけれども。なぜ一番悪いのが採択されるのですか。継続だからですか。とんでもないですよ。継続してないところはほかにもあるじゃないですか。継続にしたって、私が言いましたように何ら矛盾ないですよ。前の帝国書院に戻せば何ら問題ないでしょう。準備だってそんなに要らないでしょう。今までの何年もの長い蓄積がありますよ。過去の戦争は侵略戦争であったという視点に立って、子どもたちに教育の条理に基づいて教えているんですよ。それひっくり返す中身を教えるんですよ。そのことは、なぜこういうふうに選んだことになったのか、具体的に示してほしいということを言いましたけれども、何ら矛盾しない云々がありました。私は、最高責任者は教育委員長でありますので、教育委員長からも答弁をもらいたいなというふうに思います。  それからもう一つ、時間がありませんけれども、この間の教科書採択の審議の経過を聞いたり何だりしていて、私つくづく思ったことがあるんです。それは何かといいますと、区長の教育立区構想です。区長は、教育委員会の人事を選任する権限がある、それから予算も配置する権限を持っている、したがって、今の教育委員会を支配している、こう言ったんですよ。これは「ガバナンス」という雑誌ですよ。何度も私は使いましたけれども。支配されているんですか。教育委員長、どうですか。(区長「言葉じりだ」と呼ぶ)言葉じりじゃないですよ。これは政治の不当な介入になるんですよ。  以上、答弁を求めて再質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 教科書採択にかかわる再度のご質問にお答えいたします。  まず、大藏委員長と日本教育再生機構との関係についてお尋ねがありましたけれども、先ほど大藏委員長自らがご答弁したとおりでございます。機構から大藏委員長にたとえ資料が送られたとしても、それが教育委員の立場にもとるような不正ということには当たらないと考えております。  次に、横浜市の件につきましては、先ほども申し上げましたが、コメントする立場にはございません。  歴史教科書と歴史認識等に関するご質問がありました。つくる会教科書ということですが、この扶桑社版の教科書は、国の検定を受けたものでございます。検定を通ったものでございます。そしてこれにつきまして、採択権限のある教育委員会が、教科書調査委員会等の報告書をそれぞれの委員が把握した上で審議に臨みまして、それぞれの識見と責任において意見を述べ、結論を出したということでございます。  最後に、教育委員会の役割等に関するご質問がありましたけれども、教育委員会としましては、現行制度の中で与えられた職責を、全力を尽くして果たしていきたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 教育委員会委員長。      〔教育委員会委員長(大藏雄之助)登壇〕 ◎教育委員会委員長(大藏雄之助) 事務局から答えた範囲のほかのところを申し上げます。
     鈴木議員からありまして、たくさん書類をもらっていると。たくさん書類をもらっているというのは、私は教育再生機構からもらっているだけではなくて、いろいろなところ、共産党からも来ます。いろいろなところからたくさんの書類が来ますので、とても全部は見ておりませんので、私がたくさんの書類というのはそういう意味であって、別に八木さんのところからそんなたくさん来ているということではありません。  それから、先ほど申し上げましたように、この一番最初のところがいつだったか、私は記憶ははっきりしないんですが、多分安倍内閣ができたころだと思いますけれども、口頭で説明があったんです。それで私は、それは多角的に議論することはいいですねと言いましたけれども、そのときに代表に加わってくれとか、そういうことを言われたかどうかという記憶はありませんし、向こうはそう言ったとしても、私はそのように受け取らなかったんだと思います。だから、私はそれで言ったと思います。  ただ、激励したということが非常に重要だ、食い違うようだとおっしゃいますけれども、私はそのときにどう言ったかということについて、八木さんも言葉の一つ一つ覚えているのではなくて、八木さんのほうは激励をされたと受け取ったんでしょう。私のほうは、だれかが何かをやるときに、頑張ってやりなさいねというようなつもりで言ったと思いますけれども、どういうふうに言ったかは定かには覚えておりません。けれども、私はそこに参加するというようなことは言ったことではないし、八木さんのほうもそのような受けとめ方であると私は思っております。  以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で鈴木信男議員の一般質問を終わります。  七番すぐろ奈緒議員。      〔七番(すぐろ奈緒議員)登壇〕 ◆七番(すぐろ奈緒議員) 社会民主党・みどりのすぐろ奈緒です。会派の一員として一般質問を行います。  項目は、地域図書館全館への指定管理者制度導入について、非常勤職員の待遇改善について、教科書採択についての三点です。  初めに、地域図書館全館への指定管理者制度導入について質問いたします。  杉並区では、十二館ある公共図書館のうち、現在、地域図書館二館で指定管理者制度を実施しており、四館は業務委託をしています。指定管理者制度については、二〇〇七年に導入してからまだ二年半が経過したところですが、このたび、中央図書館を除く地域図書館全館において指定管理者制度を導入することが発表されました。二十二年度には運営を開始する予定とのことです。この突然の決定について区民の方や図書館関係者の方からは、寝耳に水、余りにも拙速との意見が多数寄せられています。  図書館という公共の社会教育施設を指定管理者制度にするということは、図書館のあり方そのものを根本から変えることになる重大な問題です。  二〇〇三年の改正地方自治法の施行から六年程度経過した今、指定管理者制度が抱えるさまざまな問題が明らかになってきました。だからこそ、今回の転換はより慎重に検証し、区民に説明し、多くの区民の理解と合意のもとで進めるべきものと考えます。しかし、今回の導入までのプロセスにおいては、検証不足、説明不足であることを指摘せざるを得ません。  公共図書館とは、基本的人権の一つである知る権利を保障するための重要な施設です。一人一人の人間が自立をして、自分で考えて自分で判断するということを助ける場とも言えます。公共図書館だからこそ、公的な費用で偏りのない幅広い資料を収集して、利用者に対し公平に情報を提供することができるのです。この公共性を維持していくことを、果たして、常に利益を追求することを目的としている企業が担えるのでしょうか。図書館運営が企業活動にとって有利なバランスへと移行していくことを危惧しています。  ここで、幾つかの問題点について指摘させていただきます。  まず、人件費の問題です。  指定管理者の経費内訳を見てみると、人件費が約九割を占めています。残りの一割は管理費なのです。企業が限られた指定管理料の中で利益を上げようとすれば、人件費の削減に目を向ける可能性が非常に高いことは明らかです。公共の施設で官製ワーキングプアを生むことについて区はどう考えるのか、伺います。  資料選定、蔵書構築、レファレンスなど、図書館業務には継続的で安定したサービスが不可欠です。しかし、低賃金化が進めば、短期間勤務のアルバイトなどの非常勤職員の割合が高くなり、職員の定着率が低下します。さらに、指定管理先が三年ごとに変更するのであれば、ノウハウの蓄積や後継者を育てることができません。区は、図書館の継続性、蓄積性がどのように守られると考えるのでしょうか、見解を伺います。  特に、区直営の中央図書館と指定管理の地域図書館では、レファレンス能力にも差が生じることが考えられます。レファレンス低下に対するフォローアップについても具体的な説明を求めます。  さらに、指定管理者が民間企業であれば、当然、図書館運営にかかわる情報は企業秘密として扱われます。同一自治体内での図書館の一体化はもとより、自治体を超えての連携協力にも支障が出るおそれがあります。  そこでお聞きします。競合する民間企業同士の間では、ノウハウの共有は困難です。中央図書館と地域図書館間のネットワークやノウハウの共有を今後はどのように行っていくのでしょうか。  また、杉並区では、区民の意見や提言を吸い上げる目的で図書館協議会が設置されていますが、今後も、図書館協議会で出された意見等が中央図書館を通じて各図書館へ反映される仕組みは継続されるのでしょうか。  続いて、個人情報の保護についてお尋ねします。  短期間に職員が入れかわるような職場で、一人一人に個人情報の保護への意識を高めることはできるのか、徹底した管理ができるのか不安です。公務員が守秘義務に違反すれば刑事罰が科されますが、民間業者が情報を流出しても、公務員ほどは厳しい罰則がありません。個人情報の管理における責任を区はどう考えるのか、伺います。  続いて、有料サービスの実施についてお聞きします。  図書館法十七条には「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。」とあります。杉並区が指定管理者に対して示している業務要求水準書では、指定管理者に対して、法に抵触しない範囲での有料サービスの実施など、個性ある図書館づくりを期待しますと記載していますが、この有料サービスについて想定している実施内容は具体的にどのようなものか、お尋ねします。  千代田区立の図書館整備基本計画には、法に抵触しない有料サービスとして、資料の予約を希望する場合は有料とすることを検討する、一定期間を過ぎて延滞した場合には延滞料を徴収するということが示されています。ほかにも、高齢者、障害者などへのサービスとしては、宅配は原則として有料とし、減免制度を設けることや、デジタル情報の利用については、区民はすべて無料とし、区民以外は一部有料サービスとすることも示されています。ことし六月からは図書館内で靴磨きサービスが開始され、一足当たり千円から千五百円の料金で実施されています。杉並区でもそのような有料サービスを認めるのでしょうか。  続いて、企業側から行政への改善要求があった場合の対応について伺います。  現在、杉並区では資料を区が一括して購入しており、今後もその体制は継続するとしていますが、ほかの自治体では、資料の選定や購入を指定管理者が実施しているケースがあります。また、開館時間についても、杉並区では一定の制限をしていますが、開館時間の延長などを行っている自治体もあります。これらの、区による資料の一括購入や開館時間の規制などについて、今後、企業側から改善要求があった場合、区はどのように対応するのでしょうか。現行ルールが変更されることもあるのでしょうか。  仮に資料の選定、購入が指定管理者によって行われれば、特定企業による独占または寡占の可能性が懸念されます。  先ほども述べましたが、企業の継続性に関して、もう一点お聞きします。  指定管理期間は三年とされていますが、その期間が満了するまでの間に企業の倒産などが起こる可能性がないとは言えません。指定管理期間の途中で指定管理者が何らかの理由で運営を継続できなくなった場合には、区は新たに指定管理者を選定するのでしょうか、直営に戻すのでしょうか。いずれにせよ、指定管理者制度そのものが区民へのサービスを中断する可能性をはらむ不安定な制度と言えますが、その場合の対応について、具体的な手順の説明を求めます。  次に、経営評価について伺います。  今回初めて行われた経営評価の結果をもって全館指定管理を決定していますが、そこでお聞きします。本当に経営評価だけで決められたのでしょうか。経営評価以外で全館指定管理者にする根拠、判断材料となったものがあれば、お答えください。  なお、図書館協議会では、この経営評価の方法自体も、今後改善していくべきこととして指摘されています。経営評価を拝見したところ、指定管理者の図書館においては、全部がA、良好、またはB、おおむね良好となっていました。評価というものは、よいところだけではなく、むしろ問題点や課題を抽出し、それらについて多くの時間をかけて区民や有識者の意見を聞きながら議論し、改善し、区民の理解を得る努力をすることが大切なのではないでしょうか。区はその努力を怠っているように見受けられます。  経営評価では二年間でどのような問題点があったのか、具体的に説明を求めます。  また、経営評価は自己評価が中心であったと聞きましたが、今後の各図書館の自己評価の妥当性の検証はどのように行うのか、どのように判断するのでしょうか。  るる述べてまいりましたが、公共図書館の指定管理者制度導入については、全国各地で同様の問題が明るみになってきています。それらを受けて昨年の五月、国会では、社会教育法等の一部を改正する法律に対して、指定管理者制度の弊害を認める附帯決議が衆参両議院から提出されています。また、文部科学大臣も、図書館への指定管理者制度の導入はなじまないと発言しています。これらの国の方針に対する区の見解を、この項の最後に伺います。  小中学校の運営は自治体の義務です。民間には任せません。図書館も同様です。区が責任を持って運営し、改善点があれば、区民と議論を重ねながらよりよいサービスをつくっていくべきです。区民から撤回してほしいとの意見が多数寄せられているにもかかわらず、既にホームページでは指定管理先の募集を開始しているということは、杉並区が区民とともに図書館をつくっていこうという姿勢に欠けていることを象徴しています。導入からもうすぐ三年の指定管理期間満了を迎える今こそ、だれのための図書館なのか、公立図書館はどうあるべきかの議論を区民全体で検討していくときにあると思います。今回の方針を一たん凍結し、区民の意見にもしっかり耳を傾けて再検討を行うよう強く求め、次の質問に移ります。  続いて、非常勤職員の待遇改善についてお聞きします。  今年度、非常勤職員の大幅な賃金改定がありました。非常勤職員に求められる役割が大きくなっている今、年収二百万円前後の官製ワーキングプアの待遇を改善することは、大変意義のあることと評価しております。  しかし、その中で嘱託員の賃金改定については不備があることがわかってきました。例えば栄養士の嘱託員は、勤務年数にかかわらず、在職者よりも新規採用者のほうが賃金が高くなっています。十年以上杉並区で働いている人もいるのですが、雇用年限制度があるためにその年数が加味されず、長期間にわたって区に貢献されてきた方の職歴は、賃金に反映されていません。相談員や医療系の嘱託員にも同様の事態が考えられます。  そこでお聞きします。こうした現状を踏まえ、来年度には嘱託員全員の履歴を精査して是正すべきと考えますが、いかがでしょうか。  少なくとも雇用年限を迎える六年目の人は、年度途中の十月に是正が必要と考えますが、いかがでしょうか。  次に、病気休暇について伺います。  新型インフルエンザが猛威を振るっています。感染の拡大は今後予測できません。報道される情報では、一次検査では感染が確認されず、二次、三次の検査でやっと判明されることが多いということがうかがえます。その間に感染が拡大することが新型インフルエンザの特徴です。常勤職員であれば、感染の疑いによる欠勤や自宅待機命令は病気休暇として位置づけられますが、非常勤職員には認められていません。  そこでお聞きします。新型インフルエンザ感染の疑いによる欠勤と自宅待機命令は、常勤に準じて休暇を整備する必要があると考えますが、いかがでしょうか。  厚生労働省によれば、先週一週間だけで保育園や幼稚園、小中学校、高校など、全国で七百七十二施設が、インフルエンザが原因で休校や学年・学級閉鎖の措置をとっています。東京都だけでも百二十七施設となっています。子どもの感染によりやむを得ず仕事を休まなければならない職員も出てきています。子どもの看護休暇は嘱託にはありますが、パートには設置されていません。新設、拡充の検討はされているのか伺います。  そうはいっても、非常勤職員の病気休暇は、年度途中の制度化が困難かもしれません。そうであれば、インフルエンザに関して特例または暫定措置を行うことを検討してはいかがでしょうか、お聞きします。  次に、雇用年限について伺います。  杉並区では、非常勤職員は一年契約で更新は五回までという六年の雇用年限制度を実施しています。今や区の三分の一を非常勤職員が占め、雇用年限制度が設置された当初に比べ、非常勤職員の働き方も変化してきています。  そこで伺います。区は何のために雇用年限制度を実施しているのでしょうか。保育園、児童館、学校などでは、一年を通して採用、雇いどめ事務に追われています。特に児童館では年間延べ八百名の非常勤職員が必要となりますが、そのために、広報、募集、面接、書類づくり、社会保険加入手続等、膨大な事務と煩雑さの負担を抱えています。また、応募者がないときには職員が自ら走り回って見つけなければならないこともしばしばあります。保育園や学校でも同様のことが起こっています。こうした大変な状況を区は認識しているのでしょうか。また、今後この状況をどう改善していくのか、あわせてお聞きします。  福祉事務所でも悩ましい状況があります。近年、生活保護申請者や相談者が急増している中で、ケースワーカーの役目がますます重要になっています。しかし、ケースワーカー一人当たりの担当件数が百件以上になることもあり、被保護者に対し丁寧で細やかなケアが行き届かないことがあります。そのため、有資格者の非常勤職員の存在が欠かせません。  杉並区には、社会保険労務士や精神保健福祉士などの資格を持つ非常勤職員がケースワーカーのサポートをし、一人当たり常時三十人から四十人程度を担当しています。最近では精神疾患を抱える被保護者が増えているため、話ができる関係を築くまでに、以前にも増して時間も労力もかかるそうです。何度も自宅に足を運び、電話をかけ、病院に連れていき、対話を重ねるということを繰り返す中で、担当者への信頼がつくられていきます。  ところが、来年度、その嘱託員十一名が一斉に雇用年限を迎えることになり、現場では不安が広がっています。突然職員が入れかわれば、精神疾患のある被保護者の方々には大きな負担になりますし、関係をつくり直せるかどうかもわかりません。また、職員同士の引き継ぎ期間がないということも大きな不安の要素となっています。こうしたことから、雇用年限の存在も含めて改善を検討する必要があると考えますが、区はどのようにお考えでしょうか、お聞きします。  最後に、教科書採択についてお聞きします。  ことし八月に中学校の教科書採択が行われました。今回も杉並区は歴史教科書の採択をめぐる審議が全国から注目されました。結果的には前回に引き続き扶桑社に決まりましたが、その採択過程の手続に関して不明な点がありますので、幾つか質問をいたします。  教科書採択に当たっては、学校別調査、種目別調査がそれぞれ実施され、その結果を調査委員会がまとめ、最終的に教育委員に報告されました。  さて、今回の調査では、学校別と種目別の調査の両方の締め切り日が六月三十日となっていました。その締め切り前に学校調査の相談期間が新たに設置されていますが、その目的、内容について伺います。  また、学校調査報告の締め切り前に行われた調査委員会の目的及び協議内容と、締め切り後の調査委員会で学校調査の検討がなされていない理由を伺います。  締め切り前、つまり学校ごとの調査中で、報告が正式に出ていない段階で相談や委員会での協議がされているのはなぜでしょうか。締め切り前の第二回調査委員会では、会議録によれば、種目別調査について、締め切り前なので次回に検討することにしていますが、同じ締め切り前の学校調査報告書は検討されていて、何とも不思議です。また、締め切り後にこそ審議されるべきですが、していないのはなぜでしょうか。  学校別調査を拝見すると、今回採択された扶桑社版歴史教科書については、約八割の学校、二十三校中十八校が課題を指摘していることがわかりました。具体的には、日本の歴史を理解するには偏った内容、生徒の思考の流れにとって非効率、わかりにくい表現で学習の能率を妨げる、独自の歴史観や価値観が感じ取られ中立性に欠けるなど、ほかの教科書と比較して極端にマイナス面の評価が多いため、強く印象に残りました。しかし、最終報告書からは、これらの特徴を全くと言っていいほど読み取ることができませんでした。これでは現場の声が反映されているとは到底言えません。  そこで伺います。学校調査報告書や区民アンケートが、最終報告書となる調査委員会報告書にどのように反映されているのか、具体的にお答えください。  また、今回の教科書採択に当たり、教育委員は学校調査報告書と種目別調査報告書のすべてを閲覧し、内容を理解した上で採択審議に臨んだのか、お聞きします。すべてを閲覧していれば、今回のように問題の指摘が目立つ教科書をあえて選ぶことはないはずです。採択の結果に教員や区民の皆さんが不信を募らせています。大藏委員長と井出教育長の明快な答弁を求めて、私からの質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  行政管理担当部長。      〔行政管理担当部長(大藤健一郎)登壇〕 ◎行政管理担当部長(大藤健一郎) 私からは、すぐろ議員のご質問のうち、非常勤職員についてのお尋ねにお答えします。  まず、今年度から実施した非常勤職員の賃金改定に関するお尋ねですが、今般の制度改正は、すぐれた人材の確保と活用を図るために、職務内容や能力、意欲、資格、経験等に応じためり張りのある格付を行えるよう報酬額を改めたものでございます。  既任用者の報酬格付については、切りかえ時に適切に対応すべき課題として認識をしております。  次に、非常勤職員の休暇、服務等に関するお尋ねですが、新型インフルエンザによる濃厚接触者となった場合や発症した場合の服務については、感染拡大を防止する上でも、常勤職員に準じて扱うこととしており、発症のピークを迎える前に、その他の勤務条件も含め適切に対応したいと考えております。  次に、いわゆる雇用年限に関するお尋ねですが、現行公務員制度のもとでは、任期の定めのない任用は行うべきではないとされています。このため、一年ごとの任用に更新回数の限度を定めているものです。新たな任用については、常勤職員の任用と同様に適時適切に行われるものと認識をしております。  私からの最後に、福祉事務所嘱託員に関するご質問にお答えします。  本区では、有資格嘱託員が対応する場合についても、常に常勤担当ケースワーカーと情報を共有し、協力して対応するとともに、適宜、所長等を交えた会議等で情報共有やコミュニケーションを図っております。今後も、こうした仕組みを通して、それぞれのケースの実態を踏まえた適切な対応を行ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 中央図書館長。      〔中央図書館長(和田義広)登壇〕 ◎中央図書館長(和田義広) 私からは、地域図書館に関連しての質問にお答えいたします。  項目が多岐にわたっておりますので、順不同になることはお許しください。  まず、指定管理者における労働条件に関するお尋ねですが、指定管理者の個々の従事者の雇用形態、賃金などの労働条件は、事業者が労働関係法令を遵守しつつ決定しているもので、ご指摘のような点は当たらないものと考えます。  次に、図書館の継続性等についてのお尋ねですが、区が定める運営の方針や基準に基づいて指定管理者がしっかりした業務運営体制を築き、適切に図書館サービスを提供することにより、継続性やノウハウの蓄積は十分確保できるものと考えております。  次に、資料の相互貸借、リクエスト処理などの他の図書館との連携についてでございますが、中央図書館の管理する図書館システム、図書館資料の相互貸借のもとでサービス提供が行われますので、ネットワークはこれまでどおり維持され、ノウハウも共有されます。  次に、図書館協議会についてでございますが、これまでどおり、意見、提言が中央図書館を通じて地域図書館運営に反映されることも変わりがありません。  次に、国会での附帯決議等についてでございますが、同決議は、指定管理者制度の導入に当たっては慎重を期し、適切な管理体制を築くなど、制度の適切な推進を図るようにとの趣旨と受けとめております。文部科学大臣の発言についても、同様の趣旨と受けとめております。  次に、指定管理者の業務の継続性に関するお尋ねですが、業者選定に当たっては、経営基盤がしっかりした事業者を選定することが大前提ですが、万が一ご指摘のような事態が生じた場合は、区民サービスに支障を来さないように適切に対応してまいります。  次に、個性ある図書館づくりについてでございますが、利用者を対象にした魅力ある講座、講演会等の事業実施により、図書館の特色を高めることを期待しているものでございます。  次に、資料の一括購入等についてのお尋ねですが、提携した協定書に基づき運営を行いますので、ご指摘のようなことは想定しておりません。  次に、レファレンスについてでございますが、指定管理者が運営する地域図書館では、現在も司書資格を有する職員が多く配置され、一定レファレンス機能が確保されております。今後ともこの水準を維持向上できるものと考えておりますが、中央図書館としても、レファレンス研修の実施、マニュアルの整備などにより、地域図書館のレファレンスの向上を支援してまいります。  次に、今回の方針決定の根拠等についてのお尋ねですが、経営評価の結果を改めて検証するとともに、業務委託との比較も行って決定したものでございます。  次に、経営評価における問題点、課題でございますが、地域の課題解決、区民が日常生活を送る上での問題解決への支援、あるいはレファレンスの利用の少なさといった課題が指摘され、改善の方向とあわせて区民にも公表しているところでございます。  次に、自己評価の妥当性の検証についてですが、中央図書館に設置する経営評価委員会が調査、確認を行い、図書館協議会に諮り、意見、提言をいただいた上で、評価指標、評価基準も含め、区民に公表しております。こうした一連の流れの中で、各館の自己評価の妥当性の検証、判断が行われています。  次に、個人情報の管理についてでございますが、杉並区個人情報保護条例では、指定管理者となる事業者の従事者が正当な理由がなく個人情報の提供を行った場合などについて、罰則を定めております。また、協定の中においても、事業者に対する個人情報保護条例等に基づく適正な管理のために必要な措置を講ずることなどを定めております。したがいまして、指定管理者においても、個人情報の管理責任を認識し、適切な管理が行われます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 済美教育センター所長。      〔済美教育センター所長(小澄龍太郎)登壇〕 ◎済美教育センター所長(小澄龍太郎) 教科書採択について、ご質問にお答えいたします。  まず、学校調査の相談期間でございますが、各学校長が学校調査報告書を作成するに当たって、書式等に関して教科書調査委員会に相談することができるように設定されたものでございます。  学校調査報告締め切り前の調査委員会において、各学校から寄せられた相談内容について検討が行われました。また、締め切り後の調査委員会においては、種目別調査部会の報告書や区民アンケートとともに、学校からの調査研究結果を十分に参考にしながら、調査委員会自らの職責として調査研究を行い、報告書を作成しているものでございます。  最後に、採択審議に関連してのお尋ねですが、各教育委員は、教科書調査委員会の報告書を初め、学校調査報告書や種目別調査報告書の内容をそれぞれ把握した上で審議に臨んでございます。  以上でございます。
    ○副議長(島田敏光議員) 七番すぐろ奈緒議員。      〔七番(すぐろ奈緒議員)登壇〕 ◆七番(すぐろ奈緒議員) 再質問をいたします。  まず、図書館の指定管理者についてですけれども、今の答弁を伺って、何も決まってない、具体策は何もないんだということがよくわかりました。ほとんどの答弁が適切に進める、適切に進めるということで、何もわかりませんでした。  具体策がない中で拙速にこれから進めてしまうというところであるわけですけれども、幾つか図書館のことで、適切に進めることをさらに聞いてみたいんですけれども、まず一つは、先ほど、国会で文部科学大臣が図書館への指定管理者制度の導入はなじまないとしていることについて、どう区は考えるのかということに対して、附帯決議と同じように適切に進めてほしいと国が言っているというふうに解釈していると言っていましたけれども、導入はなじまないと言っているのに、そういった解釈を区はされているのでしょうか、もう一度伺います。  それから、指定管理者が運営が継続できなくなった場合に、区は新たに指定管理者を選定するのかどうかを伺いました。その対応については、適切に対応するということですけれども、指定管理者を継続するのか、ほかの指定管理者を選定し直すのか、それとも直営に戻すのか、具体的にどっちなのかを聞いているので、どちらかを答えてください。  それから、先ほどの答弁で、経営評価で、私が、よいところだけでなくて、問題点があったら課題などを教えてくださいということを聞きました。それに対して今回答えはなかったんですけれども、この前の文教委員会の中で出された留意点として、事業者がかわった場合の継続性、引き継ぎをどうするかということに配慮しなければいけないということを挙げています。そのことこそが、この指定管理者の本質の部分なのではないでしょうか。まだ指定管理者の期間満了を迎えていない、そして継続もしたことがない、その後どうなるかわからないという段階で、もう既に全館を指定管理者にするということを決めることは非常に拙速だと思いますけれども、このことについて、継続性、引き継ぎをどうするかということをいまだに疑問の中で進めることについて区はどう考えるのか、拙速ではないのか、もう一度伺います。  それからもう一点ですけれども、有料サービスについてお伺いしました。千代田区で、先ほど私が挙げたようなさまざまな有料サービスが行われているんですけれども、もし企業側からさまざまな部分で、例えば延滞料を取るとか、資料を予約した人には料金を取るとか、そういう有料サービスを指定管理者側から求められた場合、区はこれを認めるのでしょうか。この業務要求水準書の中には、こうした有料サービス、法に抵触しない範囲でならどんどん行ってください、期待していますというふうに書かれているんですけれども、区は、具体的に千代田区のようなことが求められた場合、それを認めるのかどうかお答えください。  次に行きます。非常勤職員の問題ですけれども、新型インフルエンザによる病気休暇など適切に対応するということですけれども、適切というのは具体的にどういうことなのか伺います。  それから、雇用年限があるために、ことし六年目を迎える人が賃金改定がされないまま終えてしまう可能性がありますので、六年目の人だけでも急いで年度途中でも是正する必要があるというふうに考えるんですけれども、このことについてはどうなのか、もう一度伺います。  それから、福祉事務所や保育園や児童館、そういったところで引き継ぎの問題、それから採用に伴うさまざまな資料、事務仕事の煩雑さ、そういうことを改善するために区はどうするのかということを伺いましたが、今までどおり適切に行ってもらうということなんですけれども、実際働いている方は本当に大変な思いをされています。区がもっとしっかりと現場の状況を把握して改善を考えるべきだと思いますけれども、その点について伺います。  最後に、教科書の問題について伺います。  先ほど私は大藏委員長と教育長に、すべての資料を閲覧したのか、調査報告書を読んだのかということをお聞きしましたけれども、ご本人からの答弁がなかったので、もう一度ご本人に伺いたいと思います。調査報告書自体をしっかりと読んだ上で最後の採択に臨んだのか、そして学校調査の報告が最終的な調査報告書に反映されたというふうに認識をされているのか、その点についてお二人にお伺いします。  それから、相談期間を設ける必要が本当にあったのかわかりません。そのまま提出しても何ら問題はないと思いますが、わざわざ最後の期間が終わるまでの間に相談を受け付けるという意味がわかりません。そこで、もしわかればですけれども、何件相談件数があったのか、そのことがわかれば教えてください。  検定を経た教科書だから全く問題がないんだというふうに先ほどから答弁がありますけれども、検定を経た教科書であっても、現場が使いにくい、問題が多いということを指摘していれば、しっかり現場の声を反映しながら教科書採択を行わなければ、学校調査をしている意味がありません。この全く反映されてないという状況、もしこのままこれが反映されているというふうに教育委員会が判断するのであれば、調査自体を、調査の方法、報告自体を改善する必要が出てくると思いますけれども、その点について最後伺って、終わりにします。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  行政管理担当部長。      〔行政管理担当部長(大藤健一郎)登壇〕 ◎行政管理担当部長(大藤健一郎) すぐろ議員の再度のお尋ねにお答えします。  まず、休暇等の適切な対応とは何かということですが、ちょっとさっきは舌足らずだったかもしれませんが、既にインフルエンザ以外の病気休暇の導入も、今検討しております。そうしたものも含めまして、パートの職員あるいは嘱託員も含めまして、それぞれの職員が職責に応じて、安心してかつ意欲を持って仕事に従事できるような勤務条件、そういったものを一層整えていかなければならない、こういったような問題意識から適切に対応したいという意味でございます。  それから、六年目の、五回目の更新の人ということですけれども、制度改正の趣旨は先ほど申し上げたとおりでございます。これにのっとってやっていきますけれども、その辺については切りかえ時に適切に対応すべきものということを考えております。そういった点でご理解をいただきたいと思います。  それから最後、福祉事務所等々のいろいろな情報の共有ですとか打ち合わせですとか、そういったことですけれども、それについてはそれぞれその職場で最も効率的な形でやっておりますけれども、福祉事務所の例でいえば、先ほどのような仕組みを通してより精度を高めて、そういった実効性のある、また充実した情報共有や対応ができるような努力をしていくし、そのための環境づくりについても引き続き進めていく必要があるんじゃないかというふうに考えております。  私から以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 中央図書館長。      〔中央図書館長(和田義広)登壇〕 ◎中央図書館長(和田義広) 私からは、図書館に関連しての再度の質問にお答えいたします。  まず、国会での、なじまないといった発言についての再度の質問でございますが、たしか大臣はその後、そういった懸念が生じないようにした上で導入していただくことが大事といったようなことも触れてございます。それからその後、総務省でも推進に当たっての留意事項を示してございますので、先ほどのように答弁したものでございます。  次に、運営が継続できなくなる場合は具体的にどう考えるのかということでございますが、議員ご指摘のように、例えば一時的に直営にするとか、他の指定管理者に運営をお願いする、あるいは時間的余裕があれば再選定するとか、いろいろあると思いますが、いずれにしても、具体的状況を踏まえて、時間的なことも考えながら、区民サービスに支障を来さないように適切に対応するということでございます。  次に、有料サービスでございますが、千代田区との関連でご質問がございました。延滞料、予約といったようなことは、現在私どもとしては想定してございません。  最後に、拙速ではないかという趣旨でございますが、私どもは、何回もご答弁してございますように、これまでの取り組みを踏まえ、経営評価等も踏まえて改めて検証を行って、今回の方針を決定いたしましたので、今回の方針に基づいて進めてまいりたいと考えてございます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 済美教育センター所長。      〔済美教育センター所長(小澄龍太郎)登壇〕 ◎済美教育センター所長(小澄龍太郎) 委員長に限らず、五教育委員すべて、学校調査報告書、それから種目別調査報告書、すべて十分把握された上で議論されているものと存じております。  それから、相談期間中の相談の件数等でございますが、たしか十五校ほどご相談があったと思います。その中で、例えば五つの観点が分かれてございますけれども、それについて、例えば地域性であるとか、そういったことをすべて書かなきゃいけないのかとか、あるいは主観的な表現に当たらないかとか、あるいは根拠が明記されているということになるのかどうかとか、誤記などの単純ミスがないかとか、いろいろな項目にわたってございます。それぞれ相談内容についてはお答えをしてございます。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上ですぐろ奈緒議員の一般質問を終わります。  八番奥山たえこ議員。      〔八番(奥山たえこ議員)登壇〕 ◆八番(奥山たえこ議員) 社会民主党・みどりの奥山たえこです。本日、私は四つの質問をいたします。一つ目は教育委員会の活性化について、二番目は行政委員と附属機関の報酬は日額制が原則について、三番目に阿佐ヶ谷住宅建て替えの遅延と今後について、そして四番目に減税自治体構想についてであります。  まず、教育委員会の活性化についてから始めます。これは三つの観点からお伺いいたします。委員長に質問がいろいろありますので、ぜひご答弁を私にもお願いいたします。三つの観点というのは、まず一つは八月十二日の教育委員会の会議について、そして二番目は開かれた教育委員会について、そして三番目は教育委員会の点検評価報告書についてであります。  まず一番目、八月十二日の教育委員会会議についてでありますが、私も傍聴いたしました。議会の一員として私もこうやって質問しておるわけですが、教育委員会のやり方を見ておりまして、さて、どうしてこんなことができるんだろうと、非常にいぶかしく思う場面がたくさんありました。そこで、きょう、私は、委員長の発言などについて、またほかの委員の発言についてもいろいろ思うところがありますが、特に進行の方法ということで、杉並区教育委員会の会議規則、そしてまた地教行法との関連などについてお伺いをいたしたいと思います。  といいますのは、議会は言うまでもなく厳格な議決方法に基づいて進行しております。というのは、予算を決めるといったことなどは大変重要なことであります。議会が例えば条例を一つ通さないことで、いろいろな行政が停滞する、もしくは大きく場面が変わる、そんなことはいっぱいあるわけです。今回の政権交代などを見ていてもわかると思います。そういった意味で、ルールにのっとってやるというのは、これは結果の正当性を担保する上でも大変重要であります。  しかし、この前の教育委員会はどうだったのでありましょうか。例えば刑法なんかですと、手続が無効だと無罪になるんですよね、逮捕のやり方ですとか調書をとるとき、例えば脅迫したりなどして調書をとったりなんかすると、そういったことに基づいて無罪になる、そういうこともあるわけです。  早速質問ですが、教育委員会の会議は、地教行法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律や杉並区教育委員会会議規則に従って進行しているのかどうか。また、これらの規定のほかに申し合わせ事項などはあるのかどうか、お伺いいたします。  議会などは、杉並区議会にはないんですが、結構申し合わせ事項というのが、会議規則、表に出された規定とはまた別個にあったりしまして、結構そういうことで現実の進行をむしろ狭めている、制限しているということが往々にしてあるわけですけれども、杉並区教育委員会においてはどのようでありましょうか。  さて、次です。今回、採択審議の冒頭で、委員長が、所定の用紙により各委員が採択すべきと考える教科書に丸印をつけなさい、そういうふうにご指示をされましたね。会議規則二十六条を見ますと、投票という項目があるんですが、これは投票なんでありましょうか。投票でないとすると、こうした方法、つまり会議規則に規定ありませんけれども、どのように進めたのでしょうか。私、不幸にも中に入ることができませんで、音声だけ聞いておりましたので、様子がよくわからなかった。それから声も小さくてなかなか聞き取れなかったので、判然としませんので教えてください。  というのは、議会の委員会ですと、通常と違うやり方をする場合には、こうこうこういうふうにしてやりたいと思います、よろしいでしょうか、ご意見ありませんか、ご異議ありませんかというふうにして確認をして進む。言うまでもありませんね。議会だけじゃなくて、多分学校のホームルームでもそうなっているんじゃないでしょうか、言葉は違うかもしれませんが、日常言葉だと思いますが。  そしてまた、このような方法はいつから行っているんでしょうか。初めてでしょうか、それともどうなんでしょうか。  さて、こういうふうに聞きましたのは、教育委員会の会議の流れというのは、会議規則を読んでみますと、ある程度書かれてあるんですよ。第四章に会議という項目がありまして、十一条から二十六条までが会議になっております。そうすると、その中には「委員長は、討論又は質問の終結を宣告しなければならない。」、それからまた「採決しようとするときは、議題を会議に宣告しなければならない。」、また、二十六条には「採決は、委員長が各委員の賛否の意見を求めて行なう。」、これが通常の流れとして想定されているわけです。  私がびっくりしたのは、議会では、例えば一番初め、これを議題ですというふうにしたときに、あなたは賛成ですか、反対ですか、どういうご意見ですか、先に述べろというふうなことはないですよ。質問をし、そしてまた討論をし、そういう中で自分の心証を形成していく。そして討論というのは、杉並区議会においては意見開陳というふうな形でかえられておりますけれども、反対討論から始まるわけですが、ほかの委員の討論を聞きながら、あっ、私はここはちょっと違うな、そうだ、では意見を変えようというふうになる。そして最後に採決をする。それが通常の流れでありますし、教育委員会の会議の流れでも、そういうふうになっておるわけですね。  しかし、今回は一番初めに、賛成ですか、反対ですかということを先に書かせたわけですよ。どれがいいですか、先に札を入れてくださいというふうになったわけです。通常ではあり得ない。そしてまた会議規則にもない。改めて重ねて言いますけれども、どうしてこんなことが可能だったのか。  それで、今回の委員長の議事進行でありますけれども、先ほどほかの委員からも質問がありました。私、今回びっくりしたのは、委員長が自由に発言をしているんですね。ほかの委員と同じように発言をしているんです。  大藏委員長、委員であったときに、実はこの観点についてご発言されている場面があるんですよ。四年前、二〇〇五年九月二十八日、教育委員会です。丸田委員長の委員長の切りかえ時期だったんですね。大藏さんが、当時委員でありましたけれども、解任動議を出しまして、その中に、教育委員会では自由に発言するんだと、そういうふうな言及があります。そのこと自体が主なテーマではありませんでしたけれども。  しかし、そのことを突き詰めていくと、会議規則とぶつかるところや矛盾するところが出てくるんです。会議のやり方はそれぞれ会議体が決めてよろしいのかもしれない。そのくらい自由な裁量はあるかもしれない。しかし、その中で矛盾したことが起きてはいけない、言うまでもないことですね。どうでしょうか。委員長が自由に発言をしているわけですが、委員長は議事整理権を有するわけです。そういった意味で、今回の委員長の議事進行と地教行法十三条の三項です、整合性を伺います。  この三項というのはどういうのかといいますと、教育委員会の会議の議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは委員長の決するところによると。つまり委員長は可否同数のときに意見をそこで初めて言うんだと。杉並区議会もそうですけれども、そういう扱い。(「質問」と呼ぶ者あり)いや、質問入っているんですよ、この中に、心配しなくても。いや、全部質問入っているんですよ。私が質問しているんだから、そこで余計なことをおっしゃらないでくださいよ、話の流れが途切れますから。今回は質問ばかりなんですよ。余り説明してない。説明しているように聞こえるんだけれども、質問してあるんです。  私の質問を続けます。それで、委員長は今言ったような議事整理権を有するわけです。そうすると、会議規則ではどうなっているかというと、十九条に書いてありますけれども、 「発言しようとする者は、委員長の許可を受けなければならない。」というふうに書いてあります。ということは、不思議なんですけれども、委員長が今回自由に発言をしましたね。そうすると、その発言の許可は一体だれがどのように行うことができるんでしょうか。これ、質問ですよ。今回、ほかの委員の発言が続いている途中で委員長が発言をしました。では、その発言許可は一体だれがどのように行ったんでしょうか、お伺いいたします。  それともまさか委員長の発言だけは許可は要らないんだ、委員長はいつでも自分で自由に、思ったときに、人の発言が続いている途中でも……(発言する者あり)人の発言が続いている途中に不規則発言はおやめください。いや、不規則発言は私もよくやるから余り言えないんだけれども、それはちょっと勘弁してくださいよ。質問していますからね。  それで、発言が続いている途中で委員長が発言しました。では、その発言許可はだれがどのように行ったのか。どのようにかということも含めて、これは質問通告してありますので、きちんと教えてください。質問です。  次の質問です。委員長は、歴史教科書採択審議の際に、ある委員の発言途中に公民教科書に関する発言を行いました。ありましたよね。ある委員が発言しているときに、拉致問題がなんとかと言って、その委員から、いや、それは公民の問題でしょうというふうに切り返された場面がありましたけれども、さて、委員長のこうした発言を制止できる者はいるのでしょうか、お伺いいたします。  これに関する会議規則は二十条にありますね。「発言が議題外にわたり又はその趣旨に反すると認めたときは、委員長はこれを制止することができる。」、委員長が自分でそうやったときは、一体だれが制止するんでしょうか。  次です。今回、先ほど来言っておりますように、他の委員の発言途中に委員長が発言をしました。そして発言の応酬がありました。先ほどほかの議員が、どういう言葉を使っていましたか、似たようなことをちょっと質問していましたけれども、先ほど来言うように、それに関して委員長の許可はありませんでした。そうすると、委員長の発言に答える形で委員がまた発言をしたんですが、これはつまり十九条の許可というものは全くなくて、言ってみれば、委員長自らが不規則発言、委員長の許可を得ずに発言したものはこれは不規則発言でありますから、不規則発言を誘発したことになりませんか。重ねて伺いますが、委員長はこのような議事進行を今後も続けるつもりなのかどうか、お伺いいたします。ぜひご自身の言葉でご答弁ください。  次です。開かれた教育委員会について伺います。  現在の教育ビジョン推進計画を見ましたところ、開かれた教育委員会に関する内容が見当たりません。平成十四年のときのあのアクションプランの中には、しっかりと項目として立てられてあったのですが、ないんです。私が何か見落としたのでしょうか。それとも開かれた教育委員会という観点はなくなったんでしょうか。この観点についてはどう考えているんでしょうか、お伺いいたします。  次です。教育委員は区民から面談要請が結構来ているんですね、会ってくださいと。前の前の教育長、與川さんのときには、結構気楽に会ってくださったというふうに伺っております。ところが、会ってくれないし、もしくはある人には会うんだけれども、ある人には会わないというふうにも聞いておるんですね。そういったことに対してどう対応しているのか。そしてまた、会う、会わないの判断基準があるんだったらお示しください。  次です。今回の教科書採択に対してたくさん要望書が届いておりましたね。四年前のときは、それを重ねて、どういう意見が来ていたのかをある程度まとめて、傾向を事務局がリストにして、そしてそれを教育委員にも報告をしておりました。さて、今回はどうだったんでしょうか。まさかあんなものは要らないよといって隅っこにうっちゃっておいた、そんなことはないと思うんですが、どうなんでしょうか、お伺いいたします。  さて、次です。これはかなり大きなテーマなんですが、杉並区教育委員会は陳情なるものを受け付けてくれないというふうに聞いております。私自身出したことないからわからないんですが、区民が言っておりました。出そうとしたら、請願しかないんですよ、陳情はないんですよ、請願にして持ってきてくださいと言われたというんですよ。本当ですかね。受け付けないとしたら、その根拠を伺います。  これ、念のため言っておきますけれども、陳情・請願というのはちゃんとルートがあって、そして委員会の中でしかるべき手続にのっとって審査をするというものでありますから、単に要請文書、要望文書とは全然違うわけです。その意味で、陳情書の取り扱いは重要な根幹にかかわることですから、きっちり答弁してください。  次です。教育委員会ですね、昔は夜間に開催しましょうとか、そういう話もあったそうです。それから今、区議会もそうですが、インターネット中継を実現しております。費用はかかりますが、しかし、それに見合うものがあると思いますが、そういったことについて教育委員会は今まで検討したことがあるんでしょうか。また、今後についてはどうでしょうか。あの狭い委員会室ですから、本当にビデオカメラでも持っていってやればとても安く済むと思いますね。この前の八月十二日の審議の様子など、あれはもう絶対インターネットで流すべきだった、そう思いますよ。ぜひ考えてください。  次です。点検評価報告書であります。これは私もちょっとうっかりしていたんですが、昨年度、地教行法が改正されているんですね。第二十七条で、教育委員会は、その「執行の状況について点検及び評価を行い、その結果に関する報告書を作成し、これを議会に提出するとともに、公表しなければならない。」そしてまたその二項に、評価を行うに当たっては、学識経験を有する者の知見の活用を図るものとする、そういうふうになっております。  さて、この報告、そして公表、提出、なされたんでしょうか、伺っていきます。  教育委員会に事前にちょっと聞きましたら、どうやら区の行政評価報告書というのがありますと。これは内部でやっておるから二項には当たらないんだけれども、外部評価委員会報告書というものがありますと。これは外部の知見者にお話を聞いておる、これで代用しておるんだ、これで構わないと文科省も言っておるんだ、そういうQ&Aがあるんですよと。見せていただきました。通知を私も拝見しました。このこと、つまり代用するということは、いつの議会に報告し、そしてまた了承されたのかどうか、具体的に教えてください。伺います。  次です。教育委員会では、代用する行政評価報告書を、先ほど言ったように議会に報告するとなっているんです。議会というのは杉並区議会において、すみません、釈迦に説法ですが、この本会議、そしてまた委員会、それをおいてはありません。議員の議員ポストに入れておくのは、あれは議会ではありませんよ。当然ですよね。地方自治法というのは皆さんの一番根本法典でありますから。ないわけですね。私は余り記憶にないんですが、いつ報告されたんでしょうか。  実はこのことを私、何か資料があるだろうと思いまして、事前に情報公開で、そのころの教育委員会事務局政策調整会議というのがあるんですね、これの記録をとってみました。そうしたら、その中にこうこうこういう改正がありましたと、そういうことが書かれてあります。そしてこういうふうに書いてあるんですよ。議会への報告についてというのは、全議員に対する何とか何とか報告書の配付をもって議会への報告とすると書いてある。配付じゃ議会への報告になりませんよね。それがわかっているからちゃんと米印で、法律上の規定では、報告書を作成し、議会に提出しなければならないとされていると書いてある。わかっているんですよ、やっぱり。これじゃ本当に議会に報告したことにならないとわかっているんだけれども、まあそれでいいよねというようなことをわざわざ、そういう心だと思います、書かれているわけです。それがわかったわけですね。  そうしますと、次の質問ですが、地教行法二十七条には「学識経験を有する者の知見の活用を図るものとする。」とありますね。では、先ほどの外部評価報告書ですけれども、学識経験の方の知見がどのように生かされているんでしょうか、お伺いいたします。というのは、この外部評価委員会がいつ、どのような議題で開かれたのかといったこと、それも調べてみましたけれども、その中には特にこの内容について話し合ったとか、またさらに教育の問題について評価をしたとか、そういったことは何もないんですよ。一体いつ、どのように生かされたんでしょうか、お伺いいたします。  さて、今後のことですけれども、独自の報告書を作成する予定は今後もないんでしょうか。また、もし作成するとするならば、どのような観点を入れるんでしょうか。そしてまた、その際には、ぜひ公募委員も入った点検評価委員会を設けてはどうでしょうか。これは提案も含めてお伺いいたします。  さて、長々と教育委員会について質問してきましたが、最後に、教育委員会の活性化や教育委員会不要論について、委員長にぜひともご答弁いただきたい。委員長はどのような見解と今後の対応方針を持っているのか、お伺いいたします。  時間が大分なくなってきたので、ちょっと早口で行きますけれども、二番目であります。  行政委員と附属機関の報酬は日額制が原則についてであります。この質問は私、今回の第一定例会で行いました。そしてまた、今回の定例会に議案が出されておりますけれども、あれは月額制を基本として、しかし、月途中での退任などについては、また就任については日割りにするというものでありますから、性格も違う。  それから実はこの質問を早くやっておかないと、そろそろ判決が出そうなんですね。大津地裁で勝訴したというのは、この前説明したとおりですけれども、今高裁に入っていますけれども、かなりいい感じで進んでおりまして、勝ちそうなんですよね。最高裁でも勝ちそうなんですよ。大変なことですよ。高裁の裁判長が、慎重にやらなければいけない、大変な影響力があると言っているそうです。訴えている吉原稔さん、この前わざわざ岡山まで行って話を聞いてきました。早く結審してくれと言っているんだけれども、なかなか裁判長が結審してくれないということであります。  るる質問を続けていきますけれども、現在控訴中の滋賀県の行政委員の報酬は月額制は違法とする主張が高裁で認められれば、杉並区は条例を日額制に改正するんでしょうか。改正するとしたら最高裁判決のときでしょうか。もしくは裁判の判決内容は区の条例改正とは無関係なんでしょうか、お伺いいたします。  そしてさらに、滋賀県では、つまり月額制は違法というふうに言っているわけですから、それがそのまま維持されたとすると、それまでの支給額の全部または一部は不当利得ですね。不当利得として返還請求の対象となるわけですよ。おわかりだと思いますけれども、そのことを認識されたのでしょうか。自治法の二百三十六条一項でありますね。  次です。最近、住民訴訟でオンブズマンの方々が非常に頑張って、支給は不当であると、そういう勝訴判決を幾つも導き出しております。ところが、びっくり仰天、市長に対してこれこれの損害賠償を命じるとした判決が出た後に、議会がその債権、つまり請求権ですね、賠償金もしくは不当利得の返還請求権を放棄するという議決を出しているところがあるんですよ。結構あるんです。神戸市もそうでした。最近関東のどこかでもありましたね。まあオンブズマンが怒ること、怒ること。それはそうですよね。そうしますと、今回の月額制は違法ということも、事態が進むとそういったことになりかねないわけです。  そこでお伺いするんですが、住民訴訟で行政側敗訴による執行機関や職員への返還請求権を議決により放棄する例が最近あり、住民の非難を浴びている。区の見解はどうでしょうか。  また、区において同様の事例は過去あったでしょうか。また、今後そのようなことがあった場合には、債権放棄の議案を提案するつもりがあるでしょうか。今のうちに先回りしてお伺いしておきます。  さて、次です。月額報酬をすることは問題がないんだと、第一定例会のときにも答弁がありましたけれども、行政委員会の委員というのは、その職責を果たすべく調査研究に時間を必要とするのは当然ですよ。全くのずぶの素人じゃないからこそ、見識がある方、そして高潔な人格を持っていらっしゃるから、だからこそこうやって委員として選任されるわけですから。その方がいろいろ勉強する、調査研究をする。それは準備行為にすぎないわけです。だれしもやっていることですよ。そうしますと、調査研究に報酬を支払う、しかも月額で支払うということの根拠を教えてください。  なお、国家公務員についてはこの問題はとっくに解決されていること、前回も言いましたけれども、準備行為だという考えに沿ってつくられているそうであります。  さて、この裁判、そしてまた月額報酬は違法ということでありますが、それはどこに根拠があるかといいますと、地方自治法の二百三条の二です、現在。昨年の六月改正で二百三条が二百三条の二になりましたのでね。一番初めは二百三条だったんです。  この一番肝は、この前も言いましたけれども、「ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない。」、この「特別の定め」とは何かということなんです。それで、大津地裁の判決文では裁判官が、自治庁の通知――判決文では通達となっていましたけれども、本当は通知です。昭和三十一年八月十八日の通知を引用しておりました。  今回、私ちょっと吉原さんにも教えられて、このまさに条例の改正を審議している国会の昭和三十一年の議事録を読んでみたんです。いや、いろいろおもしろいんですよ。本当にここで説明して、いかに私の言っていることに根拠があるかということにしたいんですけれども、余り長くしゃべると時間がなくなるので言いますが、(「質問しなさい」と呼ぶ者あり)質問しているんですよ。質問の途中なんですね、これ。(「静かにしてもらわないと聞こえないよ」と呼ぶ者あり)小さい声でしゃべると聞こえなくなっちゃうから。  議事録を読みますと、実は政府のほうはそれまで、行政委員の報酬が月額で払っていて、ほとんどの自治体がそれをやっていて、そしてそれに対して規定がなかったんです。それでそれをちゃんと日額制にしよう、そうすると四億円ぐらい節約できるよと、そういう地方財政計画も出したんです。しかし、それに対して衆議院議員が修正案を出して、そこに「ただし、条例で特別の定めをした場合は、この限りでない。」という条項を入れたんです。その説明をしたいんですが、飛ばしていきます。  質問に入ります。各行政委員会、監査委員も含みますけれども、委員の二〇〇八年度の勤務実態をお伺いします。また、その勤務実態は常勤と異ならないと言えるんでしょうか。言えるとしたら、その根拠を示してください。  次です。これは附属機関でありますけれども、杉並区保健福祉サービス苦情調整委員、また杉並区公益監察員、おのおのの二〇〇八年度の勤務実態を伺います。苦情調整委員及び監察員の勤務実態は常勤と異ならないと言えるのかどうか。言えるとしたら、その状況を示してください。  次です。公益監察員は常勤と同様に、依頼すればいつでも対応してくれるのか。優先して対応してもらうような約束をすれば、月額報酬でなくてもいいんじゃないか。  次です。地方自治法第二百三条の二の第二項の、「条例で特別の定めをした場合」とは、自由な裁量で条例制定できる、そういうことなんでしょうか。  次です。大きな三番目の質問でありますけれども、阿佐ヶ谷住宅建て替えの遅延と今後についてであります。  建て替えのためには今後どのような手続が必要なんでしょうか。  次です。建て替え決議は全員合意がとれているとの答弁が続いておりますけれども、全員合意の決議は今でも有効なんでしょうか。  次です。なぜ道路の境界画定が進まないんでしょうか。また、杉並区や一部地権者を被告として、残りの地権者から境界画定訴訟の準備がなされている。つまり杉並区が阿佐ヶ谷住宅の地権者から訴えられるという訴訟の準備がなされているというふうに聞いたんですが、どうでしょうか。
     次です。一般的に、地権者に反対がある場合には等価交換契約は進まないのかどうか。今回は建替え組合は法人格がありませんので、ディベロッパーである野村不動産に所有権が一遍全部移転されるんです。そしてその後それをまた戻すというふうなスキームになっているわけなんですが、移転の実印が必要ですから、その押すときに、だれかが嫌だ、だめだというふうに言ったら等価交換契約は進まないのかどうかということをお伺いいたします。  そして次です。区は六階建て案以外は認めない方針なんでしょうか。  次、四番目、減税自治体構想であります。  区の言う借金とは何でしょうか。区が今清算すれば、残る支払いは公債だけでしょうか、区債だけでしょうか。債務負担行為、中でも杉並公会堂の建設費、この性格は建設のための借金とどう違うんでしょうか。債務負担行為と言葉が違うから、そういうことなんでしょうかね。  次です。減税の効果を、納税した拠出者でなく後の時代の人が享受するのはどのような論理によるんでしょうか。贈与だとすると、その意思はどのようにして確認するのでしょうか伺います。  次です。後世に負の遺産を残さない趣旨であれば、貯金ではなくて、今ある借金を返済するほうが先ではないか。公会堂の金利四%の返済に充てるべきであると考えますが、できない理由を教えてください。  次です。減税自治体構想とは、高額納税者を自治体が取り合う可能性を組み込んだ政策なんでしょうか。区長はこの前のフォーラムでそれに類したお答えをしていますけれども、そのことに一体どんな意味があるんでしょうか。  最後です。減税自治体構想について、区長は、ほかの区長や東京都に話をしたことがあるのでしょうか。していないとしたら、するつもりはないのでしょうかお伺いをして、私の質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁は休憩後とし、ここで午後三時四十分まで休憩いたします。                   午後三時二十分休憩                   午後三時四十分開議 ○副議長(島田敏光議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。  理事者の答弁を求めます。  区長室長。      〔区長室長(与島正彦)登壇〕 ◎区長室長(与島正彦) 私からは、奥山議員からの行政委員会及び附属機関の委員等への報酬等に関するご質問にお答えします。  まず、滋賀県の現在控訴中の事件の影響についてのお尋ねですが、訴訟の行方をこの間は注視してまいりたいと考えております。  また、支出は違法との認定がなされれば、それまでの支給額の全部または一部は不当利得として返還請求の対象となるものと認識しております。  次に、行政委員会委員の報酬に関するお尋ねにお答えします。  各委員がその職責を遂行するために行う担当分野に係る調査研究やこれに付随するさまざまな日常活動は、会議等への出席と同様に委員本来の職務と認識しており、職務に対する反対給付と考えております。  次に、各行政委員会委員の平成二十年度における勤務実態に関するお尋ねですが、まず、農業委員会委員につきましては、十三回の委員会総会のほか、農業祭や農地保全指導等を実施しております。  次に、教育委員会委員ですが、二十九回の定例会、臨時会のほか、学校等の各種式典や学校行事等に随時参加しております。  続きまして、選挙管理委員会ですが、三十二回の定例会のほか、明るい選挙推進協議会などの各種協議会等がございました。  最後に、監査委員ですが、五十五回の監査委員会議のほか、監査対象施設の実地監査等を行っております。  これらのほかにも、各行政委員会委員は、勤務実態に多少の差はございますが、担当分野に係る日々の調査研究等を含め、それぞれが自覚と責任を持って与えられた職責を遂行しているところでございます。  次に、杉並区保健福祉サービス苦情調整委員及び公益監察員の平成二十年度の勤務実態についてのお尋ねですが、まず、苦情調整委員につきましては、三人の委員が相談日に年間一人十六回から十七回出勤して相談に当たったほか、年に三回の情報交換会と年一回の施設見学会に出席しております。また、この年度は二件の苦情申し立てがあり、担当した委員が三日間から四日間かけて調査等の対応をしております。  保健福祉サービス苦情調整委員は、一般の常勤職員とは異なり、定期的な勤務のほか、虐待など緊急に対応しなければならないケースもあり、日常的に拘束されている業務であると考えております。  そして公益監察員についてですが、公益通報制度の対象となるような事案は、幸いなことに発生いたしませんでした。同条例に規定する職員の倫理規定が一定の抑止力となり、公正な職務の執行が行われた結果とも考えております。  公益監察員は、一般の常勤職員とは異なり、緊急に対応せざるを得ないケースを想定し、日常的に拘束されている業務であると考えております。  次に、公益監察員の対応についてのお尋ねですが、事案が発生した場合には、条例の規定により、公益監察員には迅速な職務の遂行が義務づけられているところでございます。  また、事案の発生時に優先して対処することを約束すればよいのではとのご指摘ですが、公益通報という制度の趣旨から、通報者からの連絡を直接受ける体制を常に整えておく必要があるため、現在の制度が適切なものと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 政策法務担当部長。      〔政策法務担当部長(牧島精一)登壇〕 ◎政策法務担当部長(牧島精一) 私からは、行政委員と附属機関に関する残りのご質問にお答えいたします。  初めに、住民訴訟で行政側敗訴後の債権放棄についてのお尋ねですが、他自治体での事例は承知しております。  また、区におきましては、調べた限りではそのような例はなく、現在のところ、債権放棄の議案の提出は想定してございません。  次に、地方自治法第二百三条の二第二項の「条例で特別の定めをした場合」の条例制定における裁量についてのお尋ねですが、地方自治体には広範囲な裁量があるものと考えております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) まちづくり担当部長。      〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 私からは、阿佐ヶ谷住宅に関する一連のご質問にお答えします。  まず、阿佐ヶ谷住宅の建て替えに関する手続についてのお尋ねですが、今後の主な手続といたしましては、都市計画法に基づく開発行為の許可申請や、地区計画の区域内における建築行為等の届け出、建築基準法による建築確認申請等がございます。  次に、建て替え決議と等価交換についてお答えします。  まず、阿佐ヶ谷住宅の建て替え決議に関するお尋ねですが、区分所有法では、建て替え決議に対するそれぞれの合意の意思は、たとえ相続や売買があっても、一般的には第六十四条により継承されるものと区は考えております。  また、等価交換契約に関するお尋ねですが、一般的なマンションの建て替えにおける等価交換では、土地所有者が土地を提供し、開発事業者が建物の建設費を提供して、おのおのがその出資額に見合う土地と建物を所有することになっておりますので、土地所有者と開発事業者間の合意が重要であると考えております。  次に、道路の境界についてのお尋ねですが、境界を画定するには所有者全員の合意が必要です。現在のところ、区はいまだ全員によるお申し出を受けておりません。阿佐ヶ谷住宅建替え組合では、所有者全員による申し出ができない場合、訴訟による境界画定を考えており、その準備をしていると伺っております。  私からの最後のご答弁になりますが、阿佐ヶ谷住宅の建て替え計画案についてのお尋ねですが、既に平成二十一年六月二十二日に、成田東四丁目地区地区計画として都市計画決定告示されており、現在の計画が杉並区まちづくり基本方針や地区計画に適合しておりますので、適切であると判断しております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 政策経営部長。      〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕 ◎政策経営部長(高和弘) 私からは、減税自治体構想に関するご質問にお答えいたします。  まず、区の言う借金とは何かとのご質問ですが、通常、区の借金と言っておりますのは、特別区債のように現に債務額が確定している負債であり、ご指摘の債務負担行為は、後年度にわたる財政負担の限度額をあらかじめ明らかにしておくものであり、性質が異なるものと考えてございます。  関連して、公会堂PFI事業につきまして、貯金ではなく公会堂のPFI事業の金利の返済に充てるべきとのご質問がございました。公会堂PFI事業につきましては、契約内容に基づき、区が事業に要する費用を事業期間にわたって平準化して支払うものであり、区が起債を立て建設するものとは異なってございます。  次に、減税による受益と負担の関係についてのお尋ねですが、受益と負担の関係を現在という点でとらえるのではなく、一定期間の時間軸の中でとらえれば、受益と負担の関係は保たれていると考えられます。  また、減税自治体構想の意義についてのお尋ねがございました。減税自治体構想が実現されれば、より担税力のある区民が増えることが予想され、それによって区の財政はより豊かになり、区民サービスのさらなる充実につながるものと考えております。こうした機運がさらに広まれば、豊かな地域社会を目指した自治体間競争が活性化し、納税者の負担軽減や地方分権社会の進展という観点から望ましいことであると考えております。  私からの最後に、他区や東京都との関係に関するお尋ねでございますが、本区が減税に向けた基金を設置し、積み立てを開始することは、現時点で都区制度に直接的に影響を与えるとは認識しておりませんので、当区といたしましては、他区の区長や東京都への説明は特段行っておりませんし、今後の予定もございません。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 私から、教育委員会の運営等に関連したお尋ねにお答えいたします。  まず、教育委員会の会議に関連したご質問についてですが、議事進行は地教行法及び区教委の会議規則に基づいて行っており、その他の申し合わせ事項はございません。  また、八月十二日の教科書採択では、委員長が会議に諮った上で、各委員が種目ごとに採択すべきと考える教科書を一たん集約し一覧にした資料をもとに審議を行いましたが、これは審議を円滑に進めるための資料を作成したものであり、会議規則第二十六条で言う投票ではありません。こうした審議方法につきましては、昨年の小学校における教科書採択の際にも行っております。  また、合議制の執行機関である教育委員会の委員長は、議事進行をする一方で、適宜自らの意見を述べることができると解されており、地教行法第十三条第三項に規定する可否同数の場合の委員長採決時に限って意見を表明できるというものではありません。したがって、委員長は議事の進行をつかさどり、その状況を見ながら、適宜自らの意見を述べているものでございます。  次に、開かれた教育委員会に関連したご質問についてですが、まず、これまでも、小中学校のPTA協議会との懇談会や教育報等による教育委員からの情報発信等に取り組んでまいりました。今後も、区民に身近な開かれた教育委員会を目指して努力してまいりたいと考えております。  また、教育委員に対する区民からの面談要請につきましては、個々のケースで対応が異なることを避ける考えから、教育委員会事務局において適切に対応し、要請の趣旨等を各委員に情報を提供しております。今回の教科書採択に関連した種々の要請等についても、同様に対応したものでございます。  なお、教育委員会への陳情書につきましては、会議規則第三十三条及び第三十四条に定める請願とは異なり、規定はなく、要請書等と同様に取り扱っております。  次に、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価に関連したご質問ですが、本区においては、従来から教育分野を含む行政評価システムを構築し、外部評価とあわせて積極的に運用してまいりました。こうした中で、地教行法に基づく点検及び評価につきましては、教育委員会独自の点検評価を新たに行うのではなく、既存の行政評価を活用することが適切と判断したものでございます。  なお、平成二十年度行政評価報告書は、昨年十一月に区議会議員の皆様に配付されております。  最後になりますが、教育委員会の活性化や教育委員会の不要論についてのお尋ねですが、今後とも教育委員会の活性化に向けて鋭意取り組んでいく所存です。  また、教育委員会制度につきましては、国と地方において現行制度をめぐってさまざまな議論があると承知しておりますが、区教育委員会としましては、現行制度の中で与えられた使命、役割を果たしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 八番奥山たえこ議員。      〔八番(奥山たえこ議員)登壇〕 ◆八番(奥山たえこ議員) 簡単に何点か再質問をいたします。  結構答弁漏れがありますよね。ちゃんとこういう質問をしますよとすり合わせしているんだから。苦労してつくっているんですよ。誠実に答えてくださいよ。  漏れたところですけれども、議事整理権を有する委員長がということで、委員長が途中で発言した、この発言許可はだれがどのように行ったのか、これ、漏れていますよ。  それから、委員長がそんな発言をしたときに制止できる者はいるのか、これも漏れていますよ。何か類推するところ、委員長は自由に発言ができるんだから構わないんだということなのであれば、そのように答弁してください、はっきりと明確に。  そうすると、地教行法第十三条との整合性でありますけれども、委員長は自由にできるんだというふうに考えて構わないのかどうか、それもきちんと明確に答弁してください。わからないですよ。  それから陳情のことですけれども、結局、陳情は規定にないから受け付けない、そういう理解でいいんでしょうか、教えてください。  それから点検評価報告書ですけれども、やってなかったことははっきり認めてくださいよ。配付したなんて言っているけれども、議会には提出してないわけだから。別に私も鬼の首取ったような話をしたいわけではなくて、だったら次やってくださいねと、そういう話なんですよ。去年の四月からもうそうすべきだという法律になっているのに、私も気がつかなかった。ごめんなさい、人を巻き添えにしない。私はそんなに情報量がないですよ。最近、一年半ぐらいたってやっとそれに気がついたわけですよ。皆さんは仕事で気がついて、去年の四月時点で会議をやっているわけだから、ちゃんと教えてくださいよ。それとも、これ、再質問ですけれども、そういう報告を代用しますよということさえも伝えない、つまりそれは大したことではない、そう思っていたのかどうか、重要な観点ですから、それをはっきり明確に答弁お願いします。  次ですけれども、行政委員の月額報酬ですけれども、では結論から言うと、現在の支払い方、月額は適法である、そういう認識でよろしいんですかね。重要なところですよ。お願いしますね。  次です。行政委員会の委員の勤務実態は常勤と異ならないのかというふうにもきちんと明確に質問内容を伝えてあります。選管委員は例えば三十二回会議やったとか、そういうことは聞きましたけれども、一番の肝は、勤務実態が常勤職と異ならないのかどうかということなんですよ、物すごくくどく言いたいのは。それで言うならば、例えば教育委員会だったら教育長、監査委員だったら代表監査、この方々は確かに常勤だと思います。いつ行っても会えますからね。大体いますからね。ほかの方はどうなんですか。常勤と異ならないんですか。きちんと教えてください。  次です。阿佐ヶ谷住宅のほうを聞いておきます。  建て替え決議なんですけれども、今でも有効だという話だったんですが、これ、いろいろ争いがありますよね。区分所有法を使って建て替え決議をとったと言っています。そこの資料を私もいろいろもらったんですけれども、六十二条を使っているんですよ。それからあと、単独建物の方は同意書を出してくださいというふうに書いてあるんですね。これは建替え組合の資料ね。  これが本当に区分所有法なのかどうかという質問をしたいんですけれども、都市計画審議会の中で私が質問しましたら、区分所有法に基づいているというふうな力強い答弁が部長からありました。では逆に聞きますけれども、区分所有法による建て替え決議なのであれば、売り渡し請求なんていうのは可能になるわけじゃないですか。でも、阿佐ヶ谷住宅の建て替えに関しては全員合意が必要であると、ずっとこれは一貫した答弁でありますよ。ここに矛盾があるんじゃないんですか。つまり単独の建物については、これは区分所有法ではない。しかも、区分所有法の六十九条には一団地の中に占有建物がある場合なども規定してありますけれども、六十九条についての建て替え決議などはとってないですよ。  質問としては、だから、決議は有効だと言っておるけれども、区分所有法に基づくものなのかどうか。だとすると、全員の地権者の合意が必要だということと矛盾しませんか、区分所有法じゃないんじゃないですかと、そこをお尋ねします。  あともう一つです。阿佐ヶ谷住宅の建て替えのスケジュールを、すみません、教えてください。というのは、ことしの八月には取り壊しが始まると聞いていたんですけれども、もう九月なんですよね。きっと一日千秋の思いでまさに待っていらっしゃると思うんですよ。ところが、道路の境界画定訴訟は大体二年間ぐらいかかると言われているわけで、大丈夫なのかなと思うんですけれども、今後のスケジュールはどうなんでしょうか、教えてください。  最後に、減税自治体構想だけ聞いておきます。  端的に聞きますが、報告書の中には、いろいろなリスクをまだ計算してないのがありますよ。例えば今後十年、二十年、三十年たったときにデノミネーションというのはないんでしょうか。昔、五十年、六十年前に新円切りかえがありましたよね。そういったことはないでしょうか。私らの父や母が経験したことですよ。  それからあと、ゼロ金利政策は今でも続いているというふうに言えると思いますが、どうなんでしょうか。本当に平均して一・五%の金利が得られるんでしょうか。  それから、ご存じのとおり、イスラム金融というのは金利を取りませんよね。日本がイスラム教徒になるということはないと思うんですが、しかし、ヨーロッパの銀行などもイスラム金融に関してかなり関心を寄せているというようなことを私、新聞でも読みましたけれども、金利がなくなっちゃうということだってあるんじゃないでしょうか。  それからあと、国債で運用すると言っているんですよ。ところが、国債がなくなっちゃう、あるんじゃないですか。区長にちょっと質問したいんですよね、ここ。国債の発行をやめようという政策を議員立法でした人がいるんですよ、区長が国会議員だったとき。どうやら通らなかったみたいですけれども。いや、それ自体はいいと思うんですよ。つまり赤字国債は出さないということ自体は全くすばらしいと思いますが、ただ、そういうふうにして国債がなくなっちゃう、そんなリスクだってあり得るわけでしょう。  ところが、いろいろなシミュレーションをやっていますけれども、それは今までの流れで来ているだけであって、想定していないことはいろいろあるわけじゃないですか。それがないじゃないですか。そういったリスクに関してもっともっと検証すべきことがあると思いますけれども、それはどうなんでしょうか、必要ないと考えているんでしょうか。それとも今後はやっていこうかなと。デノミについても強い、新円切りかえがあっても、もちろんその前に戦争なんかあっては困るんですが、そんなことについても考えていく、そういうようなことなんでしょうか、教えてください。  終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  行政管理担当部長。      〔行政管理担当部長(大藤健一郎)登壇〕 ◎行政管理担当部長(大藤健一郎) 奥山議員の再質問のうち、行政評価の議会に対する報告等についてのご質問にお答えします。  行政評価報告書につきましては、もうご案内のように、決算審議に間に合わせるということで、その枢要な部分をまとめた速報版を従来第三回定例会にお配りをしてご報告をしたということです。その後、必要な修正というか整理をして、完成版については全議員にその後配付をしていたという形です。
     外部評価委員会につきましては、時期的には評価委員の審査自体が十二月から一月、二月にかけて行われるということもありまして、結果について全議員に、昨年度については報告しておりませんでしたけれども、私の記憶ではかつて報告したようなこともあると思います。  今後につきましては、総務財政委員会にきちんと、教育のこともございますし、それがなくてもきちんと今後は報告をするような形で対応してまいりたいというふうに思っております。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 区長室長。      〔区長室長(与島正彦)登壇〕 ◎区長室長(与島正彦) 奥山議員からの再度のご質問にお答え申し上げます。  まず、月額支給が適法かどうかとのご質問でございましたが、現在、私どもは適法というふうに認識してございます。  次に、勤務実態についてのご質問がございましたが、先ほど申し上げたとおりでございます。 ○副議長(島田敏光議員) まちづくり担当部長。      〔まちづくり担当部長(大塚敏之)登壇〕 ◎まちづくり担当部長(大塚敏之) 阿佐ヶ谷住宅に対する再度のご質問にお答えします。  建て替え決議の件ですけれども、この決議に当たっては、建替え組合は弁護士を入れて、その指導のもとに行っておりますので、適切に行われたものと判断してございます。  また、スケジュールに関してですけれども、民間の事業ですので詳細は把握してございませんが、阿佐ヶ谷住宅建替え組合はできるだけ早期の建て替えを目指しておりますので、現在、所定の手続や建て替えに向けた関係機関との協議、調整を進めていると伺ってございます。  私から以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 政策経営部長。      〔政策経営部長(高 和弘)登壇〕 ◎政策経営部長(高和弘) 私からは、減税自治体構想に関連した再度のご質問にお答え申し上げます。  研究会報告では、現時点で想定されるさまざまなリスクについて研究してございます。減税自治体構想を実施する中でもまた、さまざまな要素については、当然ながらシミュレーションしていくことになろうかと存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 教育委員会の運営等に関連した再度のご質問にお答えいたします。  まず、委員長の発言の許可等についてですが、先ほども申し上げましたが、合議制の教育委員会の委員長は、議事の整理権や可否同数の場合の採決権とあわせて、一人の教育委員として意見を表明できることとされております。したがいまして、議事進行をいたしながら、その状況を見て適宜発言し、対応していると考えております。  次に、陳情についてですが、教育委員会規則にそのような規定はなく、要請書と同様に取り扱っております。今後ともそのような形で区民の意向を受けとめてまいりたいと考えております。  それから、点検評価報告書の議会報告についてですが、現在の取り扱いに問題があるのか改めて検討しまして、問題があるようであれば、必要な対応をしたいと思います。  以上です。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で奥山たえこ議員の一般質問を終わります。  六番小松久子議員。      〔六番(小松久子議員)登壇〕 ◆六番(小松久子議員) 私は、区議会生活者ネットワークの一員として、幼保一元化の取り組みについて、中学校歴史教科書の採択について、区立図書館の今後のあり方について、以上三点質問いたします。  初めに、幼保一元化の取り組みについて、主に区立幼稚園の改革方針に関して質問いたします。  厚生労働省がつい先日発表した調査報告によると、今年度認可保育所の待機児童数は二万五千人を超え、昨年の三〇%増、二〇〇一年の調査開始以来最大の対前年比増加率とのことです。増加の八割が都市部に集中しているといい、待機児問題が杉並だけで起きているのでなく、今日的な社会問題であることははっきりしました。  当区では、昨年度来の待機児対策をさらに拡充するべく、今議会においても補正予算が提案されているところであり、素早い対応に敬意を表するものです。  ただ、杉並の場合、四年後の二〇一三年、平成二十五年度までは保育需要の増加が見込まれているとのことですが、その後の傾向については知らされておりません。どのように予測されているのか、この項の最初に伺っておきます。  さて、幼稚園で定員割れが起きているというのも、杉並区に限らず都市部の全般に言えることで、幼稚園と保育所で全く逆の事象が起きています。  このことを考える前に、杉並区において幼児を取り巻く状況について、また、その問題について区はどのようにとらえておいでなのか、伺いたいと思います。また、幼児を持つ家庭の幼児教育ニーズ、保育ニーズをどうとらえておられるか、あわせてお聞きします。  幼稚園と保育園の違いは、幼稚園が学校教育につながる幼児教育の場であって、文部科学省の管轄、保育園は保育に欠ける子どもを対象とする日中の生活の場であって、厚生労働省の管轄とされています。しかし、考えてみれば、これは大人の事情による分類でしかなく、幼稚園と保育園、いずれも子どもが育つ環境として子どもにとって最もよいことは何かが追求されてこなければならなかったはずです。子どもを中心に据えてみれば、子どもの施設は、親が働いているか否かにかかわりなく、その子にとってかけがえのない時間を楽しく有意義に、ほかの子どもと触れ合い、交流しながら活動できる場として空間が用意されればよいのであって、保育一元化を難しくさせてきたのは、大人の都合以外の何物でもありませんでした。  生活者ネットワークは、子どもがその子らしく成長するということをすべての子どもが例外なく持っている人権の一つととらえ、大人はそれを一〇〇%保障する義務があると考えています。この観点から子どもの育成を考えたとき、幼保一元化はごく自然な流れととらえることができます。  このほど区では、区立幼稚園の廃止と新たな幼児育成施設、仮称子供園への転換が計画されています。これが保護者に対する子育て支援であると同時に、子どもの育ちを支援するものとなるようにという視点から、以下質問いたします。  最初は、国の施策に関連した質問です。  国は、二〇〇六年に認定こども園法を整備し、認定こども園の設置を進めています。ところが、全国的に導入がさほど進んでいません。この原因は何だとお考えか伺います。  続いて、区では、幼保一元化についてこれまでどのように議論がされてきたのか。また、今回の子供園新設方針が出された経緯についてお伺いします。  当区においては、私立幼稚園を母体として認定こども園が二園開設されています。この二園の取り組みに対する区の評価についてもお尋ねします。  仮称子供園は、文科省の制度における幼稚園型認定こども園に近いものと考えられます。文科省の認定こども園には、幼保連携型、保育所型、地方裁量型もあるといったように、ほかの形態もあり得たわけですが、当区ではなぜ幼稚園型に近いものとしたのか伺います。  現状の幼稚園では、各園当たり定員百二十八ですが、子供園の定員は八十とされ、四十八名も少なくなります。そのうち長時間保育の子が最大四十名ということですから、保育園の待機児対策としては有効ですが、区立幼稚園入園を希望しているのに入れられない家庭が数多く生じることになります。来年度の発足を予定する下高井戸と堀ノ内は定員充足率が五〇%前後と低いため、この二園に関してはその心配は無用かもしれないものの、高井戸西と西荻北のように充足率が八〇%を超える園については、この点について新たな課題が生まれることになるのではないでしょうか、見解をお示しください。  定員についてです。子供園では一学級が三十二人とのことです。小学校で三十人程度学級を進めているのに、幼児で一クラス三十二人というのは多過ぎるのではないかという印象を持ちます。二十人程度にすることが適当なのではないでしょうか。もし施設の物理的限界でクラスを増やすことが無理なら、担任を増やすなどの対応が必要と思いますが、いかがか、お伺いします。  入園の決定に関連して、二点質問します。  一点目、入園希望が定員を超えた場合、だれがどのような基準で選考するのか。  二点目、障害児への対応はいかがでしょうか。これまでもされてきていると認識していますが、今後も継続していかれるのか、確認のためお伺いします。  なお、子供園に限らず、公立の施設にはセーフティーネットとしての機能が求められます。ひとり親家庭や養育困難家庭への経済的な補助策が必要なことは、ここで改めて言うまでもありません。  さて、子供園は小学校への円滑な接続を目指しているとのことです。今の幼稚園や保育園では、その点に課題があるということでしょうか。小学校一年生のクラスに見られる学級崩壊状態、いわゆる小一プロブレムが広く見られるようになり、就学前の教育を充実させる必要性が高まっていると聞き及んでいます。この件について二点お尋ねします。  今の幼児教育の何が問題ととらえておられるのか、これが一つ。  そして、当区における小一プロブレムの実態について、区はどのように把握しておられるのか、これが二点目です。  小一プロブレムが起きる原因の一つには、発達障害児の存在が考えられます。特別な配慮を必要とする子どもへの対応が適切でないために、学級全体に混乱が波及するケースがあると言われます。杉並区では、発達障害児に関して特別な配慮としてクラスに介助員や介助員ボランティアを配置することで問題を克服するべく前向きに取り組んでおられ、子供園においても、小学校と同様に、必要に応じて介助員や介助員ボランティアが配置されるものと期待しています。  ただ、発達障害の存在が表面化しない場合は適切な対応ができず、問題解決を遅らせることになってしまいます。もし、ある子どもが特別な配慮を必要としているのに周囲がそれに気づかないばかりに、人とのコミュニケーションがうまくいかなかったり学習が遅れたりするとすれば、本人はもちろん、だれにとっても不幸なことです。気づきの機会が多く持てるよう、育成プログラムに工夫が求められるところです。そして子供園での成果を踏まえ、他の保育施設においても発達障害児へのより一層の配慮がされるべきと思いますが、いかがか、伺います。  小学校への円滑な接続については、これまでも行事の折に相互に交流するなどされてきたと思いますが、幼小の教員同士のさらに積極的な連携が必要ではないでしょうか。  また、小学校の側にも、段階的に机の配置を変えるなど、学習の場を整備していくような環境づくりやカリキュラムの見直しなど、子どもに寄り添った努力が必要なのではないかと思います。お考えを伺います。  子供園では地域の子育て支援事業を展開するとされています。子育て支援は親支援、多くは女性の自立支援とも言え、このようなプログラムとして、子ども家庭支援センターではさまざまな取り組みがされていますが、子供園では例えばどのような子育て支援事業を想定していらっしゃるのでしょうか、伺います。  当面給食サービスがないということですが、保護者は給食実施を求めていると思います。長時間保育の場合、早朝につくった弁当は、保存に気を配ったとしても食品衛生上の不安があります。お弁当ならではのよさはもちろんありますが、できたてのおいしい給食をみんなで一緒に食べることの食育効果は大きいものがあります。今後の給食実施の見通しはいかがでしょうか、お尋ねします。  さて、保育施設では民営化、委託化が広がっていますが、この子供園は全く新しい施策であり、区が責任を持って就学前教育に取り組むのですから、区の直営とすべきです。運営についてのお考えを伺います。  質問は以上ですが、この項の最後に、若干要望をつけ加えさせていただきます。  まず、区立幼稚園がこれまで培ってきた幼児教育のよさは受け継いでいっていただきたいこと。  そして、この事業を子ども・子育て行動計画にしっかりと位置づけ、親にとって便利で助かるというだけでない、子ども・子育て将来構想に照らして子ども自身の育ちを支援する取り組みとしていただきたいこと。  子どもによっては、家の閉塞空間で母親と二人きりでいるより、保育園で過ごす時間のほうが楽しいかもしれませんし、また、女性が働き続けたいという意思を可能にする環境整備としても、養育施設は必要です。しかし、保護者といる時間のほうが幸せという多くの子どもにとっては、その豊かな育ちを進めるという面から、ワーク・ライフ・バランスはぜひ進めたい施策です。待機児ゼロに向けた施策を充実させることと並行して、就労時間の短縮や地域の雇用機会を増やすなど、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた取り組みを追求すること。  次に、人事について。区立幼稚園の園長は、現在近隣小学校の校長が兼務することになっていますが、子供園においてはどのような人事とされるのか、関心のあるところです。区ではただいま検討中とのことですが、常に子どもの目線を外さず、子どもの権利擁護を優先させるような人がリーダーの職につくことを期待しています。  そして最後は、表記に関するお願いです。「子供園」という、仮称として三文字の漢字が当てられていますが、今は、行政用語としても一般名詞としても、仮名三文字の「こども」または「子」だけ漢字を用いた表記が一般的となっていて、「供」という漢字には、大人の後に着いていく者、お供え物という意味があるのがその理由と聞いています。漢字表記には違和感を覚えます。認定こども園との混同を避けたいというのなら、「子」一文字を漢字にすればよく、そのことで不都合があるとは思えません。ぜひ仮名表記に改めていただきたいと要望いたします。  続いて二番目の項目、中学校歴史教科書の採択について質問いたします。  この夏、四年前に引き続き扶桑社の歴史教科書が採択されたことは遺憾であり、多くの区民の期待を裏切ることになりました。会派として採択後直ちに抗議文書を提出しましたが、今回の結果について区教委にはどのような声が届いているでしょうか。内容と数をお示しください。  採択前にも区議会初め各方面より、つくる会の教科書は、自由社版の歴史教科書、扶桑社版の公民教科書を含めて、採択しないでほしいという要望がさまざまな形で区に寄せられたと聞いています。そのような声は他の教科に関してもあったのでしょうか。歴史と公民だけが突出して多数だったのではないかと思いますが、いかがか、伺います。  そのことは採択に当たって重く受けとめられるべきであり、歴史、公民については他の教科以上に慎重な審議が求められたはずです。八月十二日の教育委員会においてはどのような議論があったのか、委員からはどのような意見が出され、どのような議論の末あのような採択結果になったのか、具体的にお示しください。  四年前のつくる会歴史教科書採択の後、実際にこの教科書を使ってみてどうだったのか、現場の教師や子どもたちに聞き取る調査活動を市民団体が実施しています。この事実と内容を区は把握なさっているはずです。四年前に大変な混乱を招いた事実を区は受けとめ、今回の採択を前に、区として区民や中学校の現場、保護者などに対し、歴史教科書について、また教科書採択について意見聴取に努めるべきだったと思います。開かれた区政を目指す杉並区として、今回の採択を受けて、今後そのような調査を実施すべきと思います。見解を伺います。  この結果は不思議というより異常だと多くの人が感じています。展示会での区民アンケートの扱い、教科書調査委員会、種目別調査部会での議論など、採択に至るまでのすべてのプロセスにおいて公明正大な手続が行われたのか、疑問が残ります。いかがか、お答えください。  抗議文書に明記したように、歴史教科書の白紙撤回と採択やり直しを求めるものですが、一たん採択された後にやり直しがされた事例を、残念ながら知りません。採択のやり直しをすることになるのはどのような場合なのか、お示しください。  なお、議会における質問は当然ですが、区民から寄せられる質問や問い合わせに対しては、区は真摯な対応により丁寧な説明責任を果たす義務があると考えます。そのことを申し添えて、三番目の項目、区立図書館の今後のあり方について質問いたします。  さきの六月、今後の地域図書館の運営について、全十二館を指定管理者による運営とする方針が中央図書館より発表され、図書館や地域の文庫活動にかかわる人たちの間に大きな衝撃として受けとめられました。この方針の凍結と再検討を求める区民の運動が今まさに展開されていますが、この時期をとらえて、区にお尋ねしたいと思います。  杉並区では、中央図書館と十二の地域図書館が設置され、これまでに運営の外部化、民営化が進められてきました。どのように進められてきたか、また、これをどのように評価なさるか、まずお尋ねします。これが一点目です。  この決定に至る経緯はどのようなものだったのか、二点目として伺います。  三点目です。利用者アンケートなどからは、業務委託や指定管理になったことで質のよいサービスが低コストで受けられると好評の声が聞かれるとのことですが、それは表面的なことであって、レファレンス業務の質の低下や、地域に根差した生涯学習の拠点としての機能低下が免れないと危惧する声は重く、深刻です。方針の見直しを求める意見があることを区は把握しておられないはずはありません。ご存じと思いますが、いかがか、伺います。  四点目は、図書館協議会についてです。  図書館協議会の設置について、図書館法では義務と規定されていないにもかかわらず、杉並区では中央図書館長のもとに設置されています。しかも、二十三区で唯一条例に基づく設置であり、公募の市民枠もあるという、高く評価されるべき市民参画の仕組みを持った図書館事業が展開されています。当然、杉並区はこの図書館協議会に対し、運営方針について諮られたものと思います。どのような議論がされたのか、お伺いします。  指定管理者に図書館の運営がゆだねられると、本の貸し出しにせよレファレンスにせよ、図書館のサービスは無料であるため営業利益を上げることが困難なので、事業者は人件費を圧縮せざるを得ません。その結果として、人材確保や育成がおろそかになり、一方、図書館事業を手放した行政は、これまで積み上げてきたような地域情報やその収集経験を、今後蓄積していくことができなくなります。再三この議会でも取り上げられていることですが、国会でも昨年、公立図書館への指定管理制度の導入はなじまないと文部科学大臣が発言し、また、指定管理者制度の導入による弊害について配慮すべきという認識が示されています。  そこで五点目の質問です。以上述べたような点について区はどのようにお考えか、もう一度お伺いします。  二十三区で、図書館運営への指定管理者導入は、ことし九区四十七館にまで増えていますが、指定管理を導入しないことを決めた区も、一方であります。荒川、目黒、墨田、豊島、台東、北、渋谷、江東、葛飾区においては、そのような判断が示されています。  さきに述べた国会での見解、他区でのこのような判断を見るとき、杉並区があと二年以内で全地域館に指定管理をと進めることは拙速であり、賢明とは思えません。指定管理で先行する成田、阿佐谷、業務委託がされている方南、南荻窪、今川、下井草などの運営状況をいましばらく見守ってからでも遅くないと考えます。区の見解はいかがでしょうか、六点目としてお聞きします。  以上、運営方針に関連して質問してまいりましたが、最後に、図書館のウエブサイトに関連してお尋ねします。  現在、区立図書館では基本方針が策定され、ホームページで公開されているのはよいと思います。ですが、そのトップは「民との協働で、個性ある図書館づくり」であり、図書館の設置目的や目指すべき理念をうたった箇所はなく、物足りないという印象を持ちました。  そこで質問の一点目、この方針は、いつ、どこで決定されたものかお伺いします。  ここでは、民との協働、運営状況、経営評価、効率化などの語句が目につき、図書館が本来的に持っている高い志のメッセージや、社会教育を担う公的施設であるという基本コンセプトが伝わってきません。正直に言って、杉並区の図書館には理想とするビジョンがないのだろうかと思ってしまいました。中央図書館の壁面には、日本図書館協会で採択された図書館の自由に関する宣言の主文が掲げられていますが、ホームページのコンテンツにも同様に理念を掲げることがあってもよいのではないでしょうか。これが二点目の質問です。  そして三点目、区が教育基本条例等として制定を目指しておられる憲章に、公共図書館について触れることは考えておられるのでしょうか。また、今後何らかの理念的指針を策定されてはいかがか、お伺いします。  以上、お尋ねしてまいりましたが、私は民営化、委託化がすべて悪いとは申しませんし、税金を有効に生かすための効率化は必要と考えます。また、図書館に関してこれまで進めてきたことについては、図書館協議会に諮ってこられたことでもあり、異議を唱えるものではありません。ただ、今後のことは、最近になって熟考すべき問題点が明らかになってきたことでもあり、一度決めたからとこのまま直進することに強く疑問を感じています。  要は、杉並区が図書館をどうしたいのかという問題です。効率よく本が回転し、いつでも開いていて、ただでベストセラー本が借りられ、カウンターの人が笑顔で愛想がよければそれで満足というだけの図書館を区民が求めていると、もしお考えになるのなら、それは大きな間違いです。教育立区の看板もおろしたほうがよさそうです。図書館は、運営が変わったからといってすぐに変化があらわれるものではなく、失ったものの大きさに気がついたときには、もう既に取り返しがつかないという事態になりかねません。ここで方針を見直されるよう最後に要望して、私の質問を終わります。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  子ども家庭担当部長。      〔子ども家庭担当部長(玉山雅夫)登壇〕 ◎子ども家庭担当部長(玉山雅夫) 私からは、小松議員のご質問のうち、保育課所管のものについてお答えいたします。  まず、平成二十五年度以降の保育需要の予測についてのお尋ねですが、就学前人口は、平成二十五年度以降減少に転じるものと推計してございますが、保育需要については、社会経済状況や国の少子化対策などにより、大きく左右される可能性がありますが、基本的には引き続き増加傾向が続くのではないかと考えてございます。  次に、認定こども園に関するお尋ねですが、現在、この制度は、開設に伴う申請手続が煩雑であることや国の財政支援が限定的であることなどが問題として指摘されており、設置数が伸び悩んでいるものと考えております。  続いて、区内の認定こども園の評価についてのお尋ねですが、それぞれ私学の独自性を生かした特色のある保育を行っているものと認識してございます。  次に、発達障害児への配慮についてのお尋ねですが、これまでも幼稚園、保育園などの保育施設においては、介助員などの配置を初め、子どもの発達状況などに応じた適切な対応を行ってきたところでございます。今後も引き続きそのように対応してまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。
    ○副議長(島田敏光議員) 教育長。      〔教育長(井出隆安)登壇〕 ◎教育長(井出隆安) 私からは、子供園に関するご質問のうち、幼児を取り巻く状況等及び幼児教育の課題等についてお答えをいたします。  まず、区内の幼児を取り巻く状況や保護者のニーズ等についてですが、核家族化の進行や共働き世帯の増加、地域社会のつながりの希薄化など、幼児を取り巻く環境は大きく変化をしております。とりわけ昨年来の経済危機の影響により保育需要が急増しており、保育の受け皿づくりが急務となっております。  また、保育時間の延長を望む幼稚園児の保護者や十分な幼児教育の実施を求める保護者が多くなるなど、幼児教育施設に対する保護者のニーズにも大きな変化が見られます。  次に、幼児教育の課題等についてでございますが、現在の幼児には一般的に、幼児期の基本的な生活習慣や自制心、またコミュニケーション能力などの育成の必要性が強く指摘されております。こうした点からも就学前教育の重要性が高まっており、家庭や地域社会の教育力を向上させるとともに、幼児教育施設における幼児教育機能の拡大を図っていく必要があると考えてございます。  私からは以上です。残りの質問につきましては、担当よりお答えをいたします。 ○副議長(島田敏光議員) 教育委員会事務局次長。      〔教育委員会事務局次長(小林英雄)登壇〕 ◎教育委員会事務局次長(小林英雄) 私からは、子供園に関する残りのご質問にお答えいたします。  まず、区立幼稚園の改革方針案の経緯や考え方についてですが、昨年実施した杉並改革総点検結果に基づき、本年一月に検討会を設置し、幼児の育成環境の変化や、区内の幼稚園が区立、私立とも定員割れが続いている状況を踏まえ、区立幼稚園を区独自の幼保一体化施設として発展的に転換することとしたものでございます。  今回の改革は、国の認定こども園制度の枠組みにとらわれず、区独自の育成プログラムにより、幼児教育と保育を融合させ一体的に実施するなど、基礎自治体としての独自性を発揮した新たな幼児育成施設を創造するものであり、これの実現に向け全力で取り組んでまいります。  次に、子供園の定員等に関するお尋ねにお答えします。  今回の改革は、区の幼児施設を取り巻く環境の変化に適切に対応しようとするものです。区では、今回の改革方針案に対する区民等の意見を受け、定員枠の拡大や必要な経過措置を講じる必要があると考えておりますが、あわせて、改革の趣旨についてご理解をいただけるよう引き続き努めてまいります。  実施体制につきましては、これまでの幼稚園教諭に加え保育士も配置し、充実した運営が図られるよう工夫してまいります。  また、入園希望が定員を超えた場合ですが、コアタイムの枠については、これまでの幼稚園と同様に抽せんを考えておりますが、長時間保育の枠につきましては、保育を必要とする状況などを考慮して、区において選考してまいります。  なお、障害のあるお子さんにつきましては、これまで同様受け入れる考えでございます。  子供園の事業などに対するお尋ねですが、子供園では、保護者対象の子育て相談のほか、保護者同士の交流事業、ボランティアの協力も得て行うさまざまな行事など、積極的な子育て支援に取り組んでまいりたいと考えております。  給食の実施につきましては、施設改修などを伴うことから、将来的な課題であると考えますが、子供園の転換後の運営状況などを見て検討してまいります。  なお、子供園は区が直接運営してまいります。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 済美教育センター所長。      〔済美教育センター所長(小澄龍太郎)登壇〕 ◎済美教育センター所長(小澄龍太郎) 私からは、小一プロブレムと教科書採択についてご答弁申し上げます。  いわゆる小一プロブレムに関しましては、三十人程度学級の導入もございまして、今年度の小学校一年生につきましては、学級組織や授業が成り立たないという報告はございません。  次に、幼稚園との円滑な接続にかかわる小学校側の取り組みにつきましては、入学前の園児に対する学校行事の交流や体験入学等の機会を設けるとともに、入学後は、集団生活への適応に重きを置きながら、児童が段階的に学校生活に適応できる工夫を行ってまいります。  次に、教科書採択に関連したご質問にお答えいたします。  まず、採択当日までに寄せられた要望書等については、いわゆるつくる会教科書の採択に反対するものが七十三件、同教科書の採択を求めるものが三十二件、日本人として誇りの持てる教科書の採択を願うとするものが三十件、その他教育委員に関するもの等が五件ございました。  これらの要望書等につきましては、各委員にすべて写しを配付しております。各委員はこれらの内容を十分に把握した上で、採択審議に臨んでおります。  次に、採択した教科書について、教員等から意見を求めるべきとのご質問ですが、採択の際に学校調査等により調査研究結果を求めており、今後も手続にのっとり適切に対応してまいります。  次に、採択に至るまでの手続についてですが、規則、要綱、手引きにのっとり、適正かつ公正に行われております。  また、教科書採択のやり直しは、教科用図書発行者が文部科学大臣の指定を取り消された場合等に行うこととされております。  以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 中央図書館長。      〔中央図書館長(和田義広)登壇〕 ◎中央図書館長(和田義広) 私からは、今後の地域図書館の運営のあり方に関連しての質問にお答えいたします。  まず、外部委託、民営化の進め方と評価についてでございますが、図書館運営の効率化、図書館サービスの向上を図ることを目的に、行財政改革実施プランのもとで、「民との協働で、個性ある図書館づくり」の基本方針を策定し、図書館協議会にも報告し、取り組みを進めてまいりました。  次に、評価でございますが、サービス水準を低下させることなくコストの大幅削減を実現し、創意工夫に基づいた事業ができているものと判断しております。  次に、今回の方針決定の経緯でございますが、地域図書館が直営、指定管理者、業務委託の三つの運営形態となっていることから、昨年度の杉並改革総点検結果に基づき、図書館経営評価の結果を踏まえて改めて検証し、定めたものでございます。  次に、今回の方針に対する区民の運動についてでございますが、区は把握しているかとのお尋ねでございますが、承知しております。  次に、図書館協議会における議論ですが、七月に開催した同協議会に、方針について報告したところですが、決定のあり方、今後の対応、経営評価に関連しての議論などが行われたところでございます。  次に、人材の確保、育成がおろそかになる、経験や知識を蓄積できなくなるとのことですが、区が方針、基準を定め、指定管理者がしっかりした業務運営体制を築き、図書館サービスを提供することにより、人材の確保、育成が図られ、経験、知識も蓄積できるものと考えております。  次に、国会での附帯決議等についてでございますが、同決議は、指定管理者制度の導入に当たっては慎重を期し、適切な管理体制を築くなど制度の適切な推進を図るようにとの趣旨と受けとめております。文部科学大臣の発言につきましても、同様の趣旨と受けとめております。  次に、全地域図書館の指定管理化についてでございますが、平成十七年度から取り組みを進め、既に地域図書館の半数が業務委託及び指定管理者の運営となっており、運営の効率化とサービス向上が図られていると考えてございますので、今回の方針に基づき着実に進めてまいります。  次に、図書館の基本方針に関するお尋ねでございますが、この方針は、平成十七年度に中央図書館として決定したものでございます。  次に、理念、コンセプトに関するご質問ですが、基本方針では、社会教育法や図書館法の掲げる理念を踏まえ、「民との協働で、個性ある図書館づくり」とあわせ、「生涯現役の地域社会を支える図書館づくり」を基本コンセプトとして掲げております。したがいまして、新たな理念的指針を策定する考えはございません。  私から以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 六番小松久子議員。      〔六番(小松久子議員)登壇〕 ◆六番(小松久子議員) 若干再質問させていただきます。  小一プロブレムについてです。  済美教育センターでは報告を受けていないというようなご答弁だったかと思いますが、では、そういう問題は区内には存在しないということなのか。だとすると、小学校への円滑な接続をという子供園の目的は一体何を指しているのか、ちょっとわからなくなりましたので、お願いします。  それと図書館についてなんですが、先ほどの他の議員へのご答弁にもあったんですけれども、国の認識ですね、弊害とまで言っている。そのことは適切な管理運営のために言っていることなんだ、そういうご答弁でしたけれども、では区はどのように考えているのか。国が弊害と言い、また、図書館の運営は指定管理という形態はなじまないと言っていることについて区はどう思っていらっしゃるのか。国の認識はそれは杞憂だ、取り越し苦労だというふうにお考えになるのかどうなのか。  そしてまた、もし国の言う部分も確かにあるというふうにお考えになるのだとしたら、そのデメリットをどのような具体策をもって克服しようとなさっているのか、そこをお伺いしたいと思います。  それと理念のことなんですけれども、「生涯現役の地域社会を支える図書館づくり」という基本方針がもう既にあるということですけれども、それが伝わっていないというか、見えないということを私は申し上げたいと思うんです。それは、ただ見えるところに掲げてあるかどうかという形式的なことを言っているのではなくて、図書館をどうしていくのかということを広く区民に発信する気があるのかどうか。つまり長期ビジョンをどう自分で、中央図書館自身がとらえているのか、そういうことでもあるわけなんです。これから運営にまさにいろいろな民間事業者が参入してこようと、そういうことを進めていこうとしているわけで、なおさら長期的ビジョンといいますか、理念的な考え方の柱というか、それが必要なのではないか、そしてそのことをしっかりと発信していくことが大事なのではないかということを申し上げたいのですが、ちょっとお考えを伺います。 ○副議長(島田敏光議員) 理事者の答弁を求めます。  済美教育センター所長。      〔済美教育センター所長(小澄龍太郎)登壇〕 ◎済美教育センター所長(小澄龍太郎) 先ほど、学級組織や授業が成り立たないという報告は幸いのところございませんとご答弁申し上げました。しかしながら、ご指摘のとおり、保育園や幼稚園から小学校という新しい環境に身を置くというのは、お子さんにとっては大変な問題でありますので、きめ細かな対応が必要ということは、私ども承知しているところでございます。 ○副議長(島田敏光議員) 中央図書館長。      〔中央図書館長(和田義広)登壇〕 ◎中央図書館長(和田義広) 図書館に関する再度の質問にお答えいたします。  まず、国会の決議あるいは大臣の発言等に関連しての再度のご質問でございますが、国で示された留意事項も踏まえてきちんとした体制をつくることによりまして、図書館サービスの向上、図書館運営の効率化を図ってまいりたいというふうに考えてございます。  次に、理念でございますが、長期ビジョンをどうとらえているのか、これから必要ではないか、発信することが大事ではないかということでございますが、先ほど申し上げた「生涯現役の地域社会を支える図書館づくり」をコンセプトとして、その具体化、それから利用者への周知ということも含めて、しっかりとした取り組みを進めてまいりたいというふうに存じます。  私からは以上でございます。 ○副議長(島田敏光議員) 以上で小松久子議員の一般質問を終わります。  以上で日程第一を終了いたします。  議事日程第二号はすべて終了いたしました。  議事日程第三号につきましては、九月十四日午前十時から一般質問を行います。  本日はこれにて散会いたします。                  午後四時四十七分散会...